第二十七話 決まっているわけじゃない
朝のホームルーム。
黒板に紙が貼られる。
担任「席替えするぞ」
教室がざわつく。
敦、席表を見る。
敦「……あ」
前の方。
琴葉を見る。
琴葉「どうだった」
敦「前」
琴葉「へぇ」
敦「お前は」
琴葉「後ろ」
敦「遠いな」
琴葉「そう?」
敦「そう」
琴葉「まぁいいか」
敦「……」
チャイム。
みんな席を移動する。
敦、前の席に座る。
黒板が近い。
敦「……」
振り向く。
後ろの方。
琴葉が友達と話してる。
敦「……」
授業。
敦、ぼーっと前を見る。
担任「鈴原」
敦「……はい」
クラスが少し笑う。
休み時間。
琴葉が前まで来る。
琴葉「遠いな」
敦「お前が言うな」
琴葉「確かに」
少し沈黙。
琴葉「じゃ、戻る」
敦「……おう」
琴葉、席に戻る。
敦「……」
少しして。
教室後ろの方から声。
女子「先生ー」
担任「どうした」
女子「黒板見えにくいです」
担任「視力か?」
女子「たぶん」
担任、席表を見る。
担任「誰か後ろと変わるか」
少し間。
敦「俺」
担任「視力いいのか」
敦「まぁ」
担任「じゃあ後ろ行け」
敦「はい」
席を移動する。
敦、新しい席に座る。
椅子を寄せる音。
後ろから声。
琴葉「敦」
敦「……何」
敦、少しだけ振り向く。
琴葉「近くなった」
敦「……そうだな」
クラスメイトA「また前後かよ」
クラスメイトB「お前ら固定席だな」
琴葉「偶然」
敦「だな」
クラスメイトA「絶対嘘」
琴葉「?」
敦「ほっとけ」
琴葉、机に頬をつく。
琴葉「なんか安心する」
敦「そうか?」
琴葉「敦いるし」
敦「……」
敦「……授業始まるぞ」
琴葉「はーい」
敦、少しだけ息を吐く。
チャイムが鳴る。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
離れてみると、よく分かります。




