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劣等眼の転生魔術  作者: 理屈屋・中折れ青二才
第ニ章:魔術学園・入学試験編
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魔法使い、先代の術式に落胆す

◆◇◆◇◆


「だからアタシは強くなる!

 そしてアタシを育ててくれた家を

 絶対に再興するんだ!」


 僅かに涙を浮かべながらもエリザは言った


「何スか、それ」

「あなたは…」


「めちゃくちゃかっこいいじゃないッスか!」

「…っ!」


 テッドさんは楽しそうに笑い、そして、あっけらかんと告げた


「でも楽しくなさそうッスね。おたく」

「…あんたに何が分かるっての!」


 テッドさんがガントレットの構えを変えた。バーニングレイヴンから『身体強化』へと


「(マリア…君はやっぱり真っ直ぐで眩しいよ)」


 だからこそ、彼女もその道を選んだのだろう。王道にして芯の通った、曲がることのない君の生き写しである彼女だからこそ


「来るッス」


 テッドさんは続き『脚力強化』を充填している。強かだな。そしてエリザさんの方もまた魔力を高め始めた


「『天に朱灯す(ローズスカイ)』!」


 声高に叫んだ次の瞬間、エリザさんの体の周りに魔術式が浮かび上がり、火の粉が地面から噴き出した


炎鎧纏いて(スケイル・フレア)

 空を我が手に(ケイオス・エンプレス)

 覚悟しなさい!今のアタシは一味違うわよ!」

「…負けないっス!」


 炎を自在に操り、鎧と翼を展開した姿。勇者マリアの戦装束にして死装束だ。その神々しさは200年前と変わらず、炎が人の形を真似て顕現した様に感じる姿を前にして、責務を忘れ、観客(・・)として完全に魅入ってしまう程だ


「し、信じられねえ!飛んでいるよ!」

「飛行魔術!?それって都市伝説か

 何かじゃなかったの!?」



「見たことないでしょ!こんな魔術!」

「ようやく笑ったっス」


「えっ。ええっ?あれえぇえ!?」


 テッドさんも空を跳んだ


「し、信じられねえ!飛んでいるよ!」

「飛行魔術!?それって都市伝説か

 何かじゃなかったの!?」


 既視感のある言葉の再発声。しかし、テッドさんのそれは少し違う。空中を蹴り続けての飛翔だ。形になっている様で安心する


 少し離れてしまったので『聴力強化』『視力強化』で2人を見守っていると


「何よ、それ」

「いやぁ、ちょっと前に屋根から落ちる経験をして

 どうすれば落ちても大丈夫かと相談したら…」


「落ちない様にしなさいよ」

「それ師匠にも言われたっス」


 空中での撃ち合いは一撃離脱の応酬になる。その合間を縫って話す2人の姿は200年前の空中近接戦と変わらない様子を見せていた


「(懐かしいな)」


 しかし、2人とも魔力残量のことを考えているのだろうか?テッドさんは感覚でどうにかしているが、エリザさんはかなり無理をしてそうだ


『ローズスカイ』は体力を一時的に魔力へと変換する。息切れが早くなる分、短期決戦においては無類の強さを発揮する───しかし、エリザさんは先の戦いで体力、魔力を共に消耗している。強化値もテッドさんの『身体強化』と同等かそれ以下、長時間の使用はできない筈だ


「(まさか…)テッドさん!」

「え?師匠!?見てたんスか!!」


「そんなことより、彼女に接近!」

「え?どう言う」


「『欠陥』です!」

「えっと…取り敢えず近づくっス!!」


 マリア、前線を離れてからも『術式の欠陥』を後世にまで遺伝させてるとは『感覚派』が過ぎるのも考えものだ


 エリザさんは今、自力で術式を解けない状態だ

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