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祖父母曰く、マシューとクリスタが使っている部屋は風の精霊シルフの加護があり、祖父母の屋敷の中で2番目に安全な部屋だと言う。
1番はもちろん祖父母の部屋だ。
マシューの部屋とクリスタの部屋の間のドアは今まで鍵はかけていなかったが、ヒュドールがマシューの部屋に滞在すると言う事で鍵がかけられた。
これからはクリスタ側の部屋から魔力を通さない限りは開かないらしい。
詳しくはこれから祖父から聞く予定だが、ヒュドールがこの屋敷に滞在する間、マシューの部屋からは一歩も出る事はないらしい。
なので、ヒュドールを部屋に残し、朝食を食べる為マシューと共に部屋を出てダイニングへと向かった。
「おはよう。」
ダイニングルームには笑顔で迎えてくれた祖父に祖母と父、そしてブルーノがいる。
ベンヴェヌードはまだ寝ているらしく、ここには来ていない。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
マシューとクリスタはそれぞれ朝の挨拶を述べると席に座った。
「マシュー、洗礼を受けたばかりであれほどの魔法を使ったんだ。体に変わりはないか?」
「大丈夫です、お父様。ご心配おかけしました。」
朝食の場にブルーノもいる為、クリスタはマシューらしく笑って父の問いに返す。
「何も教えていないのにあれだけ大きな魔法を使えるなんて、さすが風の精霊に愛されし風の愛し子ね。ブライトの時は本当に酷かったのよ。風をまとって空を飛ぶつもりが竜巻を出しちゃって。一緒にいた私共々吹っ飛んでしまったの。リッチフォース家から嫁いだ私が守らなかったら足の1本なくなってもおかしくなかったわ。クリスタもマシューもリッチフォース家について知ってるわよね?」
「はい、お祖母様。」
マシューの返答の後に頷くクリスタ。
リッチフォース家と言うのは祖母の生家で、今祖父が治めているこのラフォレーゼ
領のすぐ隣に位置し、身体強化の魔法に優れた猛者の多い家系な為国境付近の軍事地区を治める辺境伯だ。
祖母も身体強化の魔法が得意であり、若い頃は麗しの闘姫と呼ばれていたらしい。
今は祖母の弟が領主をしているが跡取りがいない為、将来マシューがリッチフォース家の養子となると銀の髪と碧い瞳を持ったクリスタが誕生した時に決まっていた。
ゲームのマシューがリッチフォースを名乗っていたので、養子にいくのはそう遠い将来ではないだろう。
「私達にはヒュドールを守る理由も義理もありません。ただ……、」
そう言って水を一口飲んだ祖母はにっこり笑った。
「リッチフォースで悪さをしてラフォレーゼまで来た命知らずが許せないの。朝食が終わったら出て来るわ。」
その恐ろしくも優雅で優しげな祖母の微笑みに、室内の温度が寒い位に冷えた気がするのは勘違いなのだろうか。
祖父曰く、湖を凍らされた事で酷くご立腹らしい。




