魔法使い、黙認す
◆◇◆◇◆
「…」
封筒の中には『合否発表』の他にアースリア魔術学園の学生寮というものの説明が入っていた。学園に拠点を構えるという代物だ
『入寮手続き』には既に記入がされていた
「テッドさん?これは?」
「あぁ、離れ過ぎてる。とかで
強制入寮らしいっスよ?」
この家から王都まで馬車を使って通学するのは現実的ではないとのことで学生寮を利用することになった
◆【リリスの思惑】
「あれ?でも師匠はリリスさんと
2人暮らしなんスよね?
離れ離れになっちゃって良いんスか?」
「そうですね。それは…」
3枚目の書類でテッドさんの心配が杞憂であることが分かった。さんまいめ内容は『教員紹介』だった
「リリス本人に聞きましょう」
「ぬ、ぬおっ!リリスさん!?」
エリザさんと入れ替わる形で喫茶店の中に顔を出したリリスが僕達の前に顔を出した。
普段の装いとは違い、従者の柔らかな物ではなく───印象は固い、インナーに白、全体は黒を基調とした棲み分けによる『規律』を形にした装いをしていた
「流石はアベル様
ワタシのことをよく理解していますね」
魔力隠蔽で気配を消しながら僕達の前に現れたリリス。やはりこの時代の魔術師とは頭ひとつ以上抜けている
「やぁリリス、その格好、似合ってるね」
しかし、コンタクトに眼鏡、リリスはそんなに目が悪かっただろうか?しかし、片方は縁だけだ。これと言った魔力も感じられない
取り敢えず注文していた珈琲を差し出す
「ありがとうございます」
◆【女性教員リリス】
「それでリリス、説明お願いできるかな」
「はい。アベル様に報告がございます」
珈琲の入っていたカップから手を離し、リリスは眼鏡の縁を持ち上げ、教員専用の装い今一度整えると得意げな表情をした
「本日付けで、ワタシ、リリスは
アースリア魔術学園の教師として
採用されました」
「ちゃんとした方法?」
「はい、ズルはしておりません」
「いいね。なら僕は何も言わないよリリス」
「どんな手品を使ったんスか」
「長めに勉強して
ちょっとしたコネを使っただけですよ」




