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夏のタイムカプセル ―僕と魔法のハムの夏―  作者: Fos B


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番外編:【スマホ・アプリ地獄に物申す!お母さんのブチ切れ大爆発の巻】

今日も魔法のタブレット越しに、東京のお母さんと三陸のおじいちゃんとおばあちゃんと僕でお話しタイムだ。

「あれ、お母さん今日パート休みだったんじゃないの? すごい疲れてるように見えるけど」と僕が言うと、お母さんが「そう。今日はパートが休みだったから、溜まってた家のいろいろをやったんだけど、その時に……」とお母さんの説明が始まった。

まずクレジットカードのアプリをダウンロードして、手続きをいろいろしようと思ったらなかなかうまくいかず、有人の電話で問い合わせようと思った。だが、その電話番号がまず見つからない。やっと見つかってかけても全然つながらない。

それで折り返し電話の予約を自動音声でできたけれど、大体1時間くらいかかる。それも1回しかかかってこないので、それを逃すとまた初めからやり直しになる。お母さんは心配になってトイレにもスマホを持ち込んで待ち、やっとかかってきて1回一緒にやってもらって手続きができた。

しかし、電話を切ってから確認したらダメだったため、再び有人の電話番号にかけた。今度はもう混雑しててなかなかつながらず、自動音声で予約をしても2日後だと案内されたのでそれは無理だと諦めた。

今度は「チャット式」があると書いてあったのでそれをやろうとしたが、なかなか直接チャットでやり取りできるところまでたどり着けない。やっとできたと思ったら、担当の人が何人か掛け持ちしているのだろう、なかなか回答が返ってこなくてすごい苦労したらしい。

そしてお母さんは、

「ほんとにたらい回しというか、人手不足というか、だんだんだんだん不便な世の中になってしょうがないわ。カード会社とか相手の都合が良くなって、こちらの都合が悪くなった。もうほんと疲れる!」

と息巻いた。

「え? でも、お母さん頑張ってる方だよ。他のお母さんとか全然わかんないって言ってるって友達も言ってたよ。もうわけわかんなくて触りもしないって言ってたよ」と言うと、

「俺たちは全然そういうのわかんないから、電話をしたくてもなかなか電話番号も探せないからね」とおじいちゃんが言い、

「ほんと、年寄りにはついていけない世の中になってしまったわよ」とおばあちゃんが続ける。

「あんなに頑張って、高度経済成長とかで身を粉にして働いたのに、その結果がこんな俺たちにとって不便な世の中になっちゃってなぁ」とおじいちゃんがぼやいた。

お母さんも「世の中に遅れないように頑張ってるけど、もうついていけないのよ。必死についていこうとしてるけど、昔みたいに分かりやすいマニュアルとか全然ないんだもの。ほんと不便な世の中よ。いったい誰に都合が良いようにできてるのかしら……本当に嫌だわ」と、3人ですっかりぼやきモードだ。僕は巻き込まれないように口出しをしないでおいた……。

そこからお母さんの昔の思い出話が始まった。

お母さんの世代は、まず「英文タイプライター」というものから始まったそうだ。ブラインドタッチを覚えて、就職してからはパソコンではなく「ワープロ(ワードプロセッサー)」と言って、印刷機も一緒になったようなものが普通だったという。

「ワープロはほんとに画期的だったのよ。英文タイプって一度打ってしまうと、間違えたら修正液で直して、乾かしてまた打ち直すの。そこにうまく打てればいいけど大体うまくいかなくて。それに複写が必要な時はカーボン紙を間に挟んで2枚同時に打つ感じだから、絶対間違えられなかったからね」

と、僕には想像もできない話をしている。

その当時は、パソコンも電子レンジぐらいの大きさがあって、黒い画面に緑色の文字だったそうだ。考えられないよね。それでもそのパソコンで使えるゲームもあったらしい(お母さんはあまり詳しくなかったみたいだけど)。

そうそう、お母さんも当時は独学でやるしかなかったそうだ。今みたいなExcelではなくて、「ロータス1-2-3」というもので、いちいちコマンドを入力しなきゃならなくてそれがすごく難しかったらしい。

「今みたいにピッとクリックですぐできないのよ。自分でメモ書きにしたコマンドを打ち込んでなんとかやったけど、ほんと大変だったわ。それにワードじゃなくて、一太郎とか花子とか、文字を入力するのも一苦労の時代だったなぁ」

「そこで必死に頑張ってきたというのに、今は操作自体は簡単になったはずなのに、使い勝手がいいんだか悪いんだかもうわからない!」

「なんでもかんでも、もうスマホ!スマホ!アプリ!アプリ! ああ、もうお母さん爆発する!!」

とお母さんが完全にキャパオーバーで壊れてしまった。

僕は物心ついた時からスマホやゲームがある世界で育ったから、デジタル機器がない生活なんてとても考えられない。おじいちゃんとおばあちゃん、そしてお母さん、さらに僕の世代とでは、本当に歩んできた世界が全然違うんだなぁとしみじみ思った。


もう少し夏休みの話と家族の話しは続きます。

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