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「杖持たず」の旧式魔術師 〜機械音痴は手動の魔術で時代を追い抜く〜  作者: 最上 虎々
第二章 魔術学院へようこそ

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プラティエ・ノルンのノート その壱

 魔法


 この世界における、いわゆる「不思議な力」。


 魔術や加護などの不思議な現象を、人はまとめて「魔法」と呼ぶ。



 魔術


 魔術とは「この世界における裏技」……だと、クルピアちゃんが言っていた。


 つまり魔術を使うということは、魔力を使って、火を出す、音を出す、物を浮かせる、などの裏技を使うこと、と解釈すれば良さそうだ。


 使うには対応する呪文を唱える、儀式を行うなど、特定の動作が必要。



 魔力


 魔術を使うためのリソースとして必要な力。


 人間が動くためには食べ物と水が要るように、そして車が動くためにはガソリンが要るように、この世界の裏技を使うためには、魔力が要るのだろう。



 干渉力


 魔術を使う力の強さ。


 同じ魔術でも、干渉力が高い人が使う場合と、低い人が使う場合では、その威力や応用の利き具合が違うようだ。



 触媒


 魔術を使う際に、持っていると便利な道具。


 触媒無しでも魔術を使えるが、有ると無いとでは大違いである。


 魔術の威力を増幅させたり、魔力の流れを安定化させて魔術を使い易くしたりなど、機能や相性は物によって様々。



 現代魔杖


 ここ数十年で世界中に広まった、魔術を使うための触媒。


 高度にシステム化された杖を用いることで、わざわざ長い呪文を唱えたり、儀式など特定の動作を行ったりする必要が無い。


 最大五つまでセットできるスピネラ(後述)に対応する名前を唱えるだけで、その魔術を使える。


 現代魔杖を用いた魔術は、半自動魔術とも呼ばれる。


 平成後期から令和初期の日本におけるスマートフォンに近いようなものであり、魔術の杖以外にも、通信端末やゲーム機としても使える。

 (俺はとんでもなく扱いが下手らしい)



 スピネラ


 現代魔杖に用意された穴へ嵌めて使う、特殊な石。


 中には魔術の使用に必要な動作や触媒が記録されている。


 現代魔杖に嵌めると、それに対応した魔術名を唱えるだけで、魔術を使えるようになる。


 身の丈に合わない魔術を使おうとすると、不完全で安定しない魔術を使うことになる。


 ある程度は杖も頑張ってくれるらしいが、限界があるのだろう。



 真理


 この世界の本質、システムそのもの……のようだ。


 俺は何に触れたか分からないが、大学の図書館でそれに触れてしまったらしい。


 クルピアちゃんは、真理の一部である「生命そのもの」に中途半端な触れ方をしてしまった結果、幼い姿のまま二〇〇年以上を生きることになってしまったようだ。


 そしてクルピアちゃんは、触れるべきではない真理の一部に触れてしまった結果、魔術界を追放されてしまったのだという。



 ヴィリア王国


 現世の俺が生まれた国。


 発音や文字は違うが、文法や表現は日本語とほぼ同じであるため、現地の言葉はすぐに覚えることができた。



 マルデア島


 ヴィリア王国東部に位置する島。


 住むには不便しない程度の田舎といった具合で、離島にしては栄えている……と、思う。



 カルベナ村


 マルデア島にある集落の一つ。


 何軒かの個人商店と十数軒の家だけで成り立っている、小さな村。


 この村に慣れていなければ大人でも迷子になる程に大きな裏山があり、クルピアちゃんとはそこで出会った。



 王都マガルタ


 ヴィリア王国の中心に位置する首都。


 大きな街であり、現時点で俺が行ったことがある街区は、中央広場、繁華街、旧市街、新市街、港湾区、そしてパルグレフ魔術学院。



 パルグレフ魔術学院


 ヴィリア王国最大の魔術学院。


 毎年多くの魔術師志望生が受験し、そして入学する。


 様々な魔術の専門家が所属しており、その中には、本やニュースで目にする名前の魔術師も少なくない。


 俺はここで、ベルリナちゃんと出会った。



 アピルラタ村


 ヴィリア王国北部に位置する、ベルリナちゃんの地元。


 閉鎖的なコミュニティを築いているらしい。


 かつては魔術が少し栄えた地域だったようだが、今はそんなこともないようだ。


 しかし、ベルリナちゃんを魔術師にしたい地元連中がいるように、魔術文化の復興を目指す人達もいるようだ。


 ……それを一人の女の子に背負わせようとするのは、どうかと思うけどなぁ。

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