*閑話*
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『ねえ、ジェネ、また私の愛し子が殺されたわ。』
下界を覗く水鏡を覗き込んでいた麗しい女神。
匂い立つような美貌だが、幼さを残したような顔立ち。ピンクブロンドの豊かな髪はふくらはぎまでと長い。
女神は言葉とは裏腹に残念そうな表情はしていない。
女神が声をかけたのは、彼女の後ろで同じように水鏡を覗き込んでいた男神。
闇色の髪は光によっては赤く光る不思議色。瞳は白目のない真っ黒。声を掛けられ顔を上げてニッコリと笑う。
『そーだねー、また、殺されたねー。でもーヴィーの愛し子はーまだまだいるじゃないか。』
『でもぅ、真実の愛の種を蒔くのが私のお仕事なのに、どうして下界の者達は、素直に受け入れないのぉ?』
『アースが言ってたじゃないか、人は愚かなのだと。』
『んー、アースは嫌いよ!父神様に、私のお仕事を辞めさせようとするんだもの!』
『んー、ジェネが、お仕事を続けられるよう、父神様にちゃんと、頼んであげただろー?さぁ、次の愛し子の様子をみようよ?』
男神の笑顔に女神は再び水鏡を覗き込む。
ジェネと言う男神は、女神の愛し子が起こす騒動が大好きだ。壊れてしまった女神を大地の神のように諌めたりはしない。むしろ無粋だと考えている。彼が女神を愛したのはずいぶん昔のこと。彼女の心が某男神に注がれていると知った瞬間に冷めた。新たな恋もして幸せだった。なのに、彼女が失恋に心を壊し、下界にとって迷惑でしかない愛し子を作り出した責任を多数の神々に責められた。
ただ彼と女神は幼馴染みだっただけだったのに。
理不尽だと憤った。
だから、女神が好き放題加護をばら蒔くのを面白おかしく見守った。
下界の者など好きに滅べばよいのだ。あぁ、面白い。
我が偉大なる父神は、女神をどうするのかなぁ。
思い付きの閑話。




