魔法使い、学生寮に到着す
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外から入ってくる風の匂いが変わった。王都ミッドガルドに到着したようだ。規則正しく整備された町並みを横目に馬車は進んでいくと見えてきたのはあの学園だ
銀竜の門が開き、馬車ごと敷地へと入っていく───学園の門を潜るのは入学試験以来で、これで二度目だ
◆【馬車はそのまま、学園の裏手へと移動する】
「着きました。あちらの建物が
学生寮となっております」
リリスが指差す先、御者側の小窓から指さした先を見る。石造りの長い建物があった───それは赤煉瓦で作られた建物で5棟が連なる形で建っていた
「一部の部屋は研究室としても
使われているようです
売店なんかも入っているそうですよ」
◆【学園の外に出なくても良い構造か】
「5棟ってことは学年別かな?」
「はい。アースリア魔術学園は5学年制を
導入しておりますのでそれぞれの学年で
棟が分かれております」
学園と同じ敷地を学生寮に割り当てるか
「…学ぶ内容によっては知識が偏るな」
「アベル様、ワタシは一度ここで
別行動をさせていただきますね」
「一応、新米教師なので挨拶回りと授業計画の
提出をしてこなくてはいけないらしいので」
「分かった。いってらっしゃい」
◆【授業の内容が気になる】
リリスと別れ、学生寮に向かう途中。妙な魔力の反応があった。侵入者対策か何かだろう。敵意はなく直接的な害は無さそうだが【反証】しておく、この手の予め魔力を纏わせておく手法は後手に回ると厄介極まることは経験済みだ
本人にその意思がなかったとしても【反証】の応用による『魔力制御の奪取』は魔法戦における警戒事項である
「師匠?」
「今行きます」
◆【不安要素が多い】
学生寮の入り口───妖精が描かれた扉を開くと、受付カウンターに白衣を着た女性がいた。試験官を務めていた人だ
「新入生だな。私の名前はフェディーア
この棟の責任者を務めるものだ」
灰色の澄んだ魔力をしている。試験でもそうだった───魔術師を含む防御魔術師は現代でも生身での行使をするなら実力は他と比べて高い水準だろう
しかし、やはり粗が目立ってしまっている。魔力量で補ってはいるもののあまり好ましくない構築の仕方をしている
「まずはキミたちに学園指定の
制服を配っておこう」
フェディーアさんはそう言ってから僕たちに衣類の入った透明の袋を手渡した。袋の中に入れられているのは、学園指定の衣服とのこと───素晴らしい裁縫だ
「原則として寮の中での服装は自由だ
だが、寮から一歩でも外に出る場合は
絶対に制服を着用するように───」
◆【規則説明中】
「何か質問はあるか?」
僕は手を挙げる
「この制服、刻印
が入っているんですね」
「ああ。その通り。よく分かったな
『耐魔』『耐汚』の刻印が施されているはずだ」
「刻印はどなたが?」
「たしか、学園指定の業者に任せているはずだが
我が校の制服に何か不満でも?」
「いえ、刻印について
教えて頂こうかと思ったので」
「…そうか、後で調べておこう」
「ありがとうございます」
◆【将来の就職先になるかも知れない】
刻印は生存率に直結する。裁縫技術、使われている素材はどれも素晴らしいものながら、鎮座している魔術式がそれらを損ねているのはどうしても気になってしまう
「さて、アベル君にテッド君だな
部屋は2階だ。これが鍵だ
明日の入学式まで各々、自由に過ごすと良い
地下に設立されたトレーニングジムもある
不要不急の外出は控える様に」
◆【移動中】
「いや~。なんというか厳しそうな人でしたね~
美人ではあると思うんスけど異性からは
あまりモテないタイプだと思うッス」
「そうなんですか?僕はとても
教師然としていて、好ましいですよ」
「…それ、リリスさんの前では
絶対言わない方がいいっスよ」
「?」




