魔法使い、青春を目撃す
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「観念しろアベル!」
「テッドさん、僕の名前…」
「聞いたぞアベル!リリスからな!」
「(僕、最初に名乗ったよな?)」
今日も今日とて、テッドさんの魔術練習に付き合う。最近直線ながらに『脚力強化』を発動して来るため、単調にならない様に三次元的な動きを始めた
しかし、やはりと言うか何と言うか、魔術を使っていると言うより使われている節が見られる
「(でも笑顔が増えたんだよなぁ)」
それでも不思議とテッドさんに笑顔が増えてきた。何故だろうか。僕を捕まえる算段でも立ったのだろうか
「いつか…!いつか必ず…!」
体力の消費が増えてきたのか、テッドさんの体力が枯渇することが増えた様な気がする。アイツが言うには気絶は次への休息らしいから、起きたならより強靭になるのだろう
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テッドさんを木陰に寝かせつつ、僕は僕で本を読もうかと帰る途中、村長の邸宅の廊下にリリスとバースさんの人影を見た
「何話してるんだろ」
【聴力強化】───範囲を拡大するのは得策じゃないからできるだけ近づいて発動させよう。これは敵情視察などで役に立った魔法だったな
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「…ですから。何度も言っています
ワタシはバース様とはお付き合いできません」
「何が不満なんだ!このボクの!」
「いいえ。不満といいますか
それ以前の問題なのです
ワタシには既に心に決めた人がいますので」
「あのアベシとか言う男のことか?」
「アベルです。とにかく申し訳ありませんが
バース様とお付き合いすることは
考えておりません。諦めてください」
本で読んだが姉弟ではその様な間柄になることを避けるべしとあったがリリスはそのことを忘れているのだろうか
「ち、血の繋がった弟に恋をしているなんて!
キミは不潔だ!恥を知るが良い!」
これ以上聞いていてもバースさんの沽券に関わるし、聞かなかったことにしよう。それにしてもバースさんはリリスが好きなのか
「アベル!降りてこい!」
テッドさんの体力も回復したみたいだし、本を読む時間を失っていては世話がないな僕も
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テッドさんは起きてからと言うものの、全身に魔力を纏う様になっていた。元々考え、教えるよりも『勘』に頼る『肉体による学習』が本人には合ってる様だ
「(凄いな、脚力強化の溜める行為から
纏う技術を得たのかな)」
能力の成長が著しくとても楽しい、身体強化も続ければより高みに昇れるだろう。素晴らしい、俄然教え甲斐があると言うものだ




