第4話「処分」
『ビーストギア 黒幕の物語』
第二章「モズキャッチャー」
第4話「処分」
「…………」
博士は、モニターを見ていた。
画面の中。
モズキャッチャーが。
再び、街を歩いている。
目的は変わらない。
東。
黒いロングストレート。
白いトップス。
赤いスカート。
前回。
ようやく見つけた。
そして。
所属も分かった。
「警察……」
博士は呟く。
面倒ではある。
だが。
もう。
未知ではない。
◇
『博士』
「何だ」
『いた』
「…………」
博士が画面を見る。
東。
間違いない。
「確認した」
『捕まえる』
「ああ」
モズキャッチャーが進む。
だが。
博士は。
すぐに気づいた。
「…………」
一人ではない。
東の周囲。
警察官。
一人。
二人。
三人。
さらに。
「また待ち伏せか」
前回と。
同じ。
いや。
「…………?」
違う。
博士の目が細くなる。
警察官たちの手。
そこに握られているもの。
「なるほど」
前回。
東だけが持っていた。
特殊な銃。
それを。
今度は。
全員が持っている。
「学習したか」
◇
モズキャッチャーが。
足を止める。
『邪魔』
「そうだな」
『排除する?』
「待て」
『…………』
博士は。
警察官たちを見る。
特殊銃。
複数。
前回とは。
条件が違う。
「…………」
なら。
ちょうどいい。
「少し付き合え」
『何をする』
「撃たせろ」
『…………』
「データを取る」
『分かった』
◇
警察官が。
銃を構える。
東も。
構える。
誰も。
逃げない。
前回とは違う。
怪人に通用する。
武器を。
全員が持っている。
それが。
彼らに。
戦うという選択を。
させている。
「…………」
博士は。
静かに。
見ていた。
銃声。
◇
一発。
モズキャッチャーの身体が揺れる。
二発。
傷がつく。
三発。
わずかに。
後退する。
「…………」
さらに。
銃声。
連続。
複数方向から。
特殊弾が。
モズキャッチャーへ。
叩き込まれる。
『…………!』
「状態は?」
『痛い』
「動けるか」
『動ける』
「損傷は?」
『ある』
「行動に支障は?」
『ない』
「…………」
博士は。
記録を取る。
一発なら。
ひるむ。
複数なら。
多少。
動きを止められる。
傷も。
増える。
だが。
それだけ。
「…………」
博士の興味が。
急速に。
失われていく。
「この程度か」
◇
警察側は。
違った。
「撃て!」
声。
銃声。
「止めろ!」
さらに。
銃声。
当たる。
確かに。
効いている。
前回の。
通常の銃とは。
違う。
傷がつく。
怪人が。
ひるむ。
だから。
いける。
そう。
思えた。
「撃ち続けろ!」
銃声。
モズキャッチャーが。
一歩。
下がる。
さらに撃つ。
もう一歩。
「効いてる!」
誰かが叫んだ。
「そのまま押し切れ!」
銃声。
銃声。
銃声。
「…………」
博士は。
無言で。
その光景を見ていた。
◇
『痛い』
「そうか」
『邪魔』
「ああ」
『殺していい?』
「…………」
博士は。
警察官たちを見る。
全員。
こちらの存在を。
知っている。
モズキャッチャーを。
見ている。
対象を。
囮にした。
こちらの行動も。
すでに。
ある程度。
読まれている。
「…………」
そして。
戦力。
確認済み。
特殊銃。
複数。
それでも。
モズキャッチャーを。
止められない。
「もういい」
『…………』
博士の声から。
興味が消える。
「ゴミは処分しろ」
『分かった』
「…………」
そして。
博士は。
一拍置いた。
「待て」
『何』
「早贄にはするな」
『…………』
「返事」
『分かった』
「よし」
◇
モズキャッチャーが。
前へ出た。
銃声。
止まらない。
もう一歩。
銃声。
傷が増える。
それでも。
止まらない。
「撃て!」
警察官たちが。
一斉に。
引き金を引く。
モズキャッチャーが。
身体を揺らす。
だが。
前へ。
一歩。
「…………」
警察官の。
表情が変わる。
さっきまで。
あった。
手応え。
それが。
少しずつ。
恐怖へ。
変わっていく。
◇
効いている。
なのに。
止まらない。
当たっている。
なのに。
倒れない。
傷は。
確実に増えている。
それでも。
来る。
「撃て!」
また。
一歩。
「撃て!!」
また。
一歩。
「来るぞ!」
誰かの声が。
裏返った。
モズキャッチャーが。
走った。
◇
「散開!」
遅い。
一人。
モズキャッチャーの腕が。
警察官を。
薙ぐ。
「ぐっ……!」
身体が。
地面を転がる。
「下がれ!」
銃声。
モズキャッチャーが。
振り返る。
次。
「こっちだ!」
東が撃つ。
『…………!』
モズキャッチャーが。
ひるむ。
「今だ! 距離を取れ!」
警察官たちが。
動く。
「…………」
博士は。
その様子を。
静かに見ている。
「やはり」
東の射撃。
他より。
正確。
判断も。
早い。
「対象自身が、一番厄介か」
◇
『あいつ』
「東は殺すな」
『…………』
「確保対象だ」
『分かった』
『他は?』
「言っただろう」
一拍。
「処分しろ」
◇
モズキャッチャーが。
警察官へ。
向きを変える。
「来るぞ!」
撃つ。
モズキャッチャーが。
腕で。
弾を受ける。
傷。
だが。
構わない。
進む。
「下がれ!」
また。
撃つ。
それでも。
距離が。
縮まる。
十メートル。
八。
六。
「止まれ!」
四。
銃声。
二。
「…………!」
モズキャッチャーの腕が。
振るわれる。
◇
一人の警察官が。
倒れた。
「…………」
博士は。
画面を見る。
動かない。
「一人」
記録。
それだけ。
◇
「おい!」
警察官が。
倒れた仲間へ。
駆け寄ろうとする。
「行くな!」
東が叫ぶ。
モズキャッチャーが。
そちらを見る。
「…………」
次。
警察官たちが。
悟る。
これは。
戦いではない。
◇
自分たちは。
怪人に通用する。
武器を持っている。
前回。
確かに。
相手をひるませた。
だから。
今度は。
数を揃えた。
これなら。
戦えると。
思っていた。
だが。
違った。
あの時。
怪人は。
倒せなかったのではない。
向こうから。
退いていっただけだった。
◇
「撃てぇっ!!」
銃声。
銃声。
銃声。
必死に。
撃つ。
モズキャッチャーは。
ひるむ。
傷つく。
だが。
それだけ。
また。
前へ出る。
「…………」
博士にとっては。
予想通り。
警察官たちにとっては。
初めて。
思い知らされた。
銃が通じることと。
勝てることは。
まるで。
違う。
◇
『次』
モズキャッチャーが。
倒れた警察官から。
視線を外す。
「続けろ」
『分かった』
次の。
人間へ。
向かう。
「…………」
博士は。
淡々と。
記録を取り続ける。
特殊銃。
複数。
連続射撃。
モズキャッチャーへの。
損傷。
「…………」
実戦データとしては。
十分。
「脅威度、低」
博士は。
そう。
記録した。
◇
その時。
「…………?」
別の反応。
博士の手が。
止まる。
「何だ?」
警察ではない。
東でもない。
別の。
何か。
現場へ。
近づいてくる。
「…………」
博士が。
モニターを切り替える。
映像。
そこに。
映った姿。
「…………」
見覚えがある。
「…………また」
一拍。
「こいつか」
◇
KID。
以前にも。
こちらの怪人の前へ。
現れた。
あの。
正体不明の存在。
「…………」
博士は。
しばらく。
その姿を見ていた。
以前は。
結果として。
こちらにとって。
都合の悪い存在ではなかった。
だが。
今回は。
違う。
「…………」
博士は。
モズキャッチャーへ。
視線を移す。
探索能力。
低い。
判断能力。
低い。
命令。
理解はする。
だが。
習性に。
引っ張られる。
「…………」
すでに。
評価は。
ほぼ。
固まっている。
探索用として。
使い続ける価値は。
低い。
「…………」
なら。
ここで。
失っても。
惜しくはない。
それより。
試せることがある。
KID。
あの存在と。
実際に。
戦わせる。
「…………」
博士の口元が。
わずかに。
動いた。
「ちょうどいい」
◇
『博士』
「何だ」
『また来た』
「ああ」
『邪魔』
「そうだな」
『排除する?』
「…………」
博士は。
KIDを見る。
そして。
モズキャッチャーを見る。
「やれ」
『…………』
「戦え」
『分かった』
「取れるだけ」
一拍。
「データを取らせてもらおう」
モズキャッチャーが。
KIDへ。
向きを変える。
博士は。
その光景を。
ただ。
記録し始めた。
――第二章 第4話 了。
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※本作は、作者が物語のストーリー、世界観、キャラクター、設定、展開を考案し、AIとの対話を通じて文章の整理・推敲・執筆補助を行いながら制作しています。
物語の方向性、設定、展開、および最終的な内容の判断は作者自身が行っています。
本作では「人間とAIが協力して、一つの物語を作る」という創作の形にも取り組んでいます。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。




