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【第一部完結】異世界ウインドオーケストラ ― あの日見た空の向こうは ―  作者: 若菜みかん


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エンディング~アルメニアン・ダンス~

ミラーが構えた。


全員を見渡し、一呼吸置いて――


タクトを振り下ろした。


大地のシンバルと金管のファンファーレが、完璧なタイミングで繰り出された。


待ってましたとばかりに、小春とトールが吠える。

低音がそれに呼応した。


夏樹が高らかに歌い上げ、フルートとサックスへバトンを渡す。


再び、ファンファーレが鳴り響いた。


音楽は、ドラマチックな変化を繰り返していく。


夏樹が答える。

遠くから聞こえてくる、やまびこのように。


そして、次の主題へ。


奏とアイシャが軽快なリズムを刻む。


フリューゲルホルンに持ち替えた若菜が、ゆったりとしたソロを奏でた。

奏、夏樹と、その旋律に続いていく。


やがて、次の場面を予感させるように、壮大なユニゾンが鳴り響いた。


山を登り、そして下るように、音が引いていく。


遠くの山から響かせるように、小春とトールが音を飛ばした。


ミラーの指揮が、不規則に揺れる。


少し危うさを感じさせるリズムに乗って、サックスとオーボエが主題を鳴らす。


それはクラリネットへと渡され、ユニゾンで頂点を迎えた。


再びサックスとオーボエから木管楽器へ。

金管、木管と、主題を交換し合っていく。


トランペットのファンファーレとティンパニーのロールを合図に、激しく主題をぶつけ合った。


そして、すぐに落ち着きを取り戻し、次の場面へ。


息の長い、ゆったりとしたフレーズが響く。


木管楽器のメロディーに、夏樹のオブリガートが降り注いだ。


いくつもの響きが重なり合い、ロマンティックで、どこか哀愁を帯びた空気を作り出していく。


一音、また一音と抜けていく。


静寂を予感させるアイシャの音が、みんなの耳を包んだ。


――瞬間。


短く、勢いよくハーモニーが飛び出した。


クラリネットが忙しくリズムを刻む。

フルートやサックスも加わり、軽快な主題を響かせた。


大きく、短く。

何度か響くハーモニーが、その先を予感させる。


夏樹のユーフォニアムが、階段を駆け上がるように音を伸ばしていく。


次第に推進力を増し、一度目の頂上でユニゾンへと繋いだ。


二度目は、さらに勢いを増す。


リズムのアクセントが前後に揺れ、音楽はどんどん前へ進んでいく。


強弱は目まぐるしく変わる。

それでも、決して勢いは落ちない。


何度目かの金管のユニゾンが、フィナーレを予感させた。


最後のハーモニーを、ありったけ響かせる。


短いはずの最後の音が、原曲よりも長くハーモニーとなって――


いつまでも、耳から消えなかった。

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