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双鏡の君へー姿を変える幼馴染との恋と、残したい記憶ー  作者: ゆら。


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第八話 癒やし方の方向がおかしい


昼休み


「なぁ聞いた?」

「敦、彼女できたらしいぞ」

「昨日、女の子と一緒だったって」


ひそひそ。

ざわ。


敦「……」


敦(広がってる)


机に突っ伏す前に、影が落ちた。


琴葉「……敦」


小声。


近い。


琴葉「……昨日の女の子って……」


一拍。


琴葉「……俺?」


敦「……あ、ああ」


琴葉、額を押さえる。


琴葉「……ごめん……俺のせいで敦は“熱愛中”だ」


敦「……」


敦(原因、俺)


言う前に。


琴葉「落ち込んだ時の魔法ってのがあってさ……」


敦「……嫌な予感」


琴葉「バックハグすると元気になるって、聞いた」


敦「……は?」


真顔。


琴葉「後ろから、ぎゅって」


敦「理屈は分かるけど!」


琴葉「……背中、貸すぞ?」


敦「……は?」



ーーー沈黙。



敦「俺がやる方かよ!?」


机から身を起こす。


敦「なんで俺が落ち込んでんのに!

 癒やす側なんだよ!!」


琴葉「?」


首、かしげる。


琴葉「敦が嫌じゃないなら、どっちでもよくない?」


敦「…………」


敦(爆弾)


敦「それを普通に言うな……」


琴葉「?」


分からないまま、くるっと背中を向ける。


琴葉「ほら」


(半歩後ろに下がる)


敦「……やらない」


琴葉「回復しないぞ?」


敦「圧かけるな!!」


琴葉「……さっきからHP低そうだし」


敦「理由を後出しするな!!

 ちょっと納得しかけた!!」


琴葉「人肌温度が落ち着くらしい」


敦「誰情報だ!!」


琴葉「俺」


敦「完結すんな!!」


琴葉「……大丈夫なら、いいけど」


敦「その言い方!!

 気遣いだから逃げづらい!!」


琴葉「……へへ」


敦「笑うな!!

 なんでそっちが余裕なんだよ!!」


ここまで読んでいただきありがとうございます。


話がややこしくなる原因は、だいたい善意です。

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