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やっぱり居たか!

メンタルケアは大事です。

 ……アルファロードに到着したのだが、門番から報せてを受けた衛兵達が難癖を付けて来た。


「こ、コレは!?」

「どうした? 俺達が捕えた盗賊共を早く引き取って欲しいんだが?」

「嘘を言うな! この盗賊共は高額の報酬金を掛けられていた凶悪なオクタ盗賊団だ! お前達みたいなガキ共が捕えられる訳が無い!」

「現実も見られないのか? げんに捕えられているぞ」

「信じられるか!」


 その後も衛兵達の1つ上の階級のこいつと言い合いをしてリゼ達が不安気な顔をする中、衛兵達の隊長と冒険者ギルドのギルドマスターが来た。


「何をしている?」

「このガキ共が、オクタ盗賊団を捕えたと言って嘘を……」

「バカか。現実にオクタ盗賊団を捕えているではないか」

「それは何かを使って誤魔化して……」

「もう良い。お前は平に降格だ」

「え?」

「その上で、今から武器倉庫の掃除をしていろ!」

「そんな!」

「命令だ!」

「……はい」


 そして、俺を睨んだ後、去った。


「済まなかった」

「いえ、いいですよ。きちんと引き取ってくれれば問題は無い」

「ああ。私が責任を持って処理をする」

「お願いします」

「次はこっちの番だな」


 そう言ってギルドマスターが前に出た。


「君達のお陰で悩まされていたオクタ盗賊団を捕える事が出来た。感謝する。何か希望は有るか?」

「それなら、ガイとディアナをCランクに上げてくれ」

「分かった。しかし、それで良いのか?」

「ああ」

「分かった。手続きも有るから冒険者ギルドに来てくれ」

「分かった、と言いたいが、先に彼女達の方を済ませたいが良いか?」

「構わない」

「それなら、少なくとも明日中までにはギルドに行く」

「分かった。待っている」


 こうして衛兵達とギルドマスターは解散して、俺達は領主館に向かった。


「あの、何処に向っているのですか?」

「領主館だ」

「えぇ!?」


 俺達の馬車に乗っているリゼが聞いてきたから答えると、かなり驚いたみたいだ。


「何故、この街の領主様が居る所に?」

「実は、領主館の偉い人とは知り合いだから、ある程度落ち着くまでの仮宿を頼もうかと思った」

「そんな事、出来るのですか?」

「大丈夫だ」

「は、はあ」


 領主館に到着すると、俺達の前に出て出迎えたアデリナ達だけに聞こえる様に言った。


「彼女達を領主館で預かる事にした。それと、俺が領主である事は秘匿する様に通知しろ」

「「「「「イエス、マイロード!!!」」」」」


 マリセラは先に屋敷に入り、俺の命令を実行しに行った。


「先に領主館に入ったのがマリセラで、彼女はアデリナと言って、残りがメリクリオ、イラーナ、エルバで、領主の補佐をしている人達だ。だから、何か要望や希望が有れば彼女達に言って欲しい」

「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」


 彼女達の事が思っていたよりも早く終わったから冒険者ギルドに行った。



 冒険者ギルドに到着した俺達は2階の応接室に行きギルドマスターに事の顛末を話した。


「……以上だ」

「そうか。ギルドとして聞くべき事は聞いた。後は、下でCランクにする為に2人のギルドカードを更新してくれ。それとギルドとして出す報酬金を受け取れ」

「分かった」

「……しかし、奴らも運が無いな。まさか、最初の獲物が盗賊殺ロバーズキラーしなのだからな」

「やっぱり、その辺の情報は冒険者ギルドは共有しているんだな」

「当たり前だ! まあ、何かの折りに依頼をしようと考えていた所だったがな」


 俺達は、下に降りてガイとディアナのギルドカードをCランクに更新し、報酬金を受け取った。


 ……白金貨3枚だった。


 ガレフ盗賊団程じゃあ無かったな。


「ライよ。あの盗賊団程じゃったら、もっと早く依頼が来ていたと思うのじゃ」

「それもそうだな」


 こうして、俺達は領主館に行き、リゼ達から今後を話し合った報告を聞いた。


「ライさん」

「何だ?」

「アデリナさんから聞いたのですが、女性客に絞った喫茶店のオーナーをしていると聞いたのですが、本当ですか?」

「ああ、本当だ」

「それなら私達を雇って頂けますか」

「どういう事だ?」

「はい。確かに村の財産を使えば、それなりの準備は出来るかもしれませんが、所詮は地方の村娘です。

 ですから、場合に因っては騙されて財産を奪われて終わる可能性があります。ですから、ライさんに助けて頂けたらと思ったのです」


 考えた結果、無知に近い自分達だけで頑張るのを止めて、俺という伝手を頼る事にしたのか。

 悪くない考えだな。

 まあ、性的に暴力を振るわれた女性なら自立にかなりの時間が必要になるが、リゼ達は既に自身の手で復讐を果たしているから、まだ若干の男性恐怖症や男性嫌悪ぐらいは残っているかもしれないが大丈夫だろう。


「それなら食堂をやらないか?」

「食堂ですか?」

「ああ。酒の提供は無しの食堂だ」

「何故、酒無しに?」

「村に居なかったか? 『あの人、お酒を飲まなければ良い人なのに』と言われる男性が」

「「「「「「「「……居ましたっ!」」」」」」」」


 やっぱり居たか!


「だから、酒無しの食堂だ。そうすれば酔った勢いで暴れる男性客は出る事は無いからリゼ達も安心出来るだろ?」

「確かに」

「それに、店を開ける時間だが夜はやらない」

「え!?」

「喫茶店も女性客の付き添いなら別だが、それが無い男性客を入れるつもりが無いから夜はやっていないしな。それに……」

「それに?」

「多少の差は有るだろうが、『男性』に対しての恐怖心や嫌悪感は残っているだろ?」

「「「「「「「「……はい」」」」」」」」

「喫茶店の方は、荒事とは無縁の女性ばかりだったから喫茶店にしたが、リゼ達は毎日の生活を自分達で維持してきたから、そういう実感が出来る仕事の方が向いていると思う」

「……確かに」

「勿論、将来的にやりたい事が出来たら相談に乗るから安心して欲しい」

「ありがとうございます。では、私達は食堂で働きたいと思います」

「分かった。それなら、どんな食堂にしたいか話し合ってくれ。そのあいだに場所を確保しておくから」

「「「「「「「「……はい!」」」」」」」」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。


創る側なら、やっぱり入れたいネタ


「イエス、マイロード」

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