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番外編:お母さんと僕の初めての大冒険① 〜三陸の潮風と最初の土産話〜

僕たちは東京に帰ってきた。マンションの玄関を開けた瞬間、「あぁ、やっぱり日本はいいなぁ」とつい呟いてしまった。お母さんが学生時代に感じた気持ちが、今ならすごくよく分かる。

帰国から3日ほど休み、僕は夏の冒険第二弾として、三陸のおじいちゃんとおばあちゃんの家へ向かうことになった。今回も一人旅だ。異国の地を乗り越えてきたことで、心なしか自分に自信がついている気がする。バスの窓からいつもの三陸の青い海と山々が見えてくると、自然と胸が躍った。

バス停に着くと、おじいちゃんとおばあちゃんが車で待っていてくれた。思わず駆け寄って抱きついてしまう。

「よく帰ってきたなぁ」と頭を撫でてくれるおじいちゃんと、ほっとした表情で僕を見つめるおばあちゃん。二人の味のある少し古びた家に帰ると、玄関先にはアイツと仲間たちが待っていた。

「おかえり!」という声に嬉しくなり、僕は早速持ってきたお土産を一人ひとりに配った。おばあちゃんが持ってきてくれた冷たい麦茶で喉を潤し、さあ話そう!と思った矢先、アイツが「今日は疲れてるだろうから、また明日遊ぼうぜ」と言って、みんな一斉に帰ってしまった。

……まさか、お土産が欲しかっただけじゃないよね?

縁側で甘い麦茶を飲み、ようやく一息ついた。

「あぁ、やっと帰ってきたって感じがするよ」

僕がそう言うと、二人は顔を見合わせて大笑いした。おばあちゃんは定番のお茶請けを出し、おじいちゃんは「孫が帰ってきたんだから」と、おばあちゃんに睨まれながらもビールを持ち出してきた。

僕は早速、一番印象に残った話から切り出した。

「おじいちゃん、おばあちゃん聞いてよ。お父さん、またやらかしたんだよ!」

二人が不思議そうに首を傾げる中、僕は旅の初日を語り始めた。

「僕とお母さんを空港で迎える約束だったのに、待てど暮らせど来ないんだ。お母さんは『事故でもあったのかしら』『誘拐されたらどうしよう』って、だんだんパニックになってきて……」

結局、お父さんは焦る様子もなく、「ここ空港が広すぎて、別のターミナルに行っちゃったよ。ハハハ!」と大笑いしながら現れたのだ。

「久しぶりに会ったのに、僕とお母さんは怒りマックスだよ! 日本と違って治安も心配なのに、いい加減にしてって怒鳴っちゃったんだ」

呆れ顔のおじいちゃんとおばあちゃんは、「それは大変だったね」「不安だったね」と僕を慰めてくれた。お父さんはその後、気まずそうに僕たちの荷物を全部持って、タクシーに案内してくれたけれど……。

僕とお母さんの大冒険の話は、まだ始まったばかりだ。


物語はまだまだ続いていきます。

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