第二十三話 今さらの意味が違う
放課後。
敦、小腹が空いて机でパンを食べている。
今日は静か。誰もいない。
敦「……平和」
ガラッ。
琴葉「まだいた」
敦「うおっ」
琴葉、隣に座る。
琴葉「それなに味?」
敦「メロンパン」
琴葉「一口いい?」
敦「……まぁいいけど」
もぐ。
静かな教室。
琴葉「そういえばさ」
敦「ん?」
琴葉「これ、間接キスになるんだよな」
敦「……は?」
琴葉「前、クラスで言ってたやつ」
敦「なんで今出すんだよ!!」
琴葉「いや、思い出しただけ」
敦「思い出すタイミング考えろ!!」
琴葉、特に気にせずもう一口いこうとする。
敦「ちょ、待て!!」
琴葉「?」
敦「……気にしないのかよ」
琴葉「何を?」
敦「……例のやつ!」
琴葉「気にする要素あるか?」
敦「あるだろ!!」
琴葉「だってさ」
パンを見る。
琴葉「今さらだろ?」
敦「その“今さら”やめろ!!」
琴葉「何が」
敦「積み重ね前提みたいに聞こえる!!」
琴葉「積み重ね?」
敦「だから!なんかこう……」
一瞬、言いかける。
敦「……」
琴葉「何」
敦「……深い意味はない」
琴葉「最初からないだろ」
敦「あるわ!!」
琴葉「どっちだよ」
本気で分かってない顔。
敦、頭を抱える。
敦「……もういい」
立ち上がる。
琴葉「帰るの?」
敦「帰る!!」
琴葉「パン置いてく?」
敦「置いてく!!」
敦、教室を出ていく。
残されたパン。
琴葉「……」
一口かじる。
琴葉「今日、敦テンション低かったな」
全然違う理解だった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ズレたままでも、隣にはいられます。




