0440 ピー助さんとロー格さん
「アナタどういうつもりなの、私にこんな下品なものを着させるなんて?」
話せば長くなる。だが説明しよう!
昼食後にド外道の滞納野郎をギャフンと言わせたその夜、まずエマさんの部屋に行き都市アトレバテスで買って来てもらったコスプレ衣装を着させて大フィーバーした。その後、エマに同行したティアに選んでもらった同様のブツを、今ツンドラ魔導師に着させたという次第。
「エマにも着せましたから」
良くお似合いですよ、と言いかけた寸前で止めた。
やっと築いたハーレムを残して死ぬわけには遺憾。
だから、いつもの切り札を使った。
向こうから出してきたハーレム婚の条件が『エマと対等に扱う』だからな。
「フン、エマも聖職者のくせに堕落したものだわ」
俺もそれは思わんでもなかった。
コスプした魔乳司祭はまるで某アニメキャラのようだったぜ・・・
だがそれがイイ!
というわけで、お前にもなってもらうぜ。青肌のロリータにな。ウヒヒ
「これも全て野望のためですよ」
半袖の白いワンピースを着たヴィンヴィンをそっと後ろから抱き締める。
「こんなもので喜ぶなんてアナタも終わってるわね」
10歳の女の子が着るような可愛いフリフリのミニスカだ。
それをツンドラ女王様が着てるんだから萌えるに決まってる。
「髪の赤いリボンがとっても素敵ですよ」
エヴァのアスカのようなツインテールにしてみた。
「ここまでさせて約束通りに子供が産まれなかったら分かってるわね?」
俺は来年中に子供を抱かせると約束した。
驚いたヴィンヴィンは、もしそれが実現したら何でも言うことを聞いてあげると約束してくれた。もちろんダメだった時は推して知るべし。だが・・・
「今年中に抱けるかもしれませんよ」
俺は抱き締める両腕にそっと力を込めて耳元で囁いた。
「な・・・どこまで調子に乗るつもりかしら?」
言葉の棘とは裏腹にツンドラ魔導師の氷のような心は溶け始めていた。
「ヴィンヴィンさん次第です。年内に産まれるかどうかは」
「・・・・・・フン」
その鼻を鳴らす音を了解と受け取った俺は優しくキスをした。
「おやおやぁ、申し訳ありませんね。お待たせしてしまったみたいで」
3月10日の風曜日の正午。
俺たちが指定時間ピッタリに極肉食堂ショッキングドンキーに到着すると、滞納野郎ことウェラウニの不動産王アーク・ドイルは、一番奥のテーブルで既に座って大物感を漂わせていた。悪臭で困ってるくせに。プププ
「大金のお支払いとはいえ、これはまた大袈裟な警護ですね」
テーブルの周りには6人の屈強な男たちが立っていた。
このテーブルに来るまでの店内にも手下がいるっぽいしな。
これで俺たちを袋のネズミにしたつもりなんだろ。
だが、むしろ逃げ場が無くなったのはお前の方だと思うぞ。
「ゴタクを並べてんじゃねー。とっとと座りやがれ」
チラとローラを見ると罠は無さそうだったので素直に座ってやった。
この体勢の方が攻撃も逃亡もしにくいと考えただけみたいだな。
「それでは、早速、滞納金を戴きましょうか」
「そう言われてホイホイと渡すわけねーだろが」
「しかし、貴方の足元にちゃんと用意されてますよね?」
「力ずくでお前に魔獣を退治させれば払う必要ねーよな」
うーん、もう少し賢い男だと思ったんだがなぁ。
俺はともかく、隣の闇エルフの底知れん恐ろしさが分からんか。
それに、何の策も練らずにノコノコと二人だけで来たと思うのか?
仕方ない、穏便に済ましたかったが、ニコニコビジネスモードは終了だ。
「この馬鹿チンが! 力ずくが通用する相手かどうかも分からんのか?」
それとも、お前らにも何か秘密兵器があるってのかよ。
「ケッ、お前らはもう囲まれてんだよ。言うこと聞くまで逃げらんねーぞぉ」
ハッ、何の意外性もないお約束の展開じゃないか。それならこっちも予定通りに進めるだけだ。ま、女忍者が内偵済で分かってたけどなー。
「ピー助さん、やっておしまいなさい!」
バタッ バタバタッ バタバタバタッ バタッ バタッ バタッ
俺とローラの背後で人が倒れる音と気配が連続して起こった。
それとほぼ同時に耳元で薄幸の女にクレームをつけられる。
「誰がピー助だ、変態男」
「本名を出すわけにはいかんだろ」
「チッ、早く用件を済ませろ。さっさと帰るぞ」
「他に罠や伏兵はないのか?」
「無い。侮られたんだろ。お前の軟弱さが幸いしたな」
あれれ~、その軟弱男に何度もKOされたのは忘れたのかなぁ。
「なんだぁその女は? テメーら卑怯だぞ!」
こっそり大人数で囲んでたお前にだけは言われたくないわ。
しかし、この状況でまだ強がるかね。
しゃーない。もう一押ししてとっとと終わらせよう。
「ロー格さん、見せておあげなさい」
コトン
俺の言葉が終わらない内に、何かがテーブルに置かれていた。
鋭くて高価そうな短剣だった。
それを見て直ぐに滞納野郎は胸に手をやって確認し顔を驚愕に歪ませる。
ははーん、胸の内ポケットに隠し持ってたのか。
「ナイフで良かったな。心臓だと死んでるところだ」
「ぐぬぬぅ、貴様らぁあああ・・・」
しばらくの間、顔を赤くしたり青くしたり脂汗を拭ったりしながら考えに耽っていた悪党不動産屋アーク・ドイルは、やっとこさ正しい選択に帰結した。
「・・・降参だ・・・金は持っていけ」
絞り出すような声を震わせながら負けを認めた。
手下の一人に目で合図し、テーブルの上に重そうな革製カバンを3つ置かせる。
俺は中身をピーナに確認させた。
罠も何もなく、間違いなく本物の札束が入っていたようだ。
その額、150万ドポン、ざっと3億円だ。
10年以上に渡って成功報酬の未払いを続けてくれやがった成果だ。
どんだけタダ働きさせたんだとマジで呆れる。
これは当然の報いだ。
いや、まだ足らないな・・・
「約束通り、魔獣は退治しろよぉ」
おいおい、何を睨んでるんだよ。
お前はただ滞納金を払っただけだろ。当たり前のことをやっとしただけだ。
それなのに、何を上から目線で命令しちゃってんの?
「分かってるさ。これから全ての物件の魔獣を退治してやる」
「悪臭対策もキッチリやるんだぞ」
「それはまだ出来ない相談だな」
「な、何・・・だとぉ・・・!?」
「確かに滞納金は受け取ったよ。でもまだ貰ってないもんがあるだろ」
「テメぇ、俺からまだ何を取ろうってんだ?」
「遅延損害金だよ」
「あぁぁん?」
「これだけの大金を滞納してたんだ。お前も商売人なら当たり前だと分かるだろ?」
「くっ・・・」
「まぁ俺も鬼じゃねえ。そっちは格安に負けて物納にしといてやるよ」
「何が欲しいんだ?」
「ラムンの家と町を出て西にある冒険者たちの家の権利書だ」
「どっちか一つにしろ」
「一つだけなら、お前んチの豪邸にしてもいいんだぞ?」
「チッ、俺の負けにしといてやらー」
よく言うわ。ラムンのも俺たちの家も大した価値じゃないだろが。
「権利書がギルドに届き次第、悪臭対策の依頼を受けてやるよ」
そして、不貞腐れた顔をして聞いている滞納野郎に念を押しておく。
「今後お前は、成功報酬も前払いだ。また滞納されたら叶わんからな」
なろうポリシーに抵触するのでエロい部分はカットしています。
完全版が読みたい方は以下でどうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054921176881/episodes/16816452218469531598




