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電波 第15話

拓哉と綾乃が到着したのは、

都内でも利用客の多い巨大ターミナル駅だった。


ホームには規制線が張られ、制服警官や鑑識たちが慌ただしく動き回っている。

事故の影響で一部の運行は停止しており、騒然とした空気が辺りを包んでいた。


救急隊員たちの慌ただしい声。

ざわめく野次馬たち。

そして、どこか張り詰めた異様な静けさ。


綾乃はその空気にわずかな違和感を覚えながらも、

気持ちを切り替えるように小さく息を吐いた。


「目撃者は?・・・・」


新しい警察手帳を提示しながら、

現場検証を行っている刑事たちに問いかける。


刑事たちは綾乃と拓哉の手帳を確認すると、軽く敬礼した。


「目撃者は通学途中の女子高生です」


「女子高生?・・・・名前は?」


綾乃がさらに問い質すと、

一人の刑事――沢木が手帳に目を落としながら答えた。


「えっと……都内の女子校に通う、

神崎実夏さん。十七歳です」


「……え?」


その名前を耳にした瞬間、

綾乃の思考が止まった。


――神崎実夏。


聞き間違えるはずのない、

自分の妹の名前だった。


「実夏……?」


思わず漏れた声は、かすかに震えていた。


一瞬、自分の耳を疑う。


そんなはずはない。


なぜ実夏が、こんな場所に――。


その横で、拓哉が鋭い視線を綾乃へ向ける。


「知っているのか?」


低い声で問われ、

綾乃は青ざめた表情のまま小さく頷いた。


「あれは……私の妹です」


その言葉に、

沢木たち刑事の表情がわずかに強張った。


するとその時、

ホームの奥から誰かの怯えた叫び声が響いた。


「ち、違う……!

あの子、さっきからずっと空を見てるぞ!」


その声に、綾乃は反射的に顔を上げた。


そして、

胸騒ぎに突き動かされるようにホームの端へと駆け出していた――。

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