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源光(みなもとひかり)物語  作者: 西村 圭
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三十六、柏木

柏木はいまだ体調が良くありません。柏木の父君や母君は悲しみました。柏木は、すっかり気力を失っているようです。


先は長くない、という状態で、朱雀の養子のところにも連絡がありました。朱雀の養子は、返信をためらったそうですが、柏木とも親しい秘書のすすめもあって、連絡をとったとか。


柏木の母君も、医師を手配するなどしていましたが、柏木は回復しませんでした。柏木は朱雀の養子からの連絡には喜んでいたそうです。


やがて、柏木はひそかに女の子を出産しました。柏木に悪い噂が立たないように気を配り、私の手元に引き取り、私の子としました。私と朱雀の養子の子として、多くの人が祝ってくれました。


朱雀の養子も体調が優れません。私は見舞いました。朱雀の養子は私の元を去りたいようですが、朱雀が心配するでしょうし、私としても好きにしてもらうわけにはいきません。


朱雀は、養子の状態を聞いて心配し、様子を見に来ました。朱雀の養子は、人前にでることなく、静かにくらしてもらうことにしました。朱雀も、内心私に失望していることでしょう。


私は、かかわり合いのあった方々の中でも、とりわけ苦しめてしまった六条の人を思い出していました。


柏木は、いよいよ容態が悪くなってきました。親しくしていた落ち葉の人を気遣い、父君や母君、妹君に頼むと言ったそうです。


見舞いに訪れた夕霧に、朱雀の養子とのことを打ち明けたようです。夕霧は驚いたでしょう。


雲居の雁の人や玉鬘の人も回復を祈っていましたが、残念なことに、柏木は亡くなってしまいました。


皆悲しみました。朱雀の養子にも、衝撃だったようです。


朱雀の養子と柏木の子は、すくすく成長していました。どこか柏木の面影があるような気がします。


柏木の死に、柏木の父君母君は打ちのめされていました。


やはり沈んだ様子の落ち葉の人を夕霧が見舞ったそうです。


また、夕霧は柏木の母君のところも訪れ、慰めたようです。


雲居の雁の人も参加し、柏木の法要は盛大に行われました。


落ち葉の人を頻繁に見舞っているうちに、夕霧は落ち葉の人にこころひかれていったようです。


柏木は多くの人に愛されていました。なにかのきっかけで彼女を思い出し悼む人も多いでしょう。


私は、柏木の子がここにいるとは言い出せずに、子供の成長を見守っていました。

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