……人族への救援を要請します
頭に血が上ると……
翌朝、エルフ3人娘に先導して貰いながら、お互いの自己紹介を済ました。
リーダー格のエレンに、ルレン、マレンだ。
しかし、ちょっとペースが早……!
ああ、マウント取りか。
途中で、クレームを入れれば「やっぱり、森の中では人族は、私達エルフ族には敵わないのよ!」って所かな?
……可愛いな。
だが、残念ながら、この程度のペースなら問題無いな。
俺達が潜るダンジョンだと、もっとハイペースだからな。
お、エレンから止まれの合図だ。
俺達全員が止まると、周りから一斉に気配が発生した。
「私は、第3鎮静部隊のエレンです。緊急事態により村に入る許可と族長との面会を希望する」
「その人族は何だ!」
「それを含めての緊急事態です」
「……分かった。大隊長に聞いてくる」
待つ事、30分後に、俺達は「連行」という形で、恐らく人族初の、このエルフの村に入る事になった。
村の風景はファンタジーのまんまだ!
ツリーハウスや、大木をくり抜いた家!
俺達1人に付き、5人のエルフ達が矢を番えた状態で囲んでいる。
因みに、リン以外は見える所に武器を所持していない。
俺の場合は、サブすらキサラからお許しを貰っていないし、キサラは、俺の相棒だから武器を所持していない。
リンの武器は「短剣」に属する為に所持が許された。
まあ、その前に、リンは奴隷だから俺が命令すれば良いだけだからな。
だから、俺はリンに「自己防衛以外ではエルフ族に敵対するな」と命令している。
「族長がお会いになるそうだ」
かなり立派な巨木をくり抜いた中にある家に入ると、目隠しの様に目を布で覆った銀髪ロングストレートの巫女カットのエルフが上座に座っていた。
「族長! それは!?」
「その声はエレンですね。良く生きて帰ってきましたね」
「私の事より、その目は?」
「……」
「私から説明します」
族長の右前に居たエルフが説明を始めた。
内容は、崖っぷちだった。
調査を始めると、大森林の深層から強力なモンスター共が現れ交戦となり、エルフ族の戦士(男)がほぼ壊滅して、残ったエルフをかき集め、族長も前線に行き戦闘は続き、族長は横に居たエルフを庇い族長の視力は永遠に失い、何人かの自爆特攻でモンスター共は一旦森の深層に引き返した。
……が、今の状況だ。
マジガチの緊急事態だな。
その強力なモンスター共のリーダーが「エルダーレオン」で、本来なら大森林の深層から出る事が無い筈の存在が、我を忘れて襲って来た、らしい。
「恐らくは、あのエルダーレオンすらも恐怖する存在が森の最深層に現れたのでしょう」
「確かに、それぐらいしか無いよな」
「黙れ! 貴様に発言を許していない!」
「で、どうするエルフの族長」
「どうするとは?」
「過去のアレコレを一時忘れて、人族に救援を要請するのか、全滅覚悟で、残ったエルフ族で挑むのか」
「だから、黙れ!」
因みに、今、俺は1人のエルフが持つ剣で、首から少し赤い水が流れている。
「族長。この村のエルフ族全ての命と未来を預かる者としての返答は?」
「……人族への救援を要請します」
「「「「族長!?」」」」
「当然の判断だ。さて、ちょうど良い所に、少なくとも戦闘力なら信頼出来る人族が、此処に3人居るのだがどうする族長?」
「雇う!」
「素晴らしい即答だ」
「族長!」
「次に報酬だが……」
「いきなり金か。やはり人族は……」
「成功報酬で」
「え!?」
「但し、俺達が討伐したモンスターの所有権は全て頂く」
「構いません」
「族長?」
「どちらにしても、次に攻められたら全滅します。それなら、僅かにでも希望があるなら……」
「因みに、俺達3人で、近くのダンジョンを60階層まで行っている」
「「「「「はっ!?」」」」」
「ほ、本当ですか?」
「事実だ」
「低俗な人族が……」
「ルピナ、悪戯されているわよ」
「え?」
ルピナと呼ばれた女エルフの頭上には、俺の無詠唱で出した水球が、一文字ずつ描いていて、繋げると「魔力感知下手」となる。
「なっ!」
「俺と全く同じ事が出来るエルフが、この村に何人居る?」
「残念ながら、居ないわ」
「これで、少なくとも俺の魔法制御の高さは信じてくれたと思うが?」
「ええ、認めるわ」
そして、俺の水球は、「頭を冷やせ」と描いた後、ルピナの頭にフィットする氷になって頭に乗った。
「……」
ルピナと呼ばれた女エルフは、乗っけた氷が秒で蒸発しそうな程に真っ赤になっていた。
「さあ、商談は成立した。モンスター狩りをしようか!」
「のじゃ!」
「はい、ライ様!」
そう宣言した途端に……
「族長! モンスターが深層から現れました!」
「来たか」
「人族よ、成功報酬だと言う事を忘れないでくださいね?」
「ああ、分かっている……ああ、そうだ」
俺はそう言うと人差し指で族長の眉間を軽く突く
「何を……」
「見る気になったら、お好きにどうぞ」
「……まさか!」
俺は、族長の反応を見ずに家を出る。
後ろから「見える。見えるわ!」と言う族長の悲鳴に近い叫びが聞こえた。
勿論、無詠唱で「完全回復」を使った。
「捻くれ者なのじゃ」
「ええ。捻くれ者です」
「いいから、行くぞ」
「分かったのじゃ」
「はい、ライ様」
周りのエルフ達の反応や言動からモンスター共の先頭が何処か判断して向かうと、最前線では睨み合いをしていた。
「始めるぞ」
「任せるのじゃ!」
「お任せください!」
「雷撃弾、一斉掃射!」
全弾眉間に必中し、次々に息絶えるモンスター共に、左側にキサラが、右側にリンが陣取り、2人とも次々にモンスター共を討伐していく。
リンには、速度上昇と反応速度上昇と腕力上昇を掛けている。
そして、討伐したモンスターは、俺に向かって投げると、俺はそれぞれに左右の手をキサラ達に向ける。
俺の手が触れたモンスターは一瞬で「箱」に収納される。
俺の前方に居る討伐されたモンスター共は、俺が足を当てた途端に、「箱」に収納される。
後ろからは、「あれ、モンスターは?」と言う声が聞こえている。
魔力感知で粗方片付いたと思った所で、強力なモンスターが現れた。
「Gurururu……」
「これが、エルダーレオンか……」
「まあまあなのじゃ」
「そうですね。レッサーケルベロスと同じぐらいみたいですが……」
「リン、頑張れよ」
「はい! ライ様!」
そしてリンは短刀を両手に構え行った!
「速度上昇! 腕力上昇! 反応速度上昇!」
「……! ありがとうございます、ライ様!」
リンには、重ね掛けした。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




