表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我慢の女神は惰眠を貪りたい。  作者: 櫻塚森
第五章 主人公再び
57/91

にじゅうはち

デイビス王子にとって唯一の母上であるスフィア妃様は離宮で療養中だ。美しく、愛らしいお姿は未だに損なわれていないらしい。(デイビス王子談)

スフィア妃様がピンクブロンドだと知ったのは、ついさっき。彼女の容姿は余り世間には知られてなくて、『下級貴族出身にありながら、望まれて王妃になり陛下の寵愛をどの妃よりも受けている王妃。』そんな噂だけは、良く聞いた。(デイビス王子談)思い出してみればデイビス王子は何やかんやと王妃の自慢をして理想だと言っていたな。彼の好みは淡い色合いの髪らしく、私の黒髪はそれはもう不評だった。何度も色を変えろと言われたが拒否し続けた。自分の理想のために色を変えているステラさんを褒めてた。バカらしくて、ラーゼフォン公爵家の家訓で禁止されているとか良く分からないことを言って誤魔化したこともある。っていうか、見た目の変化魔法は学園では禁止されていることだと言ったらステラさんが泣き出して大変鬱陶しかったことを思い出した。

今回の話し合いでスフィア妃の色合いを知って全てを悟った。陛下も王妃様方も苦労をしたのだな、と思った。


デイビス王子には、何度も自身の母君について聞かされ、ステラさんとの共通点とかも熱く語られ、私には可愛げがないと何度も言われたな。面会は制限されていて、陛下と王子くらいしか会えない状況であることも知った。側付きの侍女も話相手もいない孤独な日々を送っている。そんな”お寂しい“母君の元にデイビスは足しげく通い、陛下との馴れ初めとかをかなりの脚色を加えて聞かされていた。

アルビナ妃様やエマージェン妃様がどれだけ自分のことを恨んで妬んでいて、この病気がいつまでも良くならないのは、王妃様方の呪詛によるものであり、陛下から貰った指輪がなければ、とうの昔に殺されていたとまで言ったらしい。デイビス王子は、それらの話を全て鵜呑みにしていた。なんで?って思ったら彼はスフィア妃様と面会する時に身に付けるよう言われていた加護のペンダントを付けてなかったから。

ステラさんと出会った後から加護のペンダントを彼女から貰った同じような色の石のペンダントに変えて付けていたんだって。愛するステラさんから貰った石こそ、本当の愛!加護である!って信じて疑わなかったの。バッカじゃない?って思ったのは私だけじゃないはず。デイビス王子は、出会ったステラさんの色合いがスフィア妃に似ていることも母君に話していて、スフィア妃は、とても喜んでデイビス王子にステラさんを手離してはいけないって言っていたそう。でも、母のことを思うなら正妃は私で、ステラさんを側妃にと言っていたみたい。デイビス王子と私の婚約を言い出したのは自分であり、デイビス王子の将来には私との婚約が不可欠だと諭してはいた。名目上でいいと言う訳だ。母の心、子知らず。デイビス王子と私の婚約は破棄された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ