042
今日、うどんを食べようとしたらうどんがなくて、焼きそばの麺でうどん (仮)を作って食べました。
…うどんでは無かったです…うん。
それでは四十二話どーぞー。
「ん…ここは…」
目を開けると、真っ先に目に入ってきたのは、白いカーテン、それから…殿下の寝顔。
……え?
「え、えええええええええ!!!」
「…なんだ朝っぱらから…うるさ……あぁ、エスメラルダ、起きたのか」
「お、起きたのかではございませんっ! わ、私は何故ここに…いや、それ以前にいつ眠ったのですか! ラガルハーネル様と!」
私は、思いつくばかりの罵倒に近い疑問を、公爵令嬢らしからぬ大声で叫ぶ。
文法はぐちゃぐちゃだし、もう、自分で何を言いたいのかもわからない。
ただ、言い訳をすれば……赤くなってしまっている顔を見られない為ではあったのだ。
…まぁ、途中からそんな事はすっかり忘れていた、と言われればそうなのだが。
「そもそも「エスメラルダ」…っはい」
「一旦落ち着け、…エスメラルダがここで寝ているのは、僕が強制的に魔法で眠らせて連れてきたから。何故僕と一緒に眠っているのかというと、ここが僕のベッドで、一番護衛が多いから」
「…どうして強制的に眠らせたのですか?」
「顔色が悪かったからな。婚約者に倒れられるのは困る」
「そうですか…では、もう一つだけ。何故、眠った私をクラリーチェに渡さなかったのでしょうか」
「…もしもクラリーチェ以外の人にお前を渡してしまったら困るだろう」
「…ラガルハーネル様には魔眼でだれかぐらいわかるはずですが?」
「…それでもだ。一応は伝えてきたし………まぁ、僕がエスメラルダと添い寝したかっただけだがな…」
「? なんとおっしゃいましたか」
殿下の声が小さくてよく聞こえなかったので、言い直しを求めたのだが「なんでもない」と言われてしまった。
なんだったのだろう。
「それよりも、今日から授業だが…用意しなくていいのか?」
「ご心配には及びません」
私は否と答えて、指をパチンと鳴らす。
すると、精霊魔法である《瞬着》が発動した。
一瞬あたりが照らされ、光が治れば…あら不思議。
私の服は、ネグリジェから制服へと早変わり。
…ネグリジェ、だれが私に着せたんだろう。
「ほー、すごいな。なんの魔法だ?」
「《瞬着》でございます。ラガルハーネル様」
「便利だな」
「えぇ」
…………。
あ、昨日リトと連絡してない。
というか結構してない。
…どうしよう。
…今日、授業終わったらするしかないよね…はぁ。
「ラルダ、いる?」
『んー、呼ばレテ出てキて〜「ほらいらっしゃい」ンー』
「フィルを通してリトに言っといてちょうだい。今日は必ず連絡しますって」
『オッけー! りょー』
…なんだか段々とラルダの口調が軽く…と言うよりはギャルみたいになってきているような…。
「あ、ラガルハーネル様。こちらが私の契約精霊、ラルダ・ワーライトです。………ほらラルダ、殿下に挨拶は?」
『んー、ラルダ・ワーライトだよー。エメの未来のお婿サマー』
「…婚約者、と言う意味か?」
『そーともイウー』
「…ラルダ、私の部屋から教科書の入ったカバンと学生証を取ってきてくれないかしら。アレがないと授業はマトモに受けられないし、昼食も買えないのよ」
『りょーかい』
ラルダは、どこで覚えなのか、敬礼のポーズをすると、スゥーーっと、窓から外へと飛んでいった。
学生証は、ICカードのような仕組みになっており、そこにチャージしたお金で食事や軽食、他には文房具などを買えるようになっている。
そこは乙女ゲーム、なんでもありだ。
《プラネット》では、学生証にコルと呼ばれる仮想通貨が貯まるまで必死にミニゲームをするか、もしくは課金してコインという仮想通貨を手に入れるしかなかった。
ちなみに、コルでは買えないものがコインでは買えたり……ガシャを引くのはコインを投入するしかなかったのだが…。
「…お騒がせしてしまって、申し訳ございません」
「…いや、いい。あのエスメラルダの契約精霊はラルダ・ワーライトと言うのだな…まぁ、何度かラルダと言う名は聞いていたが…」
「…私の弟、ルリトにも同じように契約亜属…と言っても契約精霊ですが…おりますわ。フィルと言って、氷の精霊です。今の私とリトの通信手段にもなっています」
「…僕にも出来るのか?」
「え、ええ。魔力持ちなら誰でも出来るはずですわ。…ちょっとお待ちください」
私は心の中でラルダに呼びかける。
『ラルダ』
『ん? なーニー?』
『無属性の妖精っているのかしら』
『うん。イルよー。ニヒルって言うの無属性ヨウセイ』
『呼び出し方は?』
『んー、大量のミズに、五種ルイ以上の魔力を混ゼタものをバイカイに〜して〜、他はイツモと一緒〜』
『分かったわ。ありがとうラルダ』
『どーイタしまシテー』
そうしてテレパシーを終了した私は、もう一度殿下に向き直ったのだが…。
「殿下…」
「なんだ? やり方でも分かったのか?」
「それは、分かりましたが……大変です。授業開始まであと5分ほどしかありません。殿下の寮というか部屋は端っこにありますので魔法でブーストをかけたとしても間に合いません」
「荷物は良いのか? 妖精に頼んでいた」
「ええ。ラルダは私のいるところに持ってきてくれますので」
「なら問題ない。………ん」
殿下はそう言いながら私に手を差し出す。
それを私はなんの迷いもなく取り…後悔した。
殿下の魔眼が青く光り…魔法を使うのだと頭の片隅で感じて…それから感じたのは体がグラグラと思いっきり揺れ動く感覚で……平行感覚がなくなる思いだった。
ただ、揺れが収まって目を開けた時には、何故か私たちがいたのは教室の隣にある準備室だった。
「え…? 殿下、これなんの魔法ですか」
「瞬間移動だが…まだ上手く操作ができなくてな…」
「じゃあ使わないでください!」とは言えず、その言葉を飲み込む。
「あと2分もないぞ」
「え? あ、は、早く行きましょう!ーーラガルハーネル様!」
「そうだな」
私たちはそのまま廊下を駆け、残り1分程で授業が始まる…と言うところで席へと着いた。
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