↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余次元住まいのハザマ様! part6 ― 業深き画家の家系 編 ―  作者: 山桃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/17

業火に焼かれる―月島家―

私は雨宮さんが安心するよう、静かにこう伝えた。


「月島のお母様に、残りの十五点の絵を追悼展に出せるか聞いてきます。……これで、安心しましたか?」

自分が彼にとって敵ではないことをアピールする。


彼はふっと息を吐き、安堵したように私から絡めていた指を離した。

「ありがとう。君は本当に察しが良いね。でも、あのドレスの女性の絵も持ってきてくれると、もっと嬉しいんだけどな」


「あれは私の宝物なので、おいそれとは外に出せません」


「どうして、君はあの絵にあそこまで執着するの?」


「二十枚ほどあった絵の中で、一番輝いていたんです。うまく言えないけれど、内側から何か光っているように見えて……。それは、画家が注ぎ込んだエネルギーかもしれないし、モデルへの愛情が結晶化したものなのかもしれません」


「…………」

彼は何も答えず、ただ静かに目を伏せた。


*****


後日。私は月島家へお伺いし、お母様に「月島家に置いてある絵を追悼展に出品してもらえないか」と相談を持ちかけた。


「お母様にとって、夫である月山青湖はとても酷い人だったと思います。でも、あの素晴らしい絵をここで眠らせておくのは、とてももったいないのです。えてして、世に名を残すような画家は、周囲に対して酷い仕打ちをする人が多いと言います。生み出す作品の素晴らしさに反比例するように……」


「あの人にはものすごく泣かされてきたけれど……絵を世に出して、せめてもの供養にしてあげたいと思うわ。この間、秀青(しゅうせい)もそのことで話しに来ていたところだから……」


「そうだったのですか」


「初音さん、あちらの息子さんともお話ししたの?」


「はい。お話を聞く限りでは、大変な人生だったようです。月山青湖のモデル兼愛人は次々と入れ替わるし、生活もままならなかったようで……。一人の才能ある画家に人生を焼かれたのは、月島家の方たちだけではなかったのです」


「画家に限らず、突き抜けた才能を持つ人の周りというのは、こういうものなのでしょうね……。才能とセットになった『業』のようなもので、周囲の人間は焼かれる運命にあるのかしら……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。