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番外編:お母さんと僕の初めての大冒険 ⑭ 〜大冒険のフィナーレは、スタンプコンプリート!〜

翌日、朝早くからアイツと仲間たちがドヤドヤと遊びに来てくれた。僕らは縁側で、おばあちゃんの映画鑑賞を邪魔しないように声をひそめて麦茶を飲んだ。「お盆前にみんなで金華山へ行こうぜ!」というアイツの提案に、僕は即答で「行く!」と返事をした。おじいちゃんとおばあちゃんも「あら、よかったわね」と快く背中を押してくれた。

明日の打ち合わせを終えてみんなが帰った後、僕は宿題を片付けてから、例の「魔法のタブレット」の前へ座った。東京のお母さんと話す時間だ。

「お母さん、おかえり!」

画面越しに、お母さんが懐かしそうな顔で微笑む。「ただいま! そういえば、帰りの空港はお父さんが大変だったわね」

「ほんとだよね。お父さんがタクシーで送ってくれて、今度はターミナルを間違えなかったからよかったけどさ」

僕がみんなにそう言うと、おじいちゃんとおばあちゃんも声を上げて笑った。

「そこからが大変だったんだよ」と僕が続ける。「チェックイン窓口で荷物を預けて、チケットをもらって……お父さんと別れる時、僕、急に寂しくなっちゃって抱きついちゃったんだ。そしたらお父さんがいきなり号泣してさ。お父さんがあんなに泣くから困っちゃったけど、僕もつられて泣いて、お母さんも涙目で……」

お母さんは少し照れくさそうに言った。「空港って、そういうのが恥ずかしくなくなる不思議な場所よね」

「バイバイして中に入っても、お父さんがずっと手を振ってたから、見ないようにしてたんだ。寂しくなるからね」

そこからは、僕の「スタンプ作戦」の話になった。

「お父さんの同僚の人に、教わった『チン・バン・ウォ・ガイ・ガ・ジャン(スタンプをお願いします)』って言ってみたんだよ。そしたら審査官のおじさんが、通じてくれたみたいでスタンプを押してくれたんだ!」

お母さんが大きくうなずく。「あの時のあなたの勇気、すごかったわよ」

「機内食のお肉も2人とも選べたし、飛行機のプラモデルも、またもらえたから。一つはお土産におじいちゃんに持ってきたよね?旅の気分になれるでしょ?」

おじいちゃんは目を細めて笑った。「ああ、嬉しいねぇ。持ってきてくれた旅の空気を吸わせてもらうよ」

「それでね、日本に着いた時もスタンプが欲しくて、自動化ゲートの列を横目に係員さんに『記念にスタンプが欲しい』ってお願いしたんだ。そしたら有人ブースに案内してくれて。出国も入国も、自動化ゲートがすごい混んでたから、結果的にスタンプをもらってラッキーだったんだよ!」

おばあちゃんが「急がば回れねぇ」と、嬉しそうに頷いた。

「そうよね」とお母さんが言う。「スタンプをもらわないと海外旅行したって気がしないものね。一挙両得だったわね」

こうして、お母さんとの初めての大冒険は幕を閉じた。おじいちゃんは「とにかく無事に帰ってきてよかった」と言い、おばあちゃんは「いろんな経験ができてよかったわね」と優しく声をかけてくれた。

「過酷な時もあったけど、終わってしまえば全部良い思い出ね」

お母さんの言葉に、僕は大きくうなずいた。心の中で、僕の「タイムカプセル」の中身が、この夏でどれだけ増えただろうと想像する。

お母さんとの冒険はここでひと区切り。でも、僕の三陸の夏は、まだまだ始まったばかりだ。


番外編は続きます

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