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番外編:【のっぽの青春と、セピア色の卒業アルバム】

お父さんが赴任先へ行ってしまった後、僕は「赴任先に遊びに来ないか」という誘いを受けた。お母さんと話し合った結果、春休みはパートの都合で休みが取りにくいということになり、結局、僕とお母さんが向かう冒険は夏休みに持ち越すことになった。

画面越しに報告すると、お父さんは少し涙目になりながら「そうか」と一言。お母さんが「夏休みを楽しみにしてればいいじゃない」と僕の背中を押してくれて、その話は決着した。

というわけで、僕の春休みは三陸のおじいちゃんとおばあちゃんの家で過ごすことに決まった。5年生から6年生になる春休み。宿題もない純粋な2週間の自由時間だ。

春とはいえ、三陸の風はまだ肌寒い。家にはまだこたつが出ていて、あの心地よいほかほか感を存分に堪能できる。夏のように海に入ることはできないけれど、いつものアイツと仲間たちと釣りに出かけたり、家でゲームをしたりして賑やかに過ごしていた。

ある日、友達と遊ばないで一人で暇を持て余していた僕は、またしても納戸へ向かった。何かお宝はないかなと探していると、一冊の古い卒業アルバムを見つけた。

僕はそれをこたつまで持ち出した。

「何を持ってきたんだ?」と不思議そうに聞くおじいちゃんに、「これ誰の?」と尋ねると、「それは俺のだよ」と教えてくれた。おじいちゃんの通っていた横浜の高校は、今でも有名な進学校だという。

ページをめくると、白黒よりもさらに時を感じさせる、セピア色の校舎や集合写真が目に飛び込んできた。その中には、一人でキリッと精悍な顔つきで写るおじいちゃんの姿がある。

「本当、おじいちゃんて昔の映画スターみたいね」とおばあちゃんが言うと、おじいちゃんは少し照れくさそうに目を逸らした。

アルバムの最後のページには、同級生たちからの寄せ書きがあった。そこには『のっぽ、元気でな!』『電柱、また会おうな!』といった言葉が躍っている。

「おじいちゃん、そんなに背が高かったの?」

「ああ、クラスで一番高かったんだよ」

照れながら教えてくれたおじいちゃんは、当時のあだ名について少し恥ずかしそうにしていた。

さらに聞けば、ひいおじいちゃんが営む道場の影響で柔道部にも入っていたという。けれど勉強が忙しくてあまり打ち込めなかったのだそうだ。

「昔はひいおじいちゃんが厳しくてなぁ。言うことを聞かないと道場のところにあった松の木に縛るぞって脅かされて、小学生の頃は怖くて泣いてたよ」

そんな笑い話を聞きながら、僕は少しだけ胸が痛んだ。昔の人はみんな、こんなふうに厳しく育てられたのだろうか。

何十年も前のアルバムの中で、18歳の大人びた表情で写るおじいちゃんや同級生たちを見つめる。今の僕よりずっと大人に近い彼らも、僕と同じように悩み、笑い、青春を駆け抜けていたのだと思うと、なんだか無性に嬉しくなった。

外はまだ肌寒いけれど、こたつの中と、家族の思い出に包まれたこの場所はとても温かい。

家族の歴史を紐解くたびに、僕は少しだけ彼らの人生に触れられたような気がする。


まだまだ、僕のタイムカプセルへの探求は続いていく。

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