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説明回になってしまいました。
マシューの部屋から出たクリスタとベンヴェヌードは、顔を見合わせて嬉しそうに笑った。
「マシューがリッチフォース領に養子に来るなら、クリスタも休みになれば遊びに来るんだろ?お前マシューが大好きだもんな!!その時はオレも来るから、必ず知らせろよ!」
マシューがマシュー=リッチフォースになると言う事は、マシューの家はリッチフォース領のこの館になる。
実の兄妹にしては愛情過多なマシューとクリスタなら、必ず長期休暇の度に会うだろう。ならばその時はベンヴェヌードも遊びに来ようと思った。
長期と言っても夏に比べて短い冬の長期休暇。
その長期休暇の半分をリッチフォース領で過ごしたクリスタは今、勉強に追われている。
クリスタの家がある首都に戻ったクリスタは、リッチフォース領でベンヴェヌードと遊んでいた分勉強なさいと、母から大量の課題を出されていた。
母の課題には一般教養から魔法術についてなど様々な参考書が用意されているが、精霊に関して書かれているものは少ない。
その少ない情報を纏めると、最も強い力を持つ精霊は四大精霊と呼ばれるは、地・水・風・火の四大元素の精霊達と光と闇の精霊達で、神から生まれたと言われる6体の精霊達だ。この6体の精霊達が1体でも欠けてしまうと、世界は徐々に腐ってしまうと言う。現に水の精霊が消滅してしまっているからか、各地で徐々に水が腐っているらしい。
それ以外の精霊は自然精霊と言い、花や土や川など自然に生息する様々なものから生まれる。
四大元素の精霊(四大精霊)と光と闇の精霊は神の力に、それ以外の精霊は自然の力に命を吹き込まれた存在だ。
人は洗礼を受ける事で精霊は人に力を与え、人はその身に精霊の力を受け入れる事ができる。そして精霊の力と、人が生まれながら持つ力が合わさると魔力となるのだ。
洗礼を受ければ魔法が使えるようになるのは、精霊の力のおかげで魔力が生まれたからであり、10歳を満たない子供は心も体も未成熟過ぎて精霊の力に耐えられない可能性が高く、洗礼は行えない。
自然精霊の洗礼を受けた人は魔法しか使えないが、四大精霊や光と闇の精霊の洗礼受けた人は魔法に加えて精霊術と言うが使えるようになる。
クリスタの風の魔法だったり、ヒュドールの水の魔法だったりと洗礼してくれた精霊の力を自在に操る事が出来るのが精霊術。
四大精霊は血脈で受け継がれるが、光と闇の精霊は精霊自身が好きな時に人を選び洗礼を与えると言われている。
『オレ攻め』のゲーム内ではヒロインが高等部に入学するきっかけが光の精霊に選ばれたからだ。
詩織はハピエンに辿り着いた事がないからハピエンはわからないが、光の精霊の主となったまま攻略対象と良いお友達関係となるのがノマエン。
そしてバットエンド……バトエンは光の精霊が消え、ヒロインは闇落ちして闇の精霊の隷属にとなってしまうものだった。
「お姉様、休憩しませんか?」
黙々と勉強をするクリスタにアイリーンがお茶と焼き菓子を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
歴史や魔法史や精霊について学ぶ事は、『オレ攻め』の裏設定を読んでいる気になるので面白いのだが、学ばなければならない課題の数が多過ぎる。
疲れた目をこすりながら、クリスタはアイリーンの持ってきてくれたお茶を飲んだ。




