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双鏡の君へー姿を変える幼馴染との恋と、残したい記憶ー  作者: ゆら。


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第七話 半歩ズレを、戻したのは誰か


朝。


教室へ向かう廊下。


琴葉が先に歩いている。


少しだけ前。


少しだけ遠い。


敦は後ろ。


呼ぶ理由はない。


急ぐ理由もない。


——なのに。


足が勝手に速くなる。


気づいたら隣にいた。


琴葉「お」


ちらっと見る。


琴葉「今日、追尾性能高くない?」


敦「GPS扱いすんな」


即答。


歩き出す。


……また、半歩ずれる。


肩の横に、空気。


敦「……」


足が止まる。


理由はない。


次の瞬間。


——ぐい。


敦の手が琴葉の腕を掴んだ。


琴葉「えっ」


引き寄せる。


肩が触れる距離。


ピタ。


敦「……」


視線が落ちる。


自分の手。


掴んでる。


敦「…………は?」


即、離す。


敦「違う!!」


誰も何も言ってない。


敦「今のは通路が!!」


横幅三メートル。


敦「……広っ」


自爆。


琴葉、腕を見る。


琴葉「今の何」


敦「知らん!!」


琴葉「捕獲された感あった」


敦「してねぇよ!!野生動物か!!」


琴葉「一瞬だったけど」


敦「一瞬もしてねぇ!!」


琴葉「でも距離戻ったな」


敦「たまたまだ!」


早い。


琴葉「ふーん」


納得してない顔でもない。


ただ歩き出す。


自然に。


肩が並ぶ。


数歩。


琴葉「あ」


敦「今度は何だ」


琴葉「歩きやす」


敦「前からだ!!」


琴葉「そうだっけ」


敦「そうだよ!!」


少し間。


歩幅が揃う。


敦は前を見たまま。


理由は分からない。


でも、

さっきまでの変なズレだけ消えている。


琴葉「まぁいいや」


敦「何がだよ」


琴葉「捕獲解除されたし」


敦「最初からしてねぇ!!」


——本人だけが気づいていない。


距離を戻したのが、


誰だったのか。



ここまで読んでいただきありがとうございます。


気づかないのが、たぶん一番厄介。

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