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番外編:【ズル?それとも経済的?】

夏、夫が待つ異国の地へ行く準備を着々と進めていると、一つの悩みが浮上した。それは、航空券の価格の問題だ。子供の夏休み初日と、その前日。たった一日違うだけで、航空券の代金は驚くほど変わってしまうのだ。

「たかが一日、されど一日――」

その一日を前倒しするだけで、航空券の桁すら変わる。私は深く悩み、熟考の末に、家計を守るためのこの小さな『ズル』に、家族の未来と旅の思い出を賭けてみることにした。

事前に担任の先生へ相談すると、事情を快く理解してくださった。通知表も前々日に受け取れるよう手配してくださり、夏休みの宿題も事前に渡していただけることになった。

私は早速、そのことを息子に伝えた。

「お父さんのところへ行く日だけどね、夏休みに入ってからだと航空券代がすごく高くなるから、一日前に出発することに決めたの」

すると息子は、拍子抜けするほど屈託のない顔で言った。

「えっ、そうなの? そんなに差があるんだ! でも、一日前に行けるなら安くなってよかったね」

私は思わず、かつての自分の感覚を口にした。

「お母さんたちの子供の頃はね、旅行で学校を休むなんて大顰蹙だいひんしゅくだったのよ。そんなことで休んだら、先生にすごく怒られたものだから」

すると息子は、不思議そうに首をかしげて答えた。

「えー、だって今はみんな、ネズミーランドに行くのだって、家族旅行に行くのだって、学校を休んで行くよ。誰も何も言わないし、先生も怒らないよ」

時代は変わったのだと分かってはいても、私の胸中には罪悪感が渦巻いていた。学校を休ませることは、私にとってやはり『ずる休み』という感覚が拭えない。決断したこととはいえ、心の中にはずっと葛藤があった。

けれど、画面越しに夫へ「夏休みの1日前から行けるよ!」と、一生懸命に笑顔で報告する息子の姿を見たとき、すっと迷いが晴れた。

あぁ、たかが一日、されど一日。

決心して本当に良かった。


母子の冒険の出発はもうすぐそこ。

ワクワクする時間は、まだまだ続いていきます。

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