魔法使い、妙案に達す
◆◇◆◇◆
「待てや!」
ふむ、少し不味い。テッドさんが点で魔術を使わなくなった。これは由々しき事態だ
残念でならない。彼の基礎体力で身体強化を展開したなら今の僕では真正面から太刀打ちできる術が傷つけてしまう恐れのあるものばかりだ
無傷での捕獲や無力化も課題だな
「ぜぇ…ぜぇ…」
朝から晩まで動き続けても息切れだけというのは魔術師より騎士に向いていると思うのだがやはり貴族たるものと言うやつだろうか?テッドさんの《灼眼》は火属性、伝播、瞬間に適性がある物だがその点はどうなんだろうか
「あ!」
そうか、うっかりしていた
「テッドさん!」
「ど、どうしてお前はそんなに
平然としていられるんだよー!?」
「そんなことより」
「そんなこと!?」
「テッドさんの弱点克服は諦めます」
「…何だよ、お前も」
「その代わり、長所を伸ばしていきます」
「え?」
『脚力強化』───ひと蹴りで木を飛び越える跳躍力を出し、木の天辺に着地する
「何が変わったんだよ!」
「まぁまぁ」
◆
テッドさんの弱点は眼の特性によるところと、生来の魔術適性のなさによるもの、そして魔力の多くもなく少なくもない微妙な総量。それらが欠けた状態で難易度の高いことをさせたところで楽しいわけがない
「これは魔力を纏うというより
集中、充填するもので」
「待てや、今集中してるから」
「…」
「なんか喋れや」
「理不尽だなぁ
さてはそれのせいで同年代の友達少ないな
テッドさん」
「覚えてやがれ、いつか必ず」
「集中」
「クッソォッ!」
これは魔力感知も覚えてもらう必要があるけど、どうやって説明したものか
「それでは、よーいドン」
元来の発散効率の良さは言わずもがな。溜まった魔力が術式を瞬時に活性化へと導き、その速さは体感だけで言えばロイのそれに似たものがあった
脚力強化は縦の機動力を補助する魔法、もとい魔術だ。それを横にすれば地面が僕達を引っ張る力への抵抗を術式で緩和していたのを脚力の余剰分に合算。機動力に転化され、発散仕切る2足ばかりは競り負けた
「(使い方によってはゴーグル取られるな)」
「はぁ、はぁ…アベベ、隙ありだっ!」
でも直線的な攻撃ばかりだからなぁ
「ハッハー!」
「(でも笑顔になったなテッドさん)」




