表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/391

84


「クリスタはどっちの庭園に興味ある?」


ケルンズ侯爵邸の庭園は綺麗な花々の咲き乱れる花の庭園と、1メートルから2メートル程の低木で造られた巨大な迷路のある庭園がある。


「花の庭園の見頃の花はクリスタルドロップって言うクリスタの髪のように綺麗な花なんだ。あっ、名前も似てるね。」


クリスタが照れてしまうような事を笑顔で言うライムに、クリスタの頬が赤く染まっていく。そんな事を言われては迷路のある庭園など選べない。


「は、花の庭園で……。」


「ふふ、クリスタルドロップを見てもらいたかったから嬉しいな。」


クリスタの指に自身の指を絡ませ無邪気に笑うライム相手にクリスタの心臓はドキドキと早く脈打っている。

クリスタに転生してから……いやクリスタに転生する前からもスキンシップ過多な男の子は家族以外で初めてだ。


「行こっか。クリスタにいっーぱい花を見せてあげたくて、うちのお抱えの魔法師に特別に魔法で色んな季節の花を咲かせてもらってるんだよ。」


ライムの背丈はクリスタとほぼ同じで、ゲームの中の成長したライムの背丈は低くはないが、他の高身長の攻略対象者達に比べると低い方になる。女性の平均身長よりも若干高く育ったクリスタよりも5〜6cm高い位だった。

成長してもきゅるんとした瞳は変わらず、見せ場のシーンではキラキラなエフェクトで飾られるライムたが、本当は可愛らしい性格ではない。

狡猾で頭が良く出世欲の強い彼は、その愛らしい容姿を武器に女性を思うように操ってライバルを蹴落とし出世していく。そして出世よりも大事なものに気付いたライムのノマエンはヒロインと共に軍隊に入隊し、筋トレと野営キャンプで汗を流す脳筋汗臭エンドである。美少年チックな愛らしいライムが熱血漢の体育会系になったスチルを見た時はどうしてこうなった?!と嘆いたのだが。まぁ、バドエンの拉致監禁エンドよりかはましだろう。


「クリスタにまず見せたい花はこれ!」


花の庭園で見る最初の花は真っ赤な花だった。


「これはナイトスターリリーって言う花で僕達が通う学園の高等部の校章にもなってる花だって知ってた?」


ナイトスターリリー……詩織の世界ではアマリリスと呼ばれていた花で、1つの茎に真っ赤な花が複数咲いている。


「高等部の校章のモチーフなのは知っていましたが、実物を見るのは初めてです。とても綺麗!」


「『素晴らしく美しい』って花言葉なんだ。でもクリスタに似合う花はこっちのオリエンタルリリーかな。」


ナイトスターリリーの向かい側にあるオリエンタルリリーは白い百合。詩織の世界ではカサブランカと呼ばれていた花だ。


「『純粋・無垢』って花言葉。クリスタにぴったりでしょ?」


1つ茎に1つの花を咲かせるオリエンタルリリー。この花は詩織の姉の大好きだった花だった。


「……。」


オリエンタルリリーを見て、不意に思い出された詩織の姉の姿が花に重なって声が出なくなる。


「クリスタ?」


「私…、この花が好き。」


大好きな姉のような綺麗な一輪のオリエンタルリリーに、無性に胸が切なくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ