029
今回はまぁまぁ早く投稿できたと思います!
毎回毎回深夜投稿でごめんなさい(´・_・`)
誤字脱字はあるかと思いますが、お楽しみください。
そんなこんなで次の日。
学園の入学式まで、まだ日があるので大体の生徒は入学前は授業か学園校舎を見学することが多い。
特に、実習や実験などの授業は人気が高い。
…魔法の授業も、だ。
たしかにこの国で魔法は悪魔の力と呼ばれいる。
だがそれは魔力持ちに限ってのこと。
他の人たちは、神聖なものとか聖なる力と呼ばれることもしばしばあるし、何より、他の国の兵隊たちは魔法を使うのだから使えなければ攻撃もできなければ自衛すらも出来ないような状態なのだ。
これには、王や殿下たちも頭を悩ませているようだが、この国の成り立ち、歴史において魔力、魔法は悪魔の力だ。
それは、覆しようがない。
もし、覆すのであれば、それはこの国を否定するということだ。
私にはそんなことできない。
出来や、しない。
たった…そんな勇気でさえ、私は持ち合わせていない…臆病者。
コンコン
一人でベッドに座っていると、玄関の方で音がした。
「すみません…どなたですか?」
一応ドアチェーンを外さずに少しドアを開ける。
すると、そこにいたのは紫がかった黒髪と瞳を持つメガネおさげの美少女だった。
「あんの、はじめましてずら。あ、あだしはライナス・スカーといいますだ」
訛ってる。
すごい訛ってる。
ギャップ…いや、テンプレ感がすごい。
…なんとなく、「あ、」って思ってしまうほどの訛り。
「ええ…はじめまして。私はクローエフェアラ公爵令嬢、エスメラルダ・クローエフェアラ・ウェン・ドルベラーネルと申します」
「んだ。あだし、ベルガ男爵令嬢ライナス・スカーずら。と、言っても妾腹なんだべが…」
ベルガ男爵…夜会で一度だけお会いしたことがあるわね…。
社交界デビューしていない私がなぜ夜会に出たいかというと、父に実力を試されていたから。
夜会と言っても所謂仮面舞踏会で、利益になりそうだと踏んだ人間に正体をバラし仲間に引き入れるのが私の役目だった。
ベルガ男爵はそこで知り合った。
もちろん、正体をばらした人間には全ての人にうちの派遣に入ってもらっているが、ベルガ男爵だけは違う。
王家の派遣とクローエフェアラ家の派遣、両方の弱みを握る中立。
ベルガ男爵は食えない男だった。
私が全身全霊をもって相手をしても、子供だから…的な雰囲気をまとっていて私をちゃんと敵とは認めてくれなかった。
「あ、んで、あだし…多分ここが部屋なんだべが…」
…同室?
普通、侯爵以上の子息令嬢は毎年、一人部屋になってるんじゃ…。
「…?」
少し、小首を傾げて困ったポーズをしてみる。
夜会でもこれは有効だった。
仮面をしていても可愛いか、可愛くないか、ぐらいは分かるものだ。
エスメラルダの洗練られた姿は割と歳幅は関係なく有効だ。
特に、おじさんには。
…まぁ、本気で発情するのであればロリータコンプレックスの人と呼んでやるが。
「あ、今年は入学生が多いんだべ。だから、王族以外全員二人部屋になってるずら」
へー、知らなかった。
「ふふ、ごめんなさい。知らなくて…その、これからよろしくお願いいたしますね、ライナス様」
「こちらこそよろしくだべね」
…よし、最初の課題はライナス様の訛りを直すことにしよう、うん。
「あの…ご気分を害したらごめんなさい。その、訛っていますよね、ライナス様の言葉は」
「んだんだ。あだしは妾腹だべからいながの屋敷で育てられたんずら。やからだべな」
「直そうとは思わなかったのですか?社交界デビューした時とか…」
「思ったずら。んだから一応敬語は喋れるべさ。…普通のはどうもいづのまにがもどっぢまっでなぁ」
…だんだん訛りが酷くなってる。
「あの、でしたら皆さんに敬語で喋られたらどうですか…?」
「…そうだべな…やってみるずら!………こうですか?」
すこし、小さくなった声音で聞こえたのは、訛りの入っていない簡単な言葉。
癖なのか、メガネを外している。
それに、私の方が身長が高いため必然的に上目遣いになる。
可愛い。
「そうそう!そんな感じよ!」
「あ、ありがとうございます…え、エスメラルダ様」
はじかみながら、笑顔でお礼を述べてくるライナス様は天使そのものだ。
てか、個人的にアカリ様よりライナス様の方がいい。
むしろ、良い…百合じゃないよ?
「その、エスメラルダ様は魔力持ちって聞いたんですが…本当ですか?」
黒髪美少女の敬語。
まさに、優等生って感じがする。
スタイルもいいし、肌だって白い。
妾腹だから勉強はできるか分からないが、そこはルームメイトである私が教えてあげればいいだろう。
…お節介かも知れないけれど。
「ええ、そうよ。私のオッドアイ…これが魔力持ちの証明。…悪魔の力って呼ばれてるけどね…こんな私は、嫌いかしら?」
「い、いえそんな!私も知り合いに魔力持ちの人は結構居ますし」
そう。
悪魔の力などと呼ばれながらも、魔力持ちは結構いる。
そして、そのほとんどが貴族だ。
平民には生まれる確率が極端に低い上、瞳がオッドアイとわかった瞬間に、捨ててしまう親が後を絶たないためだ。
そのため、アカリ様のような平民の魔力持ち、しかもこの様な学園に入学する様な生徒は前代未聞の事態なのだ。
「ふふ、ありがとう…あ、ベッド上と下どっちがいいかしら」
部屋を広く取るため、申請しない限りは二段ベッドであるベッドは窓際に寄せられて居た。
六畳間ほどのこの部屋にはちょうど良いだろう。
六畳間ほどの部屋、と言っても、簡易なキッチンとトイレinバスルーム完備、空調も効いているため快適だ。
「わ、私、その…寝相が悪いので…下が良い、です…」
「そう?じゃあ私は上で寝るわね」
「す、すみません…」
「?」
「その、わたしの方が身分が低いのに先に選んでしまって…」
「あら、」
確かに身分の差はあるけれど…。
「良いのよ。それに、せっかくルームメイトになったんだもの…ライナス様、私とお友達になって下さいな」
「そそんな恐れ多い…」
「嫌かしら?」
「まさかっ!謹んでお受けいたします。エスメラルダ様」
嫌かと聞くと首が飛んで行ってしまうのではないかという勢いで首を横に振って否定された。
確かに、貴族としての名を貰っていないライナスは貴族の中でも下の方の位しか持っていない。
身分だけで言えば天と地ほどの差があるのは分かっている。
けれど、身分だけで友達を作れないのであれば、私みたいな身分の者は誰と友達になれば良いのだろうか。
結局は身分の近い者と友に、と言われるかもしれないけど…婚約を交わしている私には男性の友達は出来ないし、女性からだって殿下が好きな一部の女性…大半の女性からは嫌われている自信がある。
皆さぞ思っていることだろう。
なぜ、悪名高いエスメラルダが殿下と婚約を?
理由は私が一番分かりませんけどね。
…新しいものを書いては投稿し、結果書けなくなる癖を無くしたい…です。




