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余次元住まいのハザマ様! part6 ― 業深き画家の家系 編 ―  作者: 山桃


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不機嫌な婚約者


室生(むろう) 初音(はつね) : 地方の芸大4年生


室生(むろう)御影(みかげ): 初音の婚約者 霊的能力を持つ


ハザマ様 =室生(むろう) 透青(とうせい)

      室生家の巫覡(ふげき)をしている。

      中の人は月島(つきしま)秀青(しゅうせい)で芸大の助手をしていた


月曜日、本家の方へ出向くと、御影(みかげ)様はめちゃくちゃ不機嫌だった。


「一週間の間、来なかったよな? しかも、意識が俺に向いていなかった」


ぎくっとした。

意識の方向までわかるとは……。


「う、浮気なんかしてませんよ! 貞操帯もちゃんと着けてますし!」


「体の浮気をされる方が、まだマシかもしれない。それは欲望の排出で済む場合もあるからな。だが、心の浮気は本物の浮気だからな」


怒らせちゃった〜。 私はこの状況を打開しようと、話題を変えることにした。


「あっ、あの。御影様はいつベトナムへご出発ですか? お見送りに行きますから……」


「なんだ? 俺に早く日本から出て行って欲しいのか?」


し、しまったーーー! 完全に火に油を注いじゃったぁ!


「貞操帯の鍵も、予定通り俺が持っていってやる! 困ればいい!」


「うう……今日は御影様の言うこと、なんでも聞きますから機嫌直して下さい」


「……じゃあ、一体何があったのか、正直に話せば許してやる」


――それで、ここ最近あった事を正直に話した。

大学三年生に編入してきた男性がハザマ様の異母兄弟で、彼のアトリエに誘われたこと。

そして彼の父親が、有名な美人画家の月山青湖だと知ったこと。

少し私に気があるようなそぶりを見せたが、それは多分、彼が月島家とのパイプ役を欲しかったんだと思う……など。


それを聞いて、御影様は厳しく釘を刺してきた。

「月島家のパイプ役が欲しいんだろうって、そこまでわかってんなら、それ以上は余計な感情を持つんじゃないぞ? いいな? 初音は騙されやすいんだからな」


「うう、できるだけ誘惑に負けないよう、がんばります」


「できるだけじゃ、ダメだ! 絶対に誘惑に負けるなよ。俺はお前が傷つかないように言ってるんだぞ」


「でも、朴訥(ぼくとつ)な方で、そんな不誠実な人には見えなかったんですけど……?」


御影様は呆れたように吐き捨てた。

「それだからお前は危なっかしいんだ。いいか、あのハザマの異母兄弟だぞ? 大人しい羊であるわけがねーだろ。女たらしで、利用できるものは女でも道具として使うに決まってるじゃねーか!」


――御影様がそこまで言った時、襖がすーっと開いて、ハザマ様が顔を出した。


「なんか凄く腹が立つが、御影の言う通りだ。あ、私は刺されてからすっかり改心したから、信用してもらってもいいぞ?」


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