エンディング~あの日見た空の向こうは~
「大地さーん」
「ん、なんだ。アイシャか。どうした?」
「おやかたが、三日月亭に行きたいから呼んで来いって」
「分かった。今行くよ」
「こんなところで何してたんですか?」
「ん? なんとなく、空が見たくなってな」
「空ですか? 今日も綺麗ですね」
「ああ、そうだな」
「早く行きましょうよ! 私、もうおなかペコペコですよ!」
アイシャは大地の手を取り、そのまま走り出した。
「若菜、どうしたの? ぼーっとして」
「え? そう……かしら」
「うん。聞いてた?」
「ごめんなさい。少し考え事してたの」
「もう、放っておくとすぐ遠いところに行っちゃうんだから」
「遠いところ……ね。でも、空は同じだよ」
「何それ? ゼミ始まるよ!」
「そうね。行きましょう」
大学のキャンパスを走り抜ける途中、若菜はふと空を見上げた。
鞄につけた貝殻のキーホルダーが、揺れていた。
日差しが強かった。
ビルに反射した光が、まぶしかった。
夏期講習を終えた夏樹は、ふと空を見上げた。
そのとき、ふいに風が吹いた。
鞄の方から、聞き覚えのあるメロディーが流れた。
「ライム……」
短くつぶやき、鞄につけたキーホルダーを手に取った。
「こっちに来て、一度も鳴ったことなかったのに」
もう一度、空を見上げた。
今度は、空の向こうを探すように目を閉じた。
記憶の中にあるメロディーが、夏樹の頭の中に響いていた。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
一部完結になります。
よろしかったら評価や感想などを頂けると今後の励みになります。
また、加筆や修正も予定しております。
次回は、奏編とルタ村編を予定しております。
よろしくお願いします。




