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気が付いたらブックマークが100をゆうに超えてました!
応援してくださっている方、ありがとうございます!
あ、あと皆さんお忘れになっているかもしれないのでここに書いておきますが、エスメラルダの腕の痣は消えていません。
では、どうぞ、28話です!
パンっ、パンパン
開けた瞬間に、大量のクラッカー音が響き、わぁと歓声が起こった。
玄関ホールには、綺麗に椅子と机が並べられておりその上には豪華な料理が並んでいる。
さながら、一つのパーティーのようだった。
「あの、これは…」
祝杯の言葉も無しにただクラッカーを鳴らされては何事か分からない。
それに皆さん唖然とされているところを見るに私は来る時間帯を間違えたのではないかしら。
「…いやすまん。その、リリアと言う平民が入学するのは知っているだろう。で、馴染みやすいようにだな…」
いかにも風紀委員という格好をした男勝りな女性が、しどろもどろになりながら私に説明をする。
つまり、リリア様のためのパーティーなのだ、うん。
風紀委員率先して行なっているいるのだから、当然、生徒会も了承しているのだろう。
…まぁ、このいかにも風紀委員です!という人がちゃんと風紀委員だった場合のみだけれども…。
どちらにせよ、ここで騒ぎを起こすのは得策ではない。
「いいえ…私も紛らわしい事をしてしまったので…」
「い、いや。そんな…」
「ですが、今日は疲れたのでもう下がらせてもらいます」
「…ああ」
未だ、しどろもどろの見た目風紀委員にゴリ押しで部屋を勝ち取る。
このままではリリア様の歓迎パーティーに私まで参加させられるところだった。
疲れているし、リトとお話しもしたいからもう部屋で休みたい。
でも、…結局私は悪役令嬢で、リリア様はヒロインってことかな。
と言うか…従者たちが乗っている馬車、なんでこんなに早く着いたのかしら。
ラルダが戻ってきたのだから学園についたという事なのだろうけれど。
まぁ、ほぼ百パーセントの確率で、私たちが乗っていた馬車が往復したとしか思えないけれど…。
だっで他の方法知らないし…あるとすれば、リリア様の魔法くらいしか…。
魔法といえば…。
《プラネット》のストーリーでは、姫巫女は光の魔法による慈善活動を行う。
それに惹かれ攻略キャラたちが集まる。
で、ラガルハーネルの婚約者であるエスメラルダは、ラガルハーネルが姫巫女にとられてしまう事を恐れ姫巫女を虐める。
でも、そこは悪役令嬢。
外では姫巫女はあんなに頑張っているのに同じ光の魔力持ちのエスメラルダ様は…と叩かれ。
学園では、だんだんと姫巫女の魅力に魅了されていった生徒に叩かれる。
で、最後には魔法は悪魔の力から天使の力へと変更され。
姫巫女は誰かと結ばれ、卒業式にエスメラルダは断罪される。
これを避けるには、エスメラルダが没落しないで死亡フラグを回避するためには私もリリア様と一緒慈善活動に参加するしかない。
だからまずは、リリア様と仲良くなるところから始めなくては。
…一つ、これで問題があるのはリリア様が転生者というのを理解して、この《プラネット》という話を知っていて…ゲームクリアやハーレムエンドを目指している場合。
これは流石に困る。
手がないわけではないが、特にハーレムエンド。
全員を取られてしまえば、クローエフェアラ家の権力まで落ちてしまう。
特に、ラガルハーネル殿下、彼が一番困る。
今、ほぼ統合状態にある王家とクローエフェアラ家の権力だが、もし今見放されてしまうと多分権力争いで負けるのはクローエフェアラ家だろう。
それに多分、父は本気で戦わない。
国の破滅と自らの破滅。
それを天秤にかけても、私情よりも宰相としての自分を優先させてしまう父は、他国へ亡命するか…悪ければ…自害するだろう。
それは避けたい。
母がいなくなるのだって、もちろんリトがいなくなるのだって嫌だ。
一人の孤独はもう、十分に知っている…前世…祖父と祖母は優しかったけれど、それでも父と母が生きている方が嬉しいと何度感じただろう。
前世の私は母に似ていた。
そして、引き取ってくれた祖父母も母方のほう。
祖父と祖母は、どこか私を母に重ねているように感じたし、心ここに在らずという風に母の写真を眺めていることがよくあった。
それに、唯一怒られたのは母の写っている写真を汚した時。
私の頬をパシリと叩き、仏壇の、もう生きてもいない母に謝っていた。
届くはずもないのに。
「痛かったね」「辛かったね」「ーーが悪かったね。ーーーーーーーーーーーーーのに」
そう紡がれた言葉を聞いて、私は絶望した。
祖父と祖母はその後また、何事もなかったように優しかった。
けれども、それは私への優しさではないと。
知っていたのに信じられなくて、もう、閉じこもるしか無かった。
だって、あの言葉は。
「あれが悪かったね。あんな子生まれて来なければ良かったのに」
その先も言葉は続いていたようだったが、そんなの耳に入らなかった。
もう、何も信じられなくなった。
閉じこもった後は、妙に尽くしてくれる祖父と祖母に命令するようになり、癇癪を起こしてはヒステリックになっていた。
でも、もう何も信じてはないかった。
そして、閉じこもって二年。
もう少しで大学入学する学年という時(まぁ、高校の単位なんて足りていなかっただろうけど)、あの事件が起こった。
エスメラルダとして転生した時のことは今でもかなり鮮明に覚えている。
痛みと恐怖にかられ、必死に喘いでいるとキールが駆けつけてくれた。
でも、この頃キールは私の近くにあまり寄ろうとしない。
少し前までは、エスメラルダ至上主義だったのに…やはり、性別の違いは大きいのだろうか。
クラリーチェはいつも一緒に居てくれるが、彼女はあまり事務的な事以外話そうとしない。
=(イコール)つまらない
学園に来たってどうせ悪役令嬢には友達なんてできないでしょうし。
…取り巻きは、できるのかも知れないけれど。
『ラルダ、リトと通信できる?』
誰がいるか分からないのでテレパシーで会話をする。
『ウン、まってネー。出来た!フィルいるー?』
数秒後、ファルとリトの声が頭に浮かんで来た。
聞こえると言うよりは感じる、と言う方が分かりやすい感覚だろうそれは、私とリトをつないでいた。
『…エメ姉、か?』
少し、疲れたようなその声は私の心にストン、と収まった。
『ええ、そうよ。リト…疲れてる?』
『あー、わかる?エメ姉と殿下の婚約に反対する者達がデモを起こして、その収集作業をしてたんだ』
『私のせいね…ごめんなさい』
『いや、別に良いんだけどさ…それより、すごく早く着いたんだな…。あと二日ぐらいかかると思ってた』
『私も驚いてるわ。なんでも魔法付与のかけてある馬車だったそうでね?二、三時間で着いたのよ』
『へぇ、それはすごいな』
そこまで一気に話したところで私ははぁ、と息を吸った。
話し始めてから、興奮状態でちゃんと呼吸をしていなかった気がする。
『…今日、アカリ・カンザキ様っていう、平民の魔力持ちの生徒に会ったわ…知っていて?アカリ様のこと…』
『ああ、それなら知ってる。何でも魔法で慈善活動をやってるらしい。それに、エメ姉と同じ光の魔力だったよな。たしか』
『ええ、そうよ…』
やっぱり知っていた。
リトがアカリ様に恋してしまったらどうしよう。
身分?そんなの関係がない。
だって《プラネット》のサブタイトルは、
〜美しの姫巫女の身分違いの恋物語〜なのだから。
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