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劣等眼の転生魔術  作者: 理屈屋・中折れ青二才
第三章:魔術学園・1年前期編
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魔法使い、竜の爪を遊戯す

◆◇◆◇◆


「石化の息吹は風による影響を受けやすく

『解石』の術式が広まってからの

 対処は早かったものです」


「そうなの…」


「ですがあくまで対処し易くなったのは『石化』

 であり、ジャミスの持つ純粋な戦闘力は

 一般での対応が難しいことには

 変わり無かったんですよ」

 

「アベル…なんだか意外」


「何がでしょう?」


「勉強ばかりしてるし

 その手の話に興味があるのが意外って感じ」


「僕は色んなことに興味を持っていますよ?

 今はリリス先生とフェディーア先生への

 お土産について興味を持ってます」


◆【気になる様子】


 エリザさんがケースの向こうのジャミスを見ながら溜息をついた


「アタシ、変なのかな?」


「変とは?」


「ほら、ジャミスってお世辞にも

 可愛くはないでしょ」


「そうですか?」


「だって200種類もある中でジャミスよ?」


 僕からして見れば魔獣を『かわいい』と言う視点で見ること自体が新鮮で『変なこと』だ


「かわいい…とは違いますが

 そう言われて見れば

 ジャミスの嘴の色彩は美しいものでしたね」


「…アベルもそういう冗談言うのね」


◆【気になったので遊戯へ】


「アベル?」


「少し遊んでいきましょう」


「本気?不可能よ!こんな小さなアームで

 大きな人形を掴めるはずがないわ!」


「これも、経験です」


 エリザの言葉には一理ある。『ミニマムモンスター』の入っている箱は遊戯場に数あれどもとられた形跡のあるものは数える程度だった


 故にこの『竜の爪』について知りたくなった


◆【2回遊び】


「なるほど」


「ほら言ったでしょ?」


「…」


 操作にかなりの誤差があり、竜の爪と呼称するにはあまりにも弱々しい握力。故に真正面からでは太刀打ちができないことが分かった。懐かしいな


「エリザさん、ジャミスの初めての

 討伐記録を知っていますか?」


「え?聞いたことないわ…」


「ジャミスの石化の息吹はあくまで嘴からの

 噴出だったんですよ。それが風に乗るせいで

 被害は甚大になった」


 硬貨を入れ、ジャミス人形の大きな頭を掴み、転がして移動させる


「これで3回目よ?」


「ジャミスとの戦いも

 そう簡単な話ではありませんでした」


 ジャミス人形の尻尾を持ち上げて取り出し口へと落とした


◆【ジャミス人形を手に入れた】


 魔術と言うのもこれに似ている『不可能を可能にする』───目的に対して確実な一手を構築していく、遊戯とは興味深いものだ


「うそ…」


「ジャミスの解石は転落体の解剖によって

 術式の立証に至ったんですよ」


 先の話にはふたつの話がある『英雄的な語り』と『堅実的な語り』だ。英雄的な語りはその名の通り、歴史書にも記されている『勇者』達による妥当から活路を見出した話だ


 しかし、現実はそうは行かなかった。そもそもジャミスの最大の武器に対する対策を取れないまま挑むこと自体間違っている───だからこそ、取れる対策を何十と張って、最大の武器に対する対策と言う切り札を持って『初めて』人の手で倒せたのだ


 解石の術式───本当に手こずった記憶が蘇る


 そう考えると今回の『4回目』にしてのジャミスとの対峙は中々効率的に運んだのではなかろうか───と、思ってはみたもののこの人形はどうしたものか


「…こちらをどうぞ」


「えっ…?」


 あくまで『竜の爪』の遊び心地を知りたかった故、人形それ自体には頓着はない。放置するのも忍びないので欲しがっていたエリザさんに人形を譲ることにした


 受け取ったエリザさんは暫くの間、人形を見つめていた


「…い、一応、受け取っておくわ。大切にする」


「はい、お願いします」


 喜んでくれている様で何よりだ

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