ごじゅう
今までとこれからの齟齬を整えました。
3/7加筆訂正。
「じゃあ、私はダーリンの所へ戻るわね、詳細が分かったら伝えるし、伝えてちょうだい!」
嵐のようにマライアは去っていった。
「さて、話をもどすよ。」
ルシリスとダクネスは、正反対の性質の神でありながら、一対でもある。
光ある所に闇はあり、闇あるところに光ある。
その昔、ルシリスは、アルドノア公爵家に生まれたジオンジークの魂の美しさに惹かれ加護を与えることにした。お気楽天然素材のルシリスを心配した母神は、加護の対象が吸血鬼族の少年と知り、娘を嗜めたが、ルシリスは諦めなかった。
あんなに美しい魂はない、きっとイケメンに育つ!
余りにミーハーな娘に母神はもう一度考え直せと叱った。
日の光が弱点とも言える種族に与えてよい加護か、馴染まず彼の身を滅ぼすかもしれないぞと。
一生に何度も加護を与えることの出来る愛と美の女神とは違い、上位神であるルシリスが加護を与えられるのは良くて2度迄。漸く加護を与えられる年齢になったのだ与えるなら好みの者に授けたい。
落ち込んだルシリスに同じく加護を与えられる年齢になっていたダクネスが声をかける。
ルシリスは、ダクネスが大好きだ。
少年を選んだのも少年が彼に似た容姿だったから。
また、ダクネスも明るく優しいルシリスのことが大好きで、少年を選んだ理由を聞いてしまっては怒る気にもなれなかった。
ダクネスは、ルシリスの母神に願い出る。自分が一緒に少年に加護を与える。自分が先に加護を与えれば吸血鬼でも後から付与した光の加護に順応出来る筈だと。
母神は、大きく息を吐き、《では与える力を半々にしなさい。2つの加護を身に宿すとなれば少年の苦労は目に見えている。彼が加護に順応するまで魂の一部を側に置き、その身を守りなさい。》と言った。
斯くして、日の神ルシリスと闇の神ダクネスは本体を神界に置き、魂の欠片をジオンの中に住まわせた。
『上手くいってたのよ、あの私の劣化版魔術の発動があるまで。』
ルシリスは、何処から出したのか紅茶を飲んでいた。メイドに出された紅茶は吸い込まれるように小さくなり虫籠の中のルシリスに届いていた。
『あの攻撃でダクネスは、ジオンの体を守るためにわざと弾き出たの。(/_;)あの光攻撃を無効にするために私はジオンの体自体を作り変える必要があった、でもさ、私ったら本体じゃなくて欠片じゃん?思ったより時間喰っちゃって、ジオンの体をゼロから10歳位までしか成長させられなかったのよ。』
呑気な物言いに家令もセイランも“はぁ、”と頷くしか出来ない。
『隣国に渡ったジオンってば、あれよあれよと最強冒険者ってのになっちゃったからさ、そろそろダクネス探してよって、頼んだの。』
「闇の神ダクネスの欠片は誰かの中に加護として宿ってるはずなんだ。それもついでに探す。10日後、エマージェン王妃の誕生会に多くの貴族達が招かれる。その場でアルドノア公爵家当主として立つ。黒幕の発表もその場で行う。」
「エマージェン王妃様はお許しになられるでしょうか?」
「その為のライモン殿下だよ。」
ニッコリと笑う若い主に皆の顔が輝く。
「外からの侵入は、俺の許可なく許さない。城よ頼むな。」
キラキラとした粉が舞う。了承の証だ。
「だが、城の中は今から活動開始だ。磨き上げてくれ。」
歓声が上がる。
『はーい、並んで頂戴!いいこと?有りがたく受け取るのよ‼』
ルシリスが金色の粉を使用人達の額に付けていく。
『1日一回、時間にして4、5時間。この光の粉があんた達を日の光から守ってくれるわ、日中に買い物も自由よ!』
歓声が上がる。
「アルドノア公爵家の当主の帰還と前当主、夫人、令嬢の死の経緯をそれとなく蒔いてくれ、」
『ダクネスのことも忘れないでよ!』
いざ、出陣である。




