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んー、早く投稿出来ました!

エスメラルダの口調がおかしいところがあるかもしれませんが…。

今回、ライナス様はほとんど出番ありません。

むしろ、ラガエメです。


ではどうぞ。

 悲鳴が聞こえたかと思うと、実技場から、大量の煙と、熱、ところどころから炎の気配がする。

 教師陣が、必死に消火活動を行なっているが、元々水の魔法が得意ではないのか、はたまた、王宮の魔術師らでも魔法のレベルはあんなものなのか。


 ハーツハルク先輩はどうしていたかと言うと…。

 必死に何かを考え込んで…顔を上げた。

 生徒の避難を行うのかと思いきや…。



 ーーーーー逃げた。



 それはもう、全速力で。

 駆けつけてきた教師達が、その様子を見て唖然としている。

 それはそうであろう。

 こんな日に、魔法の授業を任されたと言うことは、そこそこのエリートコースを進んでいたものだと思うから。


 …って、そうじゃない。

 火、消さなきゃ。

 私は、属性に水を持っているので、この程度の火を消す規模の水を出すことは容易い。

 魔力持ちが、魔法を使ったとなると、問題になるかもしれないけど。

 こうなったらヤケクソだ。


 …ーーーっもう、どうにでもなれー!!


「《水の箱庭(ウォーターボックス)》」


 その言葉と共に、突如として現れた水の宇宙と表現すれば良いのだろうか。

 美しく幻想的なそれは、その一瞬で火を鎮火し、また突如として消えていった。


「ーー、い、今の…エスメラルダ様が…?」


 隣で、唖然としていたライナス様が私に話しかけてきた。

 怖く、無いのかしら…。

 そう思って、ライナス様を見ると、小さく震えていた。


 …愚問、だったか……。


「…ええ、そうよ。…私、魔力持ちって言うことはこと瞳で分かるでしょう? それで、本を見て学んだから…」


 ああー。

 こんなことが言いたいんじゃ無い。

 魔法を使えるようになった経緯を話してどうするんだろう。

 もっと、もっと、別の…。


「ドルベラーネル! 今のは貴様か!!」


 …誰?

 ゆっくりと振り向くと、そこにはムー二ライト先生、…いや、教官がいた。

 額には青筋が立っており、いやでも起こっているのが分かる。

 少し挑発したら、爆発してしまいそうなその様子は、まるで、開発当初のダイナマイトのよう。


「…はい」


「なぜ、このようなことをした! 魔力持ちが魔法を使うなど、あってはならぬ! その力は悪魔の力だっ!」


 …魔力持ち(わたし)が使う魔法は、悪魔の力で、あなたが使う魔法は…神の力とでも言うつもりなのだろうか。

 滑稽すぎて、笑えてくる。


「申し訳ありません…ムーニライト先生。火の手が上がっておりましたので、消さない方が危険と判断したのです」


「ふん。たわけ! 我が魔法があればあんなもの直ぐに消せたわ! 今回は新米にテストも兼ねてやらせたまでのこと。そんな事も分からんようでは、ドルベラーネル家も落ちたものよ」


 …お父様やお母様まで侮辱するなんて。

 確かに、学園では生徒の立場は、どうであろうと教官の方が上だ。

 教師が平民であろうと、公爵子息でも文句を言えないし、勝てない。


「…さらに、子息、令嬢共々悪魔の力を持った魔力持ちとは。そして、その子息を時期公爵に指名するなどとほざいておる。ーー馬鹿め…」


 最後と言葉は小さく、また、口もほとんど動いてはいなかったが、聞こえた。

 きこえて、しまった。

 …私のことを侮辱するのはいい。

 でも、父や母、それにリトまで侮辱するのは許さない。


「…お言葉ですが」


「なんだー?」


「新米のテスト、とおっしゃられましたが、それで怪我人が出たら元も子もありません。あの状況では、少なくともテストをされて良いような時ではありませんでした。もしかしたら、死人が出ていたかもしれないのですよ」


「き、きさまっ!!教師に反抗する気か!!ゆ、許さん、許さんぞぉ!!!」


 そう言うと、ムーニライト教官は、顔を真っ赤にし、憤慨した様子で、どこからか出した鞭を私に向かってふるってきた。

 その勢いに思わず目を瞑ったが、バシンっという音の後、つまり、次に目を開けた時目にしたのは、鞭を、その身に受け私を庇うラガルハーネル殿下だった。


「…あ、」


 へなへなと腰が抜けそうになるのを何とか耐えて、殿下を見る。

 腕で受けたのだろう、右手を抑えており、顔は苦痛に歪んでいる。


「ら、ラガルハーネル…さ、ま…」


 手当てをしなくちゃ、と思うのに、如何すればいいか分からない。


 私の、せいだ。

 私があんな事したから。

 私が、私が、私がーー!


「エスメラルダ!」


「ラガ…る」


 上ずって、上手く声が出ない。


「平気か?……ムーニライト教官。これは些か、処罰が酷すぎると思いますが? 彼女は私の婚約者です。怪我でもしたら如何責任を取ってくれる…!」


 殿下が、ラガルハーネル様が怒っている。

 怒気を放ち、ただ、無常に教官を圧倒している。

 如何して、私を庇ったの?

 如何して、私を助けたの?


 分からない。


 私は、《プラネット》の悪役令嬢で主人公はアカリ様で…。

 バッドエンドしかない私は、それを避けようとして。

 結局今、何をしている?


 分からない。


 何がしたいんだろう。


 わから、ない。


 ーーーーーーーー………。


「エスメラルダ」


「ラガルハーネル様…」


「平気か?」


「はい…そうだ。お怪我を」


「…このくらい、なんて事ない。それより、…怖くは、無かったのか?」


「…っ。平気、です」


「…あまり、追求はしないが、かかえこむことはしないでくれ」


「…殿下。怪我の手当てを致します」


 …こういう時は、話を変えるのが一番だ。

 無理やり、腫れてきている右腕をとる。

 殿下の顔が歪んだのがわかった。

 相当痛いのかもしれない。

 私はそっと、治癒魔法を()()()かけた。


 殿下の顔から脂汗が引き、しかめっ面が幾らか柔らかくなる。


「これはーーー」


 魔眼をもつ、殿下には分かっただろう。

 私が魔法を使ったことが。

 それを分かっていながらに、私は何も言わず立ち上がった。


『ラルダ、行きましょう』


『…みんなの、キオク消さなくてイイの?』


『ええ。というか、現実的に考えて無理よ。ラガルハーネル殿下は魔眼、持ってるもの。バレるわよ』


『…んー、ワカッた。いこ!エメ!』


 …どうしてもとなれば邪魔なやつらだけ記憶消そう…。

 言葉とは裏腹に、こんな事を考えて居たが、ラルダは気付かずに、ただ、少し不思議そうにクスクスと笑って居た。

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