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74(また別の話)
…………失敗した
失敗した
失敗した失敗した失敗した!!
何がヒロインよ
ヒロインって役柄の名前に騙された
ヒロインは主人公なんでしょ?
イージーモードの人生を楽しく過ごすのがヒロインなはず。
「あらあら、フィーアはご機嫌斜めさんね。」
この見るからに貧乏人の女が私の母親ですって?
デビュタントであんなに素敵なドレスを着ていたから平民とは言え金持ちだと思っていたのに、こんな貧相な女が母親だなんて………騙された。
「さぁ、いらっしゃい。」
私に触らないで
私はあんたみたいな下女が触れても良い人間じゃない。
「生まれた時からニコリともしないのね。お他所の子はあんなにニコニコしてるのに。」
こんな小さな村に生まれたあいつらと一緒にしないで。
名前の付け方も村で4番目に生まれた赤ん坊だから4だなんて安直過ぎてダサっ!
こんなダサい名前も貧乏な家も私には相応しくない。
「フィーア?」
私は金も美貌も知性も兼ね備えた最高の女なのよ。
この世界があのゲームを基に作られたなら……前の世界が消える直前に眺めてた本の内容が役に立つはず。
思い出せるかな?
思い出さなきゃ。
「………フィーア。」
貧相な母親が、より貧相な顔をして私を見ている。
この貧相な女はフィーアの母親だけど汐里の母親じゃない。
前世のように思いのままに生きてやる。




