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夏のタイムカプセル ―僕と魔法のハムの夏―  作者: Fos B


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番外編:【団地見学と、はじめてのピザデリバリーに大はしゃぎ

翌朝、僕はいつも通りに学校へ行った。そして帰ってくると、やっぱりまだおじいちゃんとおばあちゃんは帰ってきていなかった。もちろん、お父さんとお母さんもだ。

お母さんが用意してくれていたおやつを食べ終わり、部屋に帰ろうと思ったら玄関のほうが賑やかになった。僕はすぐに玄関へ駆けつけ、みんなに「おかえり」と元気よく声をかけた。みんなも笑顔で挨拶を返してくれた。

それからガヤガヤと賑やかに、みんなでリビングへ移動してくろぎ出した。お茶を飲みながら、今日見てきたことを僕に報告してくれた。

まずお母さんが、

「今日行ったURの団地はとても規模が大きくてね。見学したところは1階にURの事務所が入っていて、15階建ての棟が2つ建っているの。その下がショッピングセンターになっていて、大きなスーパーやパン屋さん、ファストフード、いろんな商店街みたいな店がたくさんあってすごい活気だったわ。今は水が流れてなかったけれど、夏になると水を流して小川のようになる場所もあるみたい」

と教えてくれた。

次におばあちゃんが、

「近くには大きな病院もあるし、商店街の中に薬局もあるからすごく便利そうだったわよ。銀行や郵便局もあって、交番もあるから安心ね」

と続けた。

そうするとお父さんが、

「そこは本当にすごいんだよ。昔ながらの定食屋さんがあったり、イタリアンや、お蕎麦屋さん、お寿司屋さん、ファストフードもあるから食べるものに困らなそうだね。ランチセットなんかもあるから、いつでもおいしいものが食べられるな」と笑った。

そしておじいちゃが、

「エレベーターもついているし、昔住んでいた団地よりも広いしね。設備が高齢者向けになっていてバリアフリーだから、もし車椅子とかになった場合でも安心だよ」

と、みんな概ね評判が良さそうだった。

ただ、やはりこのマンションから近いといっても車で20分くらいはかかるし、バスを乗り継ぐか電車とバスを乗り継ぐかで少し離れている。まぁ、三陸の実家に比べれば全然近いから、いざという時にはすぐに駆けつけられる安心感がある。

「僕はそこを見ていないけれど、良さそうだね。散歩とかできる公園はあるの?」

と僕が聞くと、おじいちゃんが答えた。

「緑が多くて、公園もあちこちにあって静かなところだよ」

「高齢者ばかりじゃなくて、周りに分譲の棟もいっぱいあるから若い子も多くてね。結構賑やかで活気があってよかったわ。近くに幼稚園も小学校も中学校も高校もいろいろあって、明るい雰囲気ね」

とおばあちゃんも微笑んだ。

「お風呂が五右衛門風呂とは全然違うから、楽に支度ができていいね。でも、あの五右衛門風呂のお湯のやわらかさが恋しい気もするけれど……」

とおじいちゃんが少し寂しそうに言った。

「日当たりもいいから、建物自体は古いけれど気持ちよく暮らせそうね」とおばあちゃんがうなずいた。

「明日もまた、若者たちとのシェアハウスのお茶会の話を聞かせてね」

僕がそう言うと、みんな笑顔でうなずいてくれた。

その日の夜は、ピザのデリバリーを頼むことになった。

見学してきたURのショッピングセンターの中にあるスーパーで、お刺身の盛り合わせや、おじいちゃんとおばあちゃんも食べられそうなおかずを少し買ってきてはいたけれど、おじいちゃんとおばあちゃんの家はピザのデリバリーの配達範囲外だから、これまで食べたことがなかったそうだ。

「一度食べてみたかったんだよ」

と、おじいちゃんとおばあちゃんは大喜びだった。僕も久しぶりのピザに大喜びだし、お父さんも満面の笑みだ。

みんなで温かいピザをお腹いっぱい食べて、買ってきたお刺身とも一緒に味わった。

「ピザとお刺身の組み合わせってすごいね!」

なんて言いながら笑い合い、とても楽しい夕食の時間を過ごした。


まだまだ番外編は続きます。

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