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第2章1ー11
ここかしこでは、光が無数に散らばり、はじけている。その光によって生き延びた偵察者の目前にある葉叢では、星辰が舞い踊っており、互いの光彩陸離たる存在を、思う存分にさらけ出し合い、時には抱擁し、時にはキスをしている。そのたゆたう豊饒から、偵察者の心のなかに、とある正四面体のプリズムが辷ってきた。
底知れない栄光とエナジー。これこそ、我人生の最大の転機であり、フェルマエにとっての曙。この為に、わたしはこれまで神に生かされてきた!仲間達の為にも、恩義のある祖国の為にも、ルタンに、伝えるまでは、必ず死なない…、死んでたまるか!生きて、生きて、生き延びるんだ!本当の生が、今、初まったのだから…。
自身の命の中心、深海にある秘宝「ひとつなるもの」の種が、少しずつではあるが、確かに萌芽した。その芽の色は、境目がなく、淡く七色に変わりながら、赤子の裸のように、柔らかく、四方八方を包み込むような黄金を放った。
だんだんと四天王ルタンが陣を構えて待つ、幕屋が見えてきた。その幕屋の上方では、いつものように雲の龍が空のふところに抱かれて、消えたり、流れながら、飛翔していた。
※続く




