表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダブルイメージ  作者: ナメゐクジ
第2章
18/29

第18話「INDEPENDENCE DAY」

前回がなんと文字数が1万超えしてるという馬鹿みたいな文字数だったんで、今回は一つの話にする筈のを二つに分けて短くしました。

と言っても五千字以上あるんだけどね!なげぇんだよ1話が!誰だこんな長くしたの!誰よ!誰なのよ!!!!

11月10日

人類独立記念日


ジフォード合衆国の首都「エルバーシャ市」は活気に満ちていた。


周りには色んな屋台が立ち並び、人々は笑顔に溢れてる。


「おいアピアス! リーシャ! あそこにホットドッグ屋あるぜ!」


「ホント!? 行こ行こ!」


「えっ、ま、待ってよ二人共!」


僕はクリントとリーシャと共に、人類独立記念日の祭りを楽しんでいた。

というか、二人に振り回されてる気もしなくもない。

僕は二人を追いかけ、ようやくホットドッグ屋に辿り着く。

ソーセージの香ばしい香りが漂い、今すぐにでもお腹が空いてしまう。


「おっちゃん! ホットドッグくれ!」

「あたしも!」

「あ、ぼ、僕も!」


「分かった分かった。1リプルだよ」


僕達三人は、それぞれ1リプル紙幣をホットドッグ屋を営む太ったおじさんに渡した。

おじさんは、笑顔でホットドッグを僕達に手渡す。


「ほい、祭りを楽しんできな」


「もっちろん! おっちゃんも楽しめよ!」


クリントが何処か偉そうにそう言って、また走っていった。リーシャもお辞儀をしてクリントに着いて行く。


もう二人共元気が良いんだから…。全く子供って本当に元気……って僕も子供だった。早く追いかけないと。


「待ってよ二人共!」


僕は何かを見つめている二人のところまで移動し、二人の視線を追った。


おぉ、すごい。


僕は思わず感動する。


ドラゴンスレイヤーが武器を構えて大行進を始めているのだ。


人類独立記念日。

ドラゴンの奴隷として扱われた人類の反乱戦争により、人類が勝利した日。

確かこの戦争で、人類はそれぞれの国に魔断石製の壁を作り、現在の国ができたと言われている。

そしてその戦争に勝利してから一年後、ドラゴンスレイヤーが結成されたのだという。

正に、人類からしてみれば特別な一日だ。


ドラゴンからしてみれば、一気に人間共が喧しくなり、その上警備もより厳重になる最悪の日なんだけど。


確か俺も、人間の国から聞こえる祭りの音でイライラしてた。

あの時は何を騒いでやがるのか、何故この日だけ騒いでるくせに警備が厳重なのかよく分からなかったが、僕と融合してからはよく分かる。


この祭りはとても楽しいし、ドラゴンスレイヤー側も年に一度の一大イベントを邪魔されない為に、より一層気合いに満ちている。

お父さん曰く、人類独立記念日で休む事は原則禁止されているらしい。


だからお父さん、入院してた時もこの日までには退院したいと言ってたのかもしれない。

まぁ、入院なら休んでても仕方ないと思うんだけど…お父さん生真面目なところあるからなぁ…。


「あ、ねぇ! アピアス君のお父さんだよ!」


「おっ、本当だ。相変わらずかっけぇなぁ。こいつの父親とは思えねぇ」


「ちょっとそれどういう意味だよ!」


僕はクリントに文句を言った後、行進をするお父さんを見た。

お父さんもそれに気付いたみたいで、僕を見て微笑み返してくれた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



そうか…今日はこの日か…。


俺、トルネードは今日の朝飯を取りに空を飛んでいた。


人間の国の方では、時たま花火が打ち上げられる。

今は朝だからただの煙だが、夜になるとこれが色付きになり、それはそれは鬱陶しい。夜ぐらい静かにできないものか。


人間の騒ぐ声も少し漏れている。

本当に何故、この日になると人間共は騒ぎ出すのだろう。さっぱり理解ができない。


俺は早く帰りたい一心で、適当な鹿二頭を狩った。もちろん魔法を使って。


そして俺は、その二頭の鹿を連れて住処に戻る。

住処には、最早日常と化してしまっているチビが待っていた。


「キャウ! キャウ!」


チビは、俺の帰宅に喜んで俺に抱きついてくる。

全くこいつは…ちょっとだけ放たれただけだろ。人間も人間で鬱陶しいが、やっぱりこいつもこいつで鬱陶しいな。


【ほら、さっさと食え。食い終わったら、また飛行の練習だ】


マーベリックの指導のおかげで、チビの飛行訓練は少し上達してきている……と思う。

実はマーベリックの指示で、まだ翼を動かしていない。奴曰く、とりあえず感覚を掴む事が大事なのだとか。


俺もそうだったかな…。あんまり覚えてないな。


【やぁトルネード。今朝ごはんかい?】


昔を思い出していると、マーベリックが俺の住処に入ってきた。

こいつとはアレから、住処をお互いに紹介するほどの仲になった。まぁ主に、こいつはチビの教師役になっているんだが。


【まぁな。お前は?】


【もう食べてきた。ゆっくりでいいよ。僕はちょっと、人間の方を見てくる】


【人間の? やめとけ。今日はあの騒音の日だ】


俺は狩ってきた鹿に齧り付く。

どうせ今日は守りがより硬いはずだ。行っても無駄だと思うぞ?


【だから行くんだよ。楽しそうじゃないか】


……は?


マーベリックの返しに、俺は言葉を失った。



ーーーーーーーーーーーーーー



エルバーシャ市の中央に聳え立つ巨大な黒い党。

上部は楕円状に広がっており、光り輝く青いラインが神聖な雰囲気を作り出している。


ジフォード合衆国のシンボルであり、同時に守りの砦でもある領域侵犯探知装置アルゴラだ。

ジフォード合衆国にあるアルゴラなので、ここのアルゴラは便宜上ジフォード・アルゴラと呼ばれている。


守りの砦であるアルゴラは、もちろん常に護衛が付いており、人類独立記念日の今日はその護衛の数はより多く配備されている。


その警備の中に、ダニエル・スミスというドラゴンスレイヤーがいた。


ダニエルは、額に汗を流しながら辺りを見渡す。


「そんな緊張すんなって」


ダニエルが警備をしていると、後ろから同期のドラゴンスレイヤーが背中を叩いてきた。

ダニエルは少し驚くが、それが同期だと分かると安堵の息を吐く。


「ビビんなよ。それよりお前、足の怪我は大丈夫なのか?」


同期はダニエルの右足を見る。


「あ、あぁ大丈夫。大丈夫…だから…」


「そっか。それなら良いけどな。にしても災難だよなぁ。その怪我、ダン・ノーマック暗殺事件の時にしたんだろ?」


「あぁ…ちょっと人混みに押されて…」


「嘘はいけないよダニエル君。それは刀で斬られてできた怪我だろう?」


ダニエルの恐怖心を煽るその声が聞こえた瞬間、彼の同期は血を流しながら倒れた。


倒れた先にいたのは、刀を鞘に納めたばかりのケンゴとダン、そしてスーツを着込んだ黒髪の女性だった。


ダンはゆっくりダニエルに近づき、彼に笑顔を見せる。


「お待たせダニエル君。それじゃあ、始めようか」


ダニエルは怯えながら、周りを見渡した。

すると、警備のドラゴンスレイヤーはみんな血を流して倒れていた。

それなのに、周りの観光客はそれを気にする素振りを見せない。


「『違和感を消す魔法』を持つメンバーがいてね。おかげで助かってるよ。さぁ行こうか」


ダニエルの考えている事が分かったのかダンはそう言い、ケンゴとスーツの女と共にアルゴラの入り口まで向かう。

入り口はシャッターで閉ざされており、特定の人物の認証がないと入れない仕組みだった。


「い、言ったと思うが、マスターキーは持ってない。それに、俺一人ではまだアルゴラに入る事はできないぞ」


「言ったと思うが、そんなの関係無いんだ」


ダンがダニエルにそう言い返した直後、スーツの女がシャッターの隣にあるパネルに触れた。

ドラゴンスレイヤーでも何でもない彼女が触れても、エラーが表示されるだけの筈だが、何故かパネルはエラーを起こさずシャッターが開いた。

ダンはまるで「な?」とでも言う様な表情を見せ、無理矢理ダニエルを連れてアルゴラの中に潜入した。



ーーーーーーーーーーーーーー



そろそろ、ジオの演説だ。


俺、リベッジは屋台で買ったジュースを片手に、親友の演説を楽しみにしていた。

彼は、バニッシュが人類の味方であるという事を発表するらしい。

ドラゴンスレイヤー本部の反応は分からないが、これで少しはアピアス君も活動し易くなる筈だ。

そういえば、アピアス君もこの祭りに来ているのだろうか。


俺は、アピアス君を捜す為に辺りを見渡した。

そこで、資料で見た一人の男が視界に入った。


何故、あいつがここにいる!


俺は人混みを押しのけ、その男の手を掴んだ。


その男は、元ドラゴンスレイヤーのソーサラー、バルタス・プラナード。


「お前…バルタス・プラナードだな…!」


「これはこれは。前防衛第一部隊隊長のリベッジ・マンハッタンさんじゃないですか。何故ここに?」


「それはこっちの台詞だ! 『ネオプロローグ』の差し金か!」


「今日は休暇が原則禁止でしょう? だから来たんですよ。ドラゴンスレイヤーとしてね」


「嘘つけ。目的はなんだ。『ネオプロローグ』は何を企んでいる!」


俺の問いに、バルタスは不気味に笑みを浮かべた。


「革命さ」


俺は、そのバルタスの笑みに寒気を感じる。こいつ、一体何をする気だ…!


「皆さん。最近話題になっている黒いドラゴンですが、名前が判明しました」


丁度その時、ジオの演説が始まった。

そしてよく見ると、別の人混みからもう一人のバルタスがいるのが見える。

そのもう一人のバルタスは、レーザー銃をジオに向けて…。


「名はバニッシュ。そして、彼は我々人類の…」


「危ない!」


俺は腹の底から声を上げ、ジオに危険を知らせた。

その声はジオだけでなく、彼の隣にいたラーリーにも届いたらしい。

もう一人のバルタスが撃ったレーザーからジオを守る為、ラーリーはジオに飛びついた。

なんとか二人はレーザーを避ける事ができ、ドラゴンスレイヤーは撃ってきたバルタスを発見して追いかける。

おかけで周りは一気にパニックだ。


一先ずジオを狙った方のバルタスをドラゴンスレイヤーに任せ、俺は今腕を掴んでいる方のバルタスに意識を向け、奴の腕を無理矢理後ろにまわす。


「答えろ! 何故ジオを狙った!」


「何故? さぁね…」


「ふざけるな!」


俺はバルタスの腕を折ろうとするが、その前に奴は塵となって服を残して消え去った。

こいつ…まさかとは思ってたが分身だったか!


「リベッジ!」


ジオとラーリーが、俺の下へやって来た。


「まさかバルタスか!」


「あぁ、だが分身だ。本体は一体何処に…」


「た、隊長! アレ!」


俺が考え込んでいると、ラーリーがある一方を指差した。

何事かと思い、俺とジオはその方向を見やる。


するとそこには、何十人ものバルタスがレーザー銃を持って近づいていた。


「あ、あれが…バルタスの魔法なんですか…!?」


ラーリーがジオにそう問うが、ジオはその問いを聴き答えるよりも先に俺の方を見る。

俺に向けられた質問ではないと分かっていたが、俺はジオの代わりにラーリーの問いに答えた。


「あぁ、そうだ」


無数のバルタスに、俺はどうすれば良いのか頭を働かせる。


しかしその時、突然黒いドラゴンがバルタスの前に姿を現した。


「ガアァァァァァァァァァ!!!!」


アピアス君だ。アピアス君がバニッシュの姿になって俺達を助けに来てくれた。


無数のバルタスはターゲットをバニッシュに切り替え、彼に迫ってきた。

数は多いが、バニッシュは一度バルタスを倒している。きっと上手く行く筈だ。


「リベッジ。俺達を見てるだけなんてできない。俺達も戦う」


何を言っているんだジオは。


確かに息子が戦っているのを見て心配なのは分かるが、キミが戦えば彼が戦っている理由が…


ん?


「……待てジオ」


「何だよ! 俺を止めるなリベッジ!」


「違う。初めはキミが標的だと思ってた。でもバルタスは、バニッシュが現れた瞬間に標的をバニッシュに変えた…これってもしかして…」


「まさか…元々その…バニッシュが標的だった…?」


ラーリーはそう推理したが、俺の推理は違う。きっとこれは…。


「いや、きっと陽動作戦だ。バルタスは囮だ!」


考えてもみれば、バルタスほど囮に持ってこいのソーサラーはいない。

もしかすると、目的はもっと違う何かなのかも。


「バニッシュ!」


俺は隣に真実を知らないラーリーも考慮して、彼のドラゴンとしての名を叫ぶ。

彼もこの姿だとその方が呼び慣れているのか、自然に俺の方を向く。


「ホントにそれが名前なんだ…」


ラーリーがドラゴンが振り返った事に驚いていたが、それを相手にしている時間は無い。

俺はバニッシュに陽動作戦の事を伝える。


「バルタスは囮だ! 奴等の目的は何か別にある筈だ!」


バニッシュはそれを聴き頷いた。

そして、右手にドラゴンの感覚だと卓球のボールぐらいの大きさのエネルギーの球を作り始める。

アピアス君から聞いたことがある。確か、圧縮弾だ。


「グルアァァァァ!!!」


バニッシュはその圧縮弾を投げつけるや否や姿を消し、俺達の前に現れた。

そして圧縮弾が地面に落下してできた衝撃波が俺達に当たるのを、彼は自らの体を盾にして防いでくれた。


衝撃波が収まり、彼は再びバルタスの方を見るが、それでもまだ何人かのバルタスが残っている。


だけど…


【行くぞ】


そもそもバルタスを全員倒すのが目的ではなかったのか、彼はそうテレパシーで伝える。


「行くぞって何処に…」


【空から探せば何か分かるだろ】


それだけ言って、彼は俺達を無理矢理背中に乗せて空へ飛び立った。


まさか、ドラゴンの背に乗って空を飛ぶ日が来るなんて…。

俺とジオは、絶対に無いと思っていたチャンスに呆然としていた。


「た、高い高い高い! ちょっとバニッシュさん!? 高いって!」


まぁ、ラーリーは呆然とする余裕すら無い様だが。

リベッジの一人称って俺なん?って思った方もいると思いますが、彼の素の一人称は「俺」です。

つまりアピアスと話してる時の「私」の一人称は、いわゆる「大人の話し方」を演じてる訳です。


久し振りに後書き書いたな。ついでに感想とかレビューとか指摘とかやってくれてもいいのよ?(ボソッ

誤字とか見つけ次第直しますから。あとかんs(ry

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ