来たのであります!
まあ、ファンタジーだし……
リンとエルダーレオンとの戦闘は一進一退が続いていたが、少しずつリン優勢に傾き始めていく。
「氷矢三連!」
「Ga!」
リンは大技で決めようとせず、手数の多さと戦略でエルダーレオンを圧倒し始めた。
「今です! 氷槍!」
「GaAAAーーー……」
「止めよ!」
「Ga……」
リンは、エルダーレオンの隙きを作り、その隙きを突き、第4位階魔法の「氷槍」を放ちエルダーレオンの心臓辺りに突き刺し、リン自身も飛び蹴りの要領で氷槍を蹴り、更に深く突き刺すと、リンは着地と同時に、エルダーレオンの首下に入り短刀を交差して首を斬り落とした。
「お見事、リン」
「ハイ、ライ様!」
そう褒めながらリンに洗浄を放つ。
「GaAAAーーー!」
「烈光轟雷」
魔力感知で分かっていた最後の襲い掛かったモンスターを終了の合図代わりに第7位階魔法の「烈光轟雷」で締めた。
「ま、まさ、まさか、今のは第7位階……」
見ていたルピナが何か言っていた。
「いや、違うわ! アレは単なる落雷よ!」
しかし、周りのエルフ達はこう思ったろう。
「ルピナさん。気持ちは分かりますが、上空は青い空が広がっています」と。
「……正に化け物ね」
族長のこの一言に、ルピナを除く全員が首を縦に振って頷いていた。
「それじゃあ、族長の依頼は果たしたから、後は、人族側の依頼を果たしに行ってくる」
「……! 待って私も行くわ」
「族長!?」
「ルピナは、残ったエルフ達を纏めて、村の立て直しと、鎮静部隊の回収をしておく事。族長命令よ」
「族長ー!」
「さあ、行きましょう」
「良いのか?」
「言っとくが、まだ安全じゃないぞ?」
「分かっているわ。でも、私、結界術には少しは自信が有るのよ」
「……分かったよ」
「決定ね」
俺達は、更に奥に進むと、魔力の表現に使う単語全てが桁違いの存在の気配がした。
……なる程な。
こんな気配がする存在が現れれば、エルダーレオン程度なら混乱し暴走する筈だ。
「引き返すならまだ間に合うぞ」
「い、いいえ。引き返したら、今度は貴方達抜きで行かないといけないわ」
「……そうだな」
更に奥に進むと……
《早く来い》
どうやら、向こうは待っているみたいだな。
「向こうは、どうやらお待ちしているみたいだから急ぐぞ」
「分かったのじゃ」
「ハイ、ライ様」
「分かったわ」
謎の声に導かれ、辿り着いた場所は、東京ドーム25個分の開けた草原だった。
そのド真ん中に一匹のドラゴンが居た。
外見に近いのは、FF系の7番目のドラゴンで、カラーは「青」で、その巨体は東京ドーム1個分……
…デカいな。
《良くぞ来た》
「呼んだ理由は?」
普通に話しているが、かなりビビっている。
《お前の魔力が欲しい》
「理由は?」
《お前の魔力で望みが叶う》
「只ではやらんぞ」
《牙2本と爪4本に、鱗多数》
「限界までどうぞ」
因みに、俺の魔力はサラの見立てだと、普通の宮廷魔導師の1000人分らしい。
チーター……だよな。
《うむ。確かに頂いた》
ま、マジで限界まで吸いやがった……
とりあえず、魔力ポーションを飲む俺。
《来たのであります!》
すると、外見がFFな7番目の青いドラゴンが光り輝くと、閃光となり俺達の視界を奪った。
漸く、視界が戻ると、そこには、青い「竜」ではなく青い「龍」が居た。
大きさは、とぐろ巻いたら東京ドームだと狭そうだな。
「はあ!?」
「昇格したのであります!」
「説明を求む」
「実は……」
説明を聞くと、この元「竜」は、この世界とは違う高次元に居た龍族の皇女だったのだが、弟の悪戯で「龍」になる為の昇格寸前で、地上に落とされたらしい。
因みに落とされた直後は、この大森林にエルフは居なかったとの事だ。
……何千年前から居るんだ?
そして、下手に落ちたのか身体が痛む為、身体を癒やす為に眠ったのだが、夢の中で弟に馬鹿にされ、目が覚めた。
怒りながら……
どうやら、その時の怒気が、この大森林の異常発生の原因みたいだ。
そして、身体も癒えたし、昇格してしまおうと思ったら、昇格に必要な魔力が僅かに足りない。
……そんな時に近付く俺!
最後に、外見の違いは、向こうが「これが普通だ!」としか答えてくれなかったから、創作物と現実は違うという事だろう。
……まあ、古い書物だと、下位が「竜」で上位が「龍」らしいから、まあ良いか。
周りを見ると、キサラ以外は腰が抜けたみたいで座っている。
「人化出来るか?」
「出来るであります」
あのデカかった龍が次第に小さくなり、俺の目の前で人化した。
その姿は、外見年齢14歳ぐらいのスレンダーな青髪碧眼の美少女だ。
因みに、服は着ているし、和装寄りだ。
そして、この服は鱗らしい。
ファンタジーの「あるある」だな。
「暫く、一緒に居るであります」
「誰と?」
「勿論! え~と……」
「人を指差すな! ライだ」
「ライ殿と一緒に居るであります」
「決定事項か?」
「決定事項であります!」
「……分かった。しかし、この世界の常識を学ぶ事が条件だ、良いな?」
「分かったであります」
そうなると、必要なのが「名前」だな。
「名前だが……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




