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アミューの旅  作者: アミュースケール
第2章 輪廻転生
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第2章1ー12

「ルタン様、わたしは、命からがら戻って参りました」


ルタンもさすがフェルマエの四天王だけあって、ワラコに向かわせた偵察者の様子を見て、一目で分かった。しかも四人いた偵察者が、一人しか帰ってきていない。それから、現時点の感触としては、偵察者の顔が何やら気持ちが悪く、魔的なものに見えた。不気味なほど、爽やかであった。何かが、変わった。しかもこの者の背後から放たれている、なんだこのスーパーソニックは、どこか懐かしい(かお)りがする。


「何が、あったんだ」


生き残った偵察者は、次第に、不可思議な躍動感が宿りはじめた。偵察者の汗混じりの唇からは、魔法の言葉が宿っていた。その羅列の一つ一つには、アンドロメダの引力と、細胞分裂のような(うごめ)き、中性子のような軽やかさと、地球の重低音があって、一部始終を全て、ルタンに話すことが出来た。それは、あまりにも、見事であった為に、ルタンもこれには、納得せざるを得なかった。


ルタンはどうしたものか…と、考えた。確かにこの偵察者の言っていることは、本当のことであろう。ワラコには、何か、強大な力や影響力が働いている事は、この者の変貌ぶりを観れば確かだ。しかし、このままオメオメとフェルマエに帰るわけにも行かない…。う~ん、よし、相手が本当に神であるならば、好戦的な態度は辞めよう。我々も、そう莫迦(ばか)ではない。可愛い可愛い部下の命をこれ以上犠牲にしてはならない。やや、危ない橋ではあるが、これしかない。


ここは、わたしルタンが、一人で、ワラコに向かおう。


そうすれば、談合、もしくは協定の意志や誠意が神にも伝わるであろう。相手が本当に神であるならば、己の心は、戦いや悪意に濁らずに、水晶のように、透明で、まっさらにしていなければならない。せめてもの畏れや柔和な良心というものを胸に抱き続けよう。


我が国の将来の行く末にも、寄り懸かってくる、否、それ以上の何か、土壇場では、なかろうか。天上天下における全ての存在よ、ここは我輩に任せてくれ!


ルタンは、金剛の覚悟を杖にして、いよいよ重い腰を上げた。


それから明確な輪郭をもつ、声のトーンと振動で、部下に伝えた。


「これから、わたしルタン自らが、ワラコの街に行ってくる。もし、3日経っても、ここに、わたしが帰って来なかったら、ルタン軍の全軍、一人残らず、フェルマエに戻ってくれ。一人残らずだ!死者をこれ以上増やしてはならない」


※続く

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