第二十三話 嘘と真実
「悪いが今回はここまでにさせてくれ、正直よくわかんなくなってきた」
そういうと、ヴァレスは頷いた。
「確かにその方が良さそうだな、だが油断をするなよ、奴はこの世界を管理しているのは嘘だが、知っているのは本当だ、少なくとも次に奴と会った時がお前と奴の縁は途切れるだろう」
「まだどうなるかはわからないぞ?」
「どうするかはお前次第だ、ヤバくなったらここに来い、後こいつを持っておけ」
ヴァレスは、俺に黒いビー玉みたいな物を渡してきた。
「おい、何だこれ」
「心を読まれないようにするための道具だ、あいつは人の考えを何故か読めるようだからな」
「もしかしてユーリがお前の事だけ把握できなかったのって......」
「ああ、この玉が原因だろう」
なるほど、そういう事だったのか。
そう思いながら、俺は小屋を離れ、リアンのいる宿に向かった。
時計を見ると、針は十五時を指していた。
そうえば昼食を食べていなかったな......
あんな話を聞かされたら昼食の事なんて忘れてしまうわ。
「はぁ......」
俺は宿に入って、部屋に向かった。
「おかえり、何か手掛かりは掴めた?」
どうしよう、これ話したらリアンは信じてくれるのだろうか......
俺でも未だに信じられないっていうのに。
「うーん、市場にはいなかったよ」
俺は一応この事は黙っておこうと思い、リアンには喋らなかった。
「そう......なら仕方ないね」
そういい、リアンは俺に水を持ってきてくれた。
「お疲れさま」
「ああ、ありがとう」
俺は一気に飲み干した。
「はぁ、喉乾いていたからちょうどよかった」
俺は、ふと時計を見ると針は十八時を指していた。
「そろそろ夕食の時間か、リアンは今から夕食でも大丈夫?」
そう聞くと、リアンは構わないと言った。
その後、俺達は夕食を食べて、俺は風呂に入ろうとしていた。
そうえばこの黒い球、一応持って行っておくか。
「ふー、どうするかな......]
俺は湯船に使いながら、考え事をしていた。
それは、ユーリが白か黒か。
一体誰を信じればいいんだ俺は......
「やあ、ずいぶん悩んでいるようだね」
「うぉ!?」
後ろから声をかけられて、振り向くとそこにはユーリがいた。
「別にそんなに驚かなくてもいいだろ、何か僕に隠し事でもあるのかな?」
「いや、特にそんなことは無いよ」
そう言うと、ユーリは表情を変えて質問してきた。
「そうえば、さっきから僕は君の考えが読めないんだ、何かあったのかい?」
くっ、やはり気付いたか......
何とかしてごまかさなければな。
「ああ、リアンには話してないが奴にあったよ」
「そうか、それは大変だったね」
ユーリはそう言い、いつもの表情に戻った。
「それより君は僕に何か隠しているね?」
なに!?
今奴は俺の考えはわからないはずだ。
何故だ。
「君が何を考えているのかはわからないけど、あの男と何かあったのだろ?」
くそ、どうするか。
このまま話すか、それとも隠し通せる限り隠すか。
いや、このまま隠してもしょうがないか。
だがこっちも少し聞いてみるか。
「ユーリ、この世界には俺以外にも日本から来た人間はいなかったか?」
そう聞くと、ユーリは少し表情を変えて動揺した。
これは何か思い当たることがあるのだろう。
そう思うと、ユーリもまた口を開いた。
「確かに、君よりも前にこっちに来た人間はいたけどそれがどうしたんだい?」
「いや、少し気になってな、その男は何年前に来て今はどこにいるんだ?」
「さあ? どこかに消えてしまってね、今では僕も彼の行方は分からないよ、彼が来たのはもう何十年も前だからもういないんじゃないかな?」
やはりおかしい、ヴァレスは確か十三年前と言っていたはずだ。
となれば恐らくユーリは嘘をついているんだろう。
ひょっとしたら、ヴァレスの話は本当なのかもしれないな。
「さあ、もういいだろ、結局僕に何を隠しているんだ?」
「ユーリ、お前はあの男にトラリィアの王に化けろと命令したんだろう?」
すると、ユーリは表情がまた変わり真顔になった。
「何のことだい? 変な言いがかりはやめてくれないかな」
ユーリはやはり何か隠しているな。
ここまでユーリが動揺しているのは初めて見たよ。
しかし、問題はどうやってこの場を乗り越えるかだな。
そう思っていると、ユーリの後ろからある男が近づいてきた。
「久しぶりだな、ユーリ」
「っ!? その声は!」
ユーリは声に反応して振り向いた。
「鏡牙! お前がこいつに吹き込んだのか......」
ん? キョウガ? ヴァレスはやはり偽名だったのか。
そう思っていると、鏡牙は話し始めた。
「シン、よく見ておけ、今からこいつの正体を暴いてやる」
次回「 理想 」
どうも、黒密Ξです。
現在もネタを考えてながら書いております。
そしていつも見てくれている方へ本当に有難うございます。
まだまだ初心者ですが宜しくお願いします。




