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ここは宰相ケルンズ侯爵の家。
「はじめまして。ライム=ケルンズです。」
きゅるん!と効果音が聞こえてきそうな程可愛らしい笑顔を振り撒くライム=ケルンズがいる。
同級生だがクリスタよりも小柄で、女の子のような愛らしい顔立ちだ。
「私はクリスタ=ラフォレーゼと申します。」
クリスタが優雅に挨拶をすると、ライムは目を輝かせてクリスタとの距離を一歩詰めた。
「すごく綺麗な銀の髪だね。触っちゃ駄目…かな?」
光を受けてキラキラと輝く銀の髪は美しいが、首を傾げて上目遣いをするライムは本当にあざと可愛い。
「はい。どうぞ。」
ライムの笑顔にクリスタも笑顔で返すと、ライムは更にクリスタとの距離を縮めた。
「ありがとう。」
クリスタの長い銀の髪を一房すくい取って笑うライムはまさに天使の如し。
ゲームの中で見たライムのあざとさを詩織は苦手としていたが、現実で接するクリスタにとっては全然有りだ。
ゲームとリアルの差なのだろうか。
「うわぁ!サラサラですごくキレイ。」
まず毛先を梳かすように触れたライムだが、段々その手を上げていく。
「ありがとうございます。」
近距離で髪を弄ばれている状況は少々照れ臭いが、クリスタが礼を言うとライムはきゅるんとした笑顔を浮かべた。
そしてクリスタの瞳を見つめながら、クリスタの顔の横を流れる髪を手ぐしで梳きながらクリスタの頬を撫でる。
「クリスタって呼んでも良いかな?」
若干12歳にして女に慣れているのだろうか。
手慣れた手付きと、貴族の令嬢に名前呼び許可を求めるタイミングが絶妙だ。
「ええ、構いませんわ。」
クリスタが了承の返事をすると、ライムは可愛らしい笑顔のままクリスタの毛先にチュッとキスをした。
「ありがとう。銀の髪って本当に素敵だね。」
あざとい。
でも可愛い。
「若い2人はすぐに仲良くなったようですな。」
ライムのあざと可愛さに戸惑うクリスタの耳にライムの父である宰相のケルンズ侯爵の声が聞こえた。
そうだ、クリスタとライムは2人きりと言うわけではなかったと思い出したクリスタは、隣にいる両親の顔を見る。
「………。」
ライムの行動に父が何かしようとしたのか。
口元をヒクヒクさせた父の足を超絶笑顔の母かヒールでグリグリと踏み躙っていた。
これは痛い。
「先にお茶でも…と思いましたが、若い2人がせっかく仲良くなったのです。少し庭園を散歩してみてはいかがですかな?」
「ええ、是非!ケルンズ侯爵家の庭園は素晴らしいと評判ですもの。クリスタ、いってらっしゃい。」
ケルンズ侯爵の言葉に応えたのは母だった。
「ライム。後で庭園にお茶を運ばせるから、ラフォレーゼ大公令嬢を案内してあげなさい。」
「はい。」
ライムがスマートな動作でクリスタに手を差し出す。
「うちの庭園は本当に見事なんだ。早く
クリスタにも見せたいな。」
キラキラとエフェクトが施されているような可愛い笑顔で言われては、2人きりの散歩&お茶は断れない。
「楽しみですわ。」
ヤンデレには気を付けなければと思いつつ、クリスタは流されるように庭園を案内してもらう事になった。




