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双鏡の君へー姿を変える幼馴染との恋と、残したい記憶ー  作者: ゆら。


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第六十話 いつも通りが一番バレる


放課後。


扉に書かれた 職員室 の文字の前。


敦は深いため息をついた。


敦「……なんで俺らだけなんだよ……教室全体だったのに……」


琴葉「……敦のせい?」


敦「なんでだよっ!絶対Aだろ!!」


琴葉「……まぁまぁ、敦」


敦「なんだよ」


琴葉「……入るよ?」


ガラッ。


先生「来たな、君たち。

 “相方が可愛すぎて毎日死ぬ男”のコンビ」


敦「もうコンビ名が事故ぉぉ!!

 先生それ外で言わないで!!」


琴葉「……可愛い?……」


敦「気にすんな!!

 そこだけ噛みしめんな!!」


先生「……でな。君たちには反省として――」


敦「どうせ掃除だろ……」


先生「反省文を書きなさい」


敦「まぁ、そのくらいなら……」


先生「テーマは……

 **“相方への感謝”**で」


敦「テーマから俺らを殺しにきてる!?!?」


琴葉「……敦。じゃぁ書こうか」


敦「なんで即OKなんだよ!!

 今ので了承取れるやつじゃないぞ!?」


先生「落ち着け」


琴葉「俺は落ち着いてる」


敦「騒ぐだろ普通!!」


先生は腕を組む。


先生「君たちはな」


先生「考える前に口が動く」


敦「ぐっ」


琴葉「考えないで喋るの得意だよな」


敦「お前もな!!」


先生「だから相手を通して、自分の行動を見直せ」


敦「……」


敦「くっ……」


敦「理にかなってる……!!」


琴葉「敦、負けたな」


敦「論破されたんだよ!!」


職員室前の小机に座らされ、二人は反省文用紙を渡される。


琴葉「……“相方への……感謝”……?」


敦「読んだだけで恥ずか死ぬっ!!」


琴葉「俺、こういうの初めてだな」


敦「俺もだよ!!」


琴葉「……とりあえず書くか。敦となら書ける」


敦「“とりあえず”って言いながら甘度上がってるのおかしくない!?」


琴葉「え……甘かった?」


敦「無自覚が一番強えんだよ!!」


カリカリ……


琴葉(真剣)


『いつも、俺のズレを拾ってくれてありがとう。

 ……気づくと、敦に支えられてる。』


琴葉、少し止まる。


ペン先が浮く。


琴葉「……なんか、足りないな」


敦「何書いてんだよ」


琴葉「感謝」


敦「テーマ通りだろ」


琴葉「でもなんか……」


カリ……


琴葉(さらに真面目)


『敦の声、安心する。

 怒ってても優しいところが……好き』


「最後の一言ーーーっ!!?!!」


琴葉「……え、好きって書くなって言われてないぞ?」


敦「反論が正しいのやめて!!」


一方、敦側。


敦(机に突っ伏しながら)


『別に相方とか知らねぇけど。

 毎日うるさいのにいつも隣に居てくれて……助かってる。

 俺も……お前の一言で元気になること、あるし……』


敦(少し止まる)


カリ…


『……隣、いないと調子狂うし』


敦「……書いてて死ぬ……!!」


琴葉「……敦、今日暑いか?」


敦「お前のせい!!」



――職員室の中。


先生は提出された二枚の紙を読んでいた。


先生「……」


先生「……」


先生「……」


先生「先生の課題、使い方間違ってない?」



二人の反省文は返却後厳重に隠していたのに母親達の手に渡ってしまう運命にあった……。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


たぶん、これが一番正直です。

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