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第二十四話 理想

「今更、私の前に現れてどういうつもりだ?」


 ユーリは、鏡牙に睨みながらそう聞いてきた。

 すると鏡牙は、ユーリの問いに答えた。


「簡単な話だ、お前に仕返しをしに来ただけだ」


 すると、ユーリは声を上げた。


「なぜ今更現れたのかと聞いている!」


 うわぁ、いつもの表情から一変しているな。

 いつもは大体は、微笑みを浮かべていたのに今のユーリの表情は、かなり険しい表情だ。


「さっき言った通りだ、お前に言われたことの通りにしたらこいつに襲われたんだよ、しかもお前に命令されてこいつは俺を襲ったそうじゃないか、今度は何を企んでやがる......」

「くっ、ここだと場所が悪いな......シン! お前もいずれこいつと共に消してやるよ、言われた通りにしていれば何も不自由なく過ごせたのにな! 」


 そう言い、ユーリは視界から消えた。

 奴は黒だったか、しかし鏡牙は何故ここがわかったのだろう?


「おい、鏡牙は何故ここが分かったんだ?」

「お前に渡した玉に少し細工をしたんだよ、チップがどこにあるかを探せる道具があってそれを玉に仕込んでおいたんだよ」


 マジかよ、それは俺がどこにいるのかが、筒抜けになっていたってことかよ。

 とにかく今はこの事をリアンにどう伝えるかだな。


「おい、何考えているのかは知らないが一度ここから出るぞ」

「ん? ああっ、すまない」


 俺達は風呂から出て、部屋に向かった。


「あらっシン、けっこう長かったわね......」


 リアンは鏡牙を見ると、近くに置いてあった杖を取って、俺達から離れた。


「シン! そいつはトラリィアの時の奴でしょ!? 何で一緒にいるのよ」


 俺はそのことを話そうとしたら、鏡牙が先に口を開いた。


「そのことについては、俺からは話そう、信じるかはお前の勝手だ」


 鏡牙は、さっきまでの出来事や俺に前に話したことをリアンに説明した。


「......っというわけだ、っとその表情からすると信じてはいないようだな」

「あたりまえじゃない! 敵の言うことをそう簡単に信じることなんてできないわよ」


 それも確かにあるだろう。

 だけど、一番の原因は憧れに近い存在だったユーリが、まさか裏で王の命を狙っていたなんてそう簡単には信じれないだろう。

 恐らくだが、奴は他にも何か隠していそうだったし鏡牙が嘘を言っている様子はないし。

 これは一番面倒くさいな......


「俺達は奴と決着を付けなければならない、お前はどうする?」

「どうするって?」

「俺達と一緒にアイツを倒して真実を知るかどうかだ」


 リアンはその言葉を聞いて即答した。


「そんなのすぐには決められないわ、しばらく一人にさせて......」

「そうか......」


 俺達は、別の部屋を借りてそこで眠りについた。


「ん? ここはまさか......」


 眼の前の光景を見て冷や汗をかいた。

 確かここは、ユーリの家だったはずだ。

 何故ここに俺はいるんだ?


 あれ、奥の部屋から何か声がするな。

 俺は近づくと、ドアから俺と同じくらいの男が現れた。

 何処かで見た顔のような......


「鏡牙、本当に君はお使いすら満足にできない程に使えない奴だね」


 なっ、今の声はユーリか?

 それに今、鏡牙って......


「うるさい、今まで確かに色々お前の言う人のために役に立つ薬の素材を集めてきたが、その薬の材料で作り出されるのは人のためではなくて、全く人のためとは関係のない禁薬のレシピと知ったからだよ!」


 禁薬? 

 一体どんな効果を持った薬なのだろうか?


「それは君も一度見たことのある薬だよ」

「うわぁ!?」


 後ろから本物のユーリが現れた。


「禁薬の名前は進化の秘薬、それを飲めば飲んだものは劇的に圧倒的な進化を遂げる、その代わりに一度飲んだら元の姿には戻れない」

「まさか、あの時トラリィアで鏡牙が飲んだ薬は......」


 すると、ユーリはニヤリと笑い答えた。


「その通り、あいつが飲んだものは進化の秘薬だよ、もっともあれは失敗作だけどね」

「なんでお前はそんなことをするんだ!」

「なんでって? 決まっているだろう、人という存在を滅ぼすためだよ」


 なに!?

 こいつはそんなことを考えていたのか。


「君も見てきただろう? この世界のスライムがどうして人の姿をしているかわかるかい?」


 まさか......


「そのまさかさ、あれは進化の秘薬で進化した人間の出来損ないだよ」

「お前!」


 俺はユーリを殴ろうとしたら交わされて、逆に溝を軽く殴られた。


「ぐはぁ」

「実に愚かだね、早くこの薬を完成させてこんな事を終わりにしなくてはな」


 はぁ、一体どうすれば......


「どうしようもないよ、薬のスペアはまだあるし施設もあるから誰にももう止められないよ」


 何だと......


「すべてはこの世の汚れを取り除くためさ、本来なら君にも協力してもらう予定だったんだけどね」


次回「 禁じられた秘薬の力 」

どうも、黒密Ξです。

投稿が遅れて申し訳ありませんでした。

なんとか書いて投稿しました。

次回はもう少し早く投稿しようと思います。

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