魔法使い、驚愕す
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「…ぷふふ、あはは」
最下層にて手に取った魔法書を見ていて思わず吹き出してしまった。そうだ。確かにこの世界は200年前とは別物の変化したのだなと実感した
世界に起きた変革は大きく分けて2つ
一つ目は『技術革新』だ。照明器具が良い例だと思う。魔法の様に使用者の適性や研鑽とは別種の技術を必要とする代物だ
これは非常に素晴らしいことだ。戦禍では兵器の動力源とされていた『魔石』の出力調整、並びに充填路の一般化と構築は皆が等しく魔法を使える様になったと形容できる
魔石の保有する力を抽出する。これは10代までの魔力限界を外部からの干渉で無理矢理にでも向上させられることも意味する。しかし、使用者にどれほどの負荷や副作用があるかは考慮しない前提での仮説である
魔法の研鑽をその他の技術成長に割けるのはいいことだがそれは同時に必然的にふたつ目へと帰結することは避けられないだろう
二つ目は『魔法の衰退』だ。魔法ではなく魔術を主流としたならば先の時代の【眼の色】や【研鑽】がこれの成長を妨げる要因になってしまう
片や『術式を覚え代替可能な存在へと置換する』
片や『小さい頃から10を過ぎるまで魔法第一生活』
前者が主流になることは何も驚くことではない。ではないのだが
「く、ふふ、ぷぁはは」
だ、ダメだ。魔法の衰退に際して構築式そのものが失われた様に見える内容の本に心の底から笑ってしまった。悲しきかな知らぬことを知らぬと言えぬ生物が魔法使いというものだ
しかし、これではあまりにお粗末極まりない
「(この構築式を組んだものと話がしたいな
緩やかな自殺願望でもあるやもしれん)」
欠陥に矛盾の乱立は魔力を悪戯に消費した挙句に大爆発を起こすこと間違いなしだ。枝の剪定に積極的なことはいいことだが、これを大真面目にしているのであればいよいよを持って魔法は失われた存在と見て間違いなさそうだ
「(そうか)」
悲しくもそれは平和の象徴と言えることを嬉しく思う
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「(随分と読み耽ってしまったな)」
本を本棚の所定の位置に戻し、書庫を後にする。体力の限界というものだ。些か眠気がやってきた
「おや?」
書庫の地下室から暖炉のある場所まで戻るもリリスの姿は見えなかった。その代わりに書き置きがあり、食事の準備と仕事をしている旨が書かれていた
「(立派になったなぁ)」
僕も何か仕事をするべきだろう。しかし、子供を雇ってくれる場所が果たして残っているのかが疑問だ。兵士に志願したところで門前払いが目に見えている
「(僕はやっぱり、魔法に携わりたいな)」
前は戦争に使い、逃げることに使ったこの知識群を、この力を世に役立てたいなと文明の力を前に思った。火を焚かずとも料理ができるのはどういう仕組みなんだ。気になってしまう




