第五十一話 混線したまま成立している
その日の放課後、日課の琴葉宅へ──
バンッ!!
琴葉母「敦くぅーん♡ 今日も来ると思って♡
5個目、置いといたわ!!」
敦「置くなああああ!!」
琴葉父「琴葉母!!落ち着け!!補充は──」
琴葉母「しといた♡」
琴葉父「まだ早──」
琴葉母「必要♡」
琴葉父「……なるほど」
静かにため息完全に詰んだ顔
敦(即チェックメイト……!!)
琴葉は頭を抱えて叫ぶ。
琴葉「お母さんは落ち着いてぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
琴葉父「琴葉母、琴葉が嫌がっている」
琴葉母「叫ぶってことは元気ってことよ♡」
琴葉父「……一理ある!」
敦(言いくるめられたーーー!!)
琴葉母「はい敦くん、6個目♡」
敦「いらなぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」
琴葉母が更に高速で近づいてくる。
敦「速い速い速い!!」
琴葉父「待て!まず状況を整理して──」
琴葉母「7個目♡」
琴葉父「……は……はやい……!?
言い終わる前に!?」
敦(父の発言がもう機能してない……!!)
琴葉父、敦を見る。
琴葉父「……家ではいつもこうだ。」
敦(外と人格違う!!)
琴葉父「では8個目は──」
琴葉母「8個目♡」
琴葉父「……会話速度が通常の三倍だな。」
敦「冷静に分析しないでください!!」
敦「琴葉母さん!!8個て!!
やめてください!!もうポケットに入りません!!」
敦(……待て、これは……笑う流れだ! ツッコミで生き残れ!)
琴葉母「9個目♡」
敦「処理が早い!」
琴葉父「……状況は把握した」
敦「よかった、こっち側いた!」
琴葉父「もう笑うしかないな」
敦「落ちるの早い!?」
琴葉「お母さん!!!来るなぁぁぁ!!!」
琴葉母「だって今日の敦くん、琴葉を“守りたい”って顔してるから──♡」
琴葉「守ってる!!お母さんから!!」
琴葉は敦の腕をぎゅむ!っと掴み、前にスッと立ちはだかる。
琴葉「お母さん……!敦怖がってるだろ!!」
琴葉母「全然怖がってないわよね敦くん♡」
敦「こ、怖がっています!!」
琴葉は敦の腕をさらに強く掴み、
声が甘く、低く、震えている。
琴葉「敦は……俺が守るから」
敦「逆!!普通逆!!!」
琴葉父「……ふむ(状況は最悪だが、関係性は悪くない)」
敦「今の“ふむ”は何!?なに納得したの!?教えて!!」
琴葉が袖をぎゅっと掴む。
琴葉「……離れるな」
敦の脳:(──死んだ。)
現世の敦は赤くなって固まっている。
でも、手が自然と琴葉に触れて離せない……。
琴葉はそのまま、敦に寄り添う。
琴葉、敦の肩に触れる。
琴葉「……昨日あの後……
敦のこと……大事にしないとって……思ったんだ……」
敦「琴葉ぁぁぁ!!!
学校より甘い!!両親の前でやるなぁぁぁ!!」
琴葉母は目を輝かせて震えている。
琴葉母「……ごめん、今の……普通に……
キュンとした……(手で胸押さえる)」
琴葉「だから!そういうこと言わない!!」
敦は息ができないほど真っ赤。
敦「琴葉……俺……平常心……もう……無理……」
ぽつり。
琴葉「それでいい」
敦「無理ィィィィ!!!!!」
琴葉母「はい10個目♡」
敦「いらなぁぁぁぁい!!!???」
琴葉がそっと敦の頬に触れる。
琴葉「……敦。俺が守るから」
敦「守れてねぇ!!
後ろの地獄が一切止まってねぇ!!!」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
止まらないものは、そのまま進みます。




