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双鏡の君へー姿を変える幼馴染との恋と、残したい記憶ー  作者: ゆら。


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第二十話 気づく前に変わっている


朝。


ホームルーム前。


教室はまだ半分くらい空いている。


敦は席に座り、ノートを出す。


椅子を引く。


……少し後ろへ下がる。


ガッ。


敦「……?」


一瞬だけ足元を見る。


特に何もない。


気にせず座る。


数秒後。


琴葉「おはよ」


後ろから声。


敦「……おはよ」


琴葉、座る。


間。


琴葉「今日近くない?」


敦「朝から距離の話すんな」


琴葉「いや物理的に」


敦、ちらっと振り向く。


近い。


敦「……気のせいだろ」


琴葉「昨日より声小さくて届く」


敦「それ良いことだろ」


琴葉「授業中便利そう」


敦「用途が限定的すぎる」


敦、前を向く。


ノートを開く。


無意識に——


椅子がまた少し後ろへ。


コッ。


琴葉「増えた」


敦「増えてねぇ!」


琴葉「今寄った」


敦「寄ってない!」


琴葉「じゃあ床動いてる」


敦「地殻変動を教室規模で起こすな」


琴葉、少し考える。


琴葉「敦さ」


敦「なんだ」


琴葉「今日、話しかけやすい」


敦「理由それか!?」


琴葉「うん」


敦「知らねぇよ!」


琴葉「なんか、いる感じ強い」


敦「抽象度高ぇな!!」


チャイム。


先生が入ってくる。


敦、慌てて前を向く。


その拍子に。


椅子、さらに後ろへ。


コッ。


琴葉「更新」


敦「してねぇ!!」


先生「静かにしろー」


敦「すみません!」


琴葉、小声。


琴葉「怒られやすさも近い」


敦「黙れ」


授業開始。


数分後。


敦は真面目にノートを書いている。


琴葉、背伸びして敦の椅子の縁に手を置く。


……触れる。


敦も琴葉が椅子に手を置いているのに気づく。


……だが反応しない。


琴葉(……いいな。この距離)


ここまで読んでいただきありがとうございます。


少しの違いは、だいたい見逃されます。

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