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ダブルイメージ  作者: ナメゐクジ
第2章
23/29

第23話「TOO LATE」

遅くなりました。

思ってたより、話が複雑化しそうで自分でもびっくり。でも上手く書けたのかは不安です。いつもか。


それはそうと、ステーキの焼き加減って10個もあるらしいですね。初めて知りました。

965年に起きたジフォード合衆国とアンドスキー連邦の戦争(JA戦争)の被害はドラゴンの管区内にも広がり、これが原因でJA戦争は966年に第四次人竜大戦へと発展した。

そして970年、終わらない戦争にヒュードン教が警告を発し、それを無視し続けた事により報復措置としてヒュードン教も戦争に加わった(五世紀間大戦)。

人間とドラゴン、そしてヒュードン教はこの長い戦争を終わらせる為の条約、人竜ヒュードン和平条約を結び、五世紀間大戦は1492年に終了した。


─ジフォード合衆国中学校用指定教科書

中学歴史 人類とドラゴンの歴史 第六版 参照─



ーーーーーーーーーーーーーーーー



俺は、ダイアンド市に建設されたマンションの前にいた。

マンションの屋上ではまだ火の手が上がっており、人々はパニックに陥っていた。


「ムールリット刑事!」


ジョスキー捜査官が走ってきた。


「ジョスキー捜査官。合同捜査の了承、ありがとうございます」


「いえ、こちらも人手が増えるのは助かりますから」


俺達二人はそんな簡単な挨拶を済ませ、未だに燃えているマンションの屋上を見つめた。


「もうそろそろ、完全に火は消えます。にしても、犯人は何で屋上なんか…」


「給水タンクですよ。多分」


「え? 給水タンク?」


驚くジョスキー捜査官に、俺は昨夜に見つけた共通点を話す。


「今までの現場を確認したところ、全て水が関連していたんです。だから、犯人は屋上を狙ったんだと思います。屋上には給水タンクがあるから」


「な、なるほど…」


「そう言えば、犯人の情報はどうですか? ここの監視カメラとかは?」


「え…あ、は、はい。監視カメラは、残念ながら壊されてたみたいですよ」


「そう…ですか…」


やはり、カメラは壊されていたか。

まぁ予想は付いていたが…。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



ジ・エンド


その名を知らないドラゴンは、多分この世にはいないだろう。


同族喰いのそのドラゴンは、赤黒い体色をして青い炎を吐く。

そして、その青い炎をまるで使い魔の如く操る魔法を使う事ができる。


「炎を操る魔法」


その単純だが恐ろしい魔法によって、多くのドラゴンは殺され、そして喰われた。


気配を感じたらすぐ逃げろ。視界に入ったら死を悟れ。狙われた時点で命は無い。


誰かは知らないが、そんな教えまでも伝わった。


狙われた時点で命は無い…か…。


酷いこと言ってくれる。


もしそれが本当なら…


【今日は…ミディアムウェルの気分だ…。ちょっと焼かせてもらえないか? お前ら】


ジ・エンドは、そう言って俺達を睨む。


もし、さっきの教えが本当なら、俺達の命はここまでって事か。


【悪いがお断りだ。お前なんかに焼かれてたまるか】


【何だよ。焼かれてくれないのか? 今日は生肉ローの気分じゃないんだよ…。せめて、ミディアムぐらいには焼かれてもらいたいんだが…】


俺は、少し離れたマーベリックに視線を送る。

相手はあのジ・エンドだ。今までの敵じゃ比べ物にならない。

それに、奴は俺達に意識が向いているおかげで、まだ木の陰に隠れているチビには気付いていない。


ならば、少しでも奴の気を引いてその間に逃げるのが先決だ。


第一、焼かれようが焼かれてなかろうが、ドラゴンに喰われるのは勘弁だ。


【マーベリック。隙を突いて、チビと一緒に逃げろ。俺もその後すぐに逃げる】


俺の思念を聴き取り、マーベリックは一瞬驚いた様な顔をしたが、すぐに納得して頷いた。

まぁ、俺は無茶はしないがな。何たって相手はあのジ・エンドだ。


俺は体の筋肉や脂肪を風に変換させる。もちろん、鱗付きだ。

そして俺は、その風を奴に向けて飛ばした。


俺の飛ばした風が奴に届く前に、青い炎の竜巻が現れる。

俺の鱗付きの風は、呆気なくその竜巻に飲み込まれる。


【……へぇ…鱗付きの風ねぇ…。面白いね】


こいつ…鱗に気が付きやがった。


【キミに返すよ】


炎の竜巻から、何かが飛んできた。


俺はそれが何なのかすぐに分かった。俺の鱗だ。


【ベリーウェルダンだけどね】


風と一緒にやってきたらまだいいが、鱗だけ飛ばされたら鱗を元の体に戻せない。


俺は体を反らして鱗を避ける。黒焦げの鱗は、後ろの木に刺さった。


畜生、まだ俺の一部の風はあの竜巻に飲まれたままだ。

俺は竜巻に飲み込まれた風を一気に多方向に広げる。それが擬似的な衝撃波になり、竜巻はとりあえず破裂する。

とは言っても、破裂した部分もちょっとであの程度ならすぐ再生されてしまう。

俺はその隙に風を操り、木に刺さった鱗の方へ移動させてから鱗ごと元の肉体に戻す。


分かってはいたけど、鱗かなり燃えてんな…。


しかし、これで少しは奴は俺に意識が向いた筈だ。

マーベリックはどうなってる? チビはどうだ?


俺が辺りを見渡すと、マーベリックがチビを抱きかかえていたところだった。

だが、周りを青い炎が囲んでおり、マーベリックは迂闊に動けない状況の様だ。


マジか。あいつ、俺の相手をしながらちゃっかりマーベリックの動きを封じてやがる。

あのくらいの炎、飛べばなんとかなりそうに見えるが、炎を蛇の様に動かせるんだ。

飛んだところで、追いかけて燃やされるのがオチだろう。マーベリックもそれが分かって、下手に動けない状況なんだ。


【何処を見てる】


途端、青い炎の蛇が俺を襲ってきた。

俺はいきなりの攻撃に、全身を風に変化させて無効化する。


しかし、それが不味かった。


炎は風になった俺を取り込み、火力を増した。

ヤバい。炎に囚われた。このまま元の肉体に戻れば、もれなく全身大火傷。

でも、ずっと風になってる訳にもいかない。風になり続けるには限度がある。

何とかして、この炎から脱出しないと…!


俺は先ほどと同じく、風を一気に多方向に広げた。

前と同じ様に隙ができ、俺はその隙を通って脱出して一先ず元の肉体に戻る。


刹那、俺の視界に青い炎の蛇が映った。


「グガァァァァァァァァァ!!!!」


俺は青い炎に包まれる。


熱い! とにかく熱い!

これ、普通のドラゴンの火力じゃ比べ物にならねぇぞ!


「グオォ!」

「キャウーーー!!!」


マーベリックとチビの声が聞こえた気がしたが、正直俺はそれに答えられる余裕は無かった。

俺は全身火だるまになりながら地面に転がり落ち、その衝撃で火が消える。


【おっと、ウェルぐらいになっちゃったかな。少し焼きすぎた】


な、何がウェルだよ…。

ふざけやがって…。


あ、駄目だこれ…。本気で駄目だ…。身体中が凄く痛い…。意識も…薄れてく…。


【まぁいいや。まだ食料はいるし、一先ずウェルでも食べようか】


そう言って、ジ・エンドは俺の右腕を掴んだ。

抵抗したいところだが、生憎そこまでの力が無い。


もう…ここまで…か…。


「グオォォォォォォォォォォ!!!」


その時、マーベリックの声が聞こえた。

マーベリックは、マフラーを全身に包みジ・エンドに体当たりをして、奴を吹き飛ばしたのだ。


あのマフラー、そんなデカかったか…?


【フェアリー!】


何処かで聞いた事がある名前だな…。


何だ…? 何か目玉みたいなのが浮いて…。


ん? 何だ…? 目玉の前にいきなり誰かが現れて…待てよ…。こいつまさか…。


【バニッシュ! 頼む!】


そうだ…こいつバニッシュだ…。でも何でバニッシュが…。


俺の頭が混乱する中、突然現れたバニッシュはチビを抱いたマーベリックの手を繋ぎ、そして俺に手を触れた。


丁度その時、俺は意識を失った。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



俺、ランスティンはダイアンド警察署の休憩室で休んでいた。


コーヒーを飲みながら、タブレットでどんなニュースがあったのかを確認する。


どうやら、エルバーシャ市でデモが起きている様だ。ソーサラーを暗殺していた政府への。


ダン・ノーマック暗殺事件から、政府に不信感が出始めた市民が多いと聞く。それに、アルゴラ爆破事件が原因でドラゴンの襲撃を恐れた者もこのデモに参加しているとの事だ。


マンハッタンさんから聴いたが、ダン・ノーマックは生きておりアルゴラを爆破させたのもダンらしい。

となると、これも全部ダンの思惑通りなんだろうか。


丁度その時、耳に付けてたインカムから通信が入った。俺は通話ボタンを押し、通信に出る。


「ムールリットです。 ………はい、えぇ…。 ………そうですか…」


いつもの事だからそうだろうとは思っていたが、やはりそうか。

だが問題は、それが分かったのが何時なのかという事だ。


「それが分かったのは? ………はい。なるほど、今さっき。これを知る者は?」


その質問の答えを聴き、俺は確信した。


「……分かりました。では、一つお願いしても良いですか?」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



ん…んん…。


俺は意識を取り戻し、目を開ける。


俺は…何をしてたんだっけか…。


確か…ジ・エンドに負けて…そしたらマーベリックとバニッシュが…。


そこで、俺の朦朧としていた意識はハッキリとした。

俺は跳び起き、辺りを見渡す。


「キャウー!」


チビが、俺に飛びついてきた。

俺は咄嗟にチビを受け止め、自分の体を確認する。


何か塗りつけられているが、火傷が一つもない。

かなり燃えてしまった筈だが…。


【マーベリックに感謝しろよな。お前】


思念を送ったのは、壁に寄りかかって立っているバニッシュだった。

俺はそこで初めて、周りを見渡す。


ここは、何処かの洞窟の様だ。少なくとも、俺のじゃない。

なんて言うか、俺の洞窟よりも草が生えてる。キノコまで生えてやがる。


【ここはフェアリーの洞窟だよ】


そう言ったのはマーベリックだった。


【もう大丈夫ですよ。薬草で火傷もすっかり治りましたし】


次に言ってきたのは、桃色の体色をした雌のドラゴンだった。

そうか、こいつがフェアリーか。


【な、何がなんだか分からないんだが…。何でバニッシュは俺のところに…】


【僕が自分のテレパシーの可能性を広げたんだよ。それで遠くからもテレパシーを届けれる様になったんだ】


【そこで、あたしの方にマーベリックのテレパシーが聞こえたの。あたしが洞窟にいて助かりましたね】


【その次に、フェアリーの目が俺の学校に来たわけだ。びびったぜ。授業中だったってのに】


【だから人間には気付かれない様に、窓から中には入らなかったじゃないですか! バニッシュさんったら人間に馴染んじゃって…まぁそんなバニッシュさんも素敵なんですけど…】


フェアリーが何故か顔を赤くしたが、見なかった事にしよう。

俺は話を理解し、マーベリックを見つめる。


【お前が助けを呼んだんだな。ありがとう】


【友達を助けるのは当然さ】


友達、か。そう言えば、前にもそう言われてたな。


【あぁ…そうだったな】


俺は微笑み、抱きついたままのチビを撫でた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「ムールリットさん」


ジョスキー捜査官が、俺に駆け寄って来た。


今俺がいるのは、今朝テロ事件が起きたマンションの屋上だ。

火も治り、今は人がおらず、いるのは俺とジョスキー捜査官だけだ。


「頼みって、何なんですか?」


「えぇ…実は、ちょっと確かめたい事がありまして…」


「確かめたい事?」


「はい。ジョスキー捜査官、あなたは何故、監視カメラが壊された事を知っていたんですか?」


俺の質問に、ジョスキー捜査官は固まった。


「……え? い、いや…監視カメラの映像を観てに決まって…」


「本当ですか? でも、それが本当なら妙なんですよ。事件当時、消火と避難に追われて監視カメラの映像を確認する余裕なんて無かったんです。実際、監視カメラの映像はあの後に解析されたらしいですよ」


そう、俺は調べたのだ。


あの事件が終わり、すぐに他のホープライズの捜査官から監視カメラの解析が終わったら連絡してくれと頼んでおいた。

そして、万が一の為に、その事を自分が調べたのを内緒にしてくれと。


「あなたは、俺が現場の共通点に気付いて、動揺したんじゃないんですか? だから、ついボロを吐いてしまった。犯人しか知り得ない筈の情報を」


「ち、違いますよ! 今までがそうだったから、今回もそうなんじゃないかと…!」


「俺に接近したのも、所謂反省タイムだったんでしょう? どうして爆弾がバレてしまったのかを直に訊く為に」


「だから違いますって!」


「犯人はあなただ」


「いい加減怒りますよ!?」


「そして、ヒュードン教信者でもある」


「だから…!」


否定し続けるジョスキー捜査官を無視し、襟を掴んで顔を側に寄せる。

そして、長髪に隠れている彼の両耳を見た。


思った通り、その耳にはイヤリングが付けられている。

四角いものと、三日月のものの左右異なるイヤリングが。

あの司祭が付けていたものと、同じ形のイヤリングが。


「調べましたよ。このイヤリング、ヒュードン教信者が付けるものだ。四角は人間の歯、三日月はドラゴンの歯を表してる。違いますか?」


ジョスキー捜査官が俺を睨んだ。

しかし、彼はすぐに笑みを浮かべる。


「えぇ、確かに私はヒュードン教を信仰しています。でも、それが何だって言うんですか? 自由宗教宣言をお忘れですか? 私がヒュードン教だから、逮捕してもいいと? そんな事、法律が許しませんよ?」


「別にあなたがヒュードン教を信仰してるから逮捕するんじゃない。あなたが連続爆破テロの犯人だからだ」


「だからその証拠は何処にあるんです!? 私がヒュードン教だから犯人だと言うんですか!?」


奴は証拠が無いのを知って強気に出ている。

確かに、今は物的証拠は無い。だけど、ヒュードン教信者と分かれば、同時に分かる事が一つ増える。


正義ジャスティス


それを聞いた途端、奴の表情が変わった。


「それが、あなたのヒュードン教上の名だ。それが分かれば、後は簡単でしたよ。あなたのアジトに、ホープライズが今踏み入っている」


「そ、そんな…! 名前が分かる筈が無い! そんな事…!」


「一人の司祭があなたを見限ったんだよ。やり過ぎだって。だから俺のところに来たんだ。爆弾に気付き、あなたと接触した俺のところへ!」


そうだ。あの司祭はジョスキーが犯人だと伝えたかったんだ。

司祭の言っていた「ヒュードン教は、決してお互いを脅かさないと決めている」という言葉。

これは、人間とドラゴンの事を言っていたんじゃない。ヒュードン教信者同士の事を言っていたんだ。


あの司祭は「火と水」で、これがヒュードン教信者の仕業だとすぐに気付いたのだろう。


そして、調べるとその犯人がホープライズのハワード・ジョスキー捜査官だと知った。

司祭は彼の「早過ぎる行動」に怒るものの、ヒュードン教同士は争ってはいけないし、陥れてはいけない。


だから、俺にヒントだけを与えたのだ。ホープライズという組織がいるのに、わざわざただの刑事である俺に接触したのは、遠回しに「ホープライズが信用できない」と伝える為。つまり、「ホープライズに犯人がいる」という事だ。


そして、犯人がヒュードン教の信者だというだけを伝え、「ホープライズのヒュードン教信者が犯人だ」という答えに導かせたのだ。


全く、にしても遠回し過ぎだって…。

こんな分かり辛いヒント、俺だって当たってるかちょっと不安だったんだぞ…。


まぁ、再び司祭と会ってみたらジョスキーの名前を簡単に教えてくれたから確信は持てたけど。


ん? インカムに通信が。


「はい、ムールリットです」


「ムールリット刑事。おめでとうございます。あなたの推理は当たってました」


インカムから、ホープライズの捜査官の声が聞こえてくる。


「……という事は…」


「えぇ、制作途中の爆弾が幾つか見つかりました。ハワード・ジョスキー捜査官を緊急逮捕願います」


「分かりました」


俺は通信を切り、ジョスキーを睨む。


ジョスキーは話の内容を聞かずに理解できたらしく、諦めたかの様に笑い始める。


「ハッ…ハハ…。まさか…こんな簡単にバレるなんてね…」


ジョスキーは、懐に手を入れる。


「もう…いいや…」


懐から取り出したのは、小型のレーザー銃。


させるか!


俺はすぐに自分のレーザー銃を抜き、奴の手を撃った。


「うっ!」


奴は手から血を流し、銃をその場に落とした。


自殺する気だったのか俺を殺す気だったのかは知らないが、相手が悪かったな。


「これでも早撃ちが特技なんだ。刑事舐めるなよ」


俺はそう言って、苦しむジョスキーの腕に手錠をかけた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



ホープライズ本部


ハワード・ジョスキー元捜査官は、尋問室に閉じ込められていた。

彼の目の先には、強面の捜査官が座っている。


「何故、テロを起こした。動機は何だ」


捜査官の質問に、ジョスキーは不気味に笑みを浮かべた。




一方場所は変わり、ダイアンド・ヒュードン教会。


ステンドグラスで描かれた、ドラゴンと人間がお互いにハグをする絵をランスティンは見つめていた。


すると、別室の扉からあの司祭が入ってきた。

ランスティンはそれに気付き、司祭に頭を下げる。


「捜査へのご協力、ありがとうございます」


「大したものではない。礼を言うのはこっちの方じゃ。これで、奴に感化される者が一人でも少なくなればいいんじゃが…」


「そう言えば…あなたは奴の動機を知っているんですか? 確か…早過ぎると言っていましたが…」


司祭はそれを聴き、目を鋭くした。




同時刻、ホープライズ本部でジョスキーが動機を口にした。


「世界の為さ。我々ヒュードン教は、人間とドラゴンの関係性を重視する。だが、それが今や壊れてしまった。俺は、それを警告する為に行ったんだ。そして同時に、同胞に現状を知ってもらう為にな」


「現状? アルゴラの破壊の事か?」


「それもあるが、もっと大事な事があるだろう?」




ダイアンド・ヒュードン教会


「大事な事?」


ランスティンは、司祭の言葉に疑問を覚える。


「そうじゃ。今の世界は昔とは違う。みんなが知ってしまった。第三の存在を」


「第三の存在…?」


「あぁ、人間とドラゴン両方の特徴を持つ第三の存在じゃ」


「! それってまさか…!」




ホープライズ本部


「ソーサラーの事か」


「正解」


相変わらず、ジョスキーは不気味な笑みを浮かべていた。

そして、ジョスキーの話は続く。


「彼等は我々ヒュードン教でも予想外の存在だ。そして、ソーサラーは人間によって排除され始めている」




ダイアンド・ヒュードン教会


「それが問題なんじゃ。ソーサラーは人間なのか。それとも全く違う存在なのか」




ホープライズ本部


「答えによって、我らヒュードン教は動かなくてはならない」


「お前の答えは?」




ダイアンド・ヒュードン教会


「あなたの答えは?」


ランスティンの質問に、司祭は黙った。


「……分からぬ。じゃが、奴は勝手に判断を下した。ソーサラーは、人間でもドラゴンでも無い存在だと。新たな兄弟なのだと」




ホープライズ本部


「神は『兄弟同士、争ってはならない』と仰った。だが人間は、ソーサラーという新たな兄弟を抹殺し始めている。これは立派な神への冒涜だ!!!」




ダイアンド・ヒュードン教会


「神の約束を破れば、世界は滅びる。だから奴は、ソーサラーを攻撃する人間に警告を、そして同時に、同胞に自分のメッセージを送ってたのじゃ」


「メッセージ…。それはつまり、『人間に報復すべきだ』というものですね」


「その通り。奴は捕まったが、それでも奴のメッセージを受け取り、感化された者もいるじゃろう」




ホープライズ本部


「あんたらはもう終わりだ。分かってるんだろう? もう無理なのさ!」


ジョスキーの目は血走っていた。


そして、ジョスキーと教会にいる司祭は、偶然にも同じタイミングで同じ言葉を発した。




ダイアンド・ヒュードン教会


「そうなれば…」




ホープライズ本部


「止められない! 我々ヒュードン教を…!」







「「戦争は避けられない」」

ジョスキー捜査官が犯人のくだり雑じゃない? って思うかも知れませんが許してください。本当は犯人はポッと出の奴にするつもりだったんです…。大体推理系は僕無理なんです…。ゆ、許して…

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